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お役立ちコラム

受験うつとは?原因・サインとつらいときの対処法をわかりやすく解説

「何をしても気分が晴れない」

「受験のことを考えると、何もやる気が出ない」

受験期にこうした状態が続くと、「受験うつなのでは?」と不安になる人もいるでしょう。

受験は人生の中でも大きなプレッシャーがかかる時期です。

その中で心が疲れてしまうのは、決して特別なことではありません。

この記事では、「受験うつ」と呼ばれる状態について、原因・よくあるサイン・放置するリスク・回復に向けた考え方と行動を、中高生・保護者の双方に向けて解説します。

受験うつとはどんな状態?

勉強で頭を抱えている学生

「受験うつ」は医学的な正式名称ではありませんが、受験期の強いストレスが原因で、

  • 気分の落ち込み
  • 無気力
  • 不安や自己否定

といったうつ状態に近い症状が続くことを指して使われます。

重要なのは、「気合いが足りない」「甘え」ではないという点です。

心が限界に近づいているサインとして、正しく受け止める必要があります。

受験うつの主な原因

頭を抱えている学生

① 長期間続く強いプレッシャー

  • 合否が将来を左右するという不安
  • 成績や偏差値への焦り
  • 期待に応えなければという思い

これらが長く続くと、心は少しずつ疲れていきます。

② 努力が結果に結びつかない経験

  • 模試で結果が出ない
  • 周囲との差を感じる

こうした経験が重なると、「頑張っても意味がない」と感じやすくなります。

③ 休めない環境・考え方

  • 休むことに罪悪感がある
  • 常に勉強しなければならないと思っている
  • 完璧を求めすぎる

真面目で責任感の強い生徒ほど、自分を追い込みやすい傾向があります。

受験うつのサイン(見逃しやすい変化)

疲れて寝ている学生

心のサイン

  • 以前楽しめていたことが楽しくない
  • やる気が出ない状態が続く
  • 自分を強く責めてしまう
  • 将来に希望が持てない

体のサイン

  • 寝ても疲れが取れない
  • 食欲が落ちる、または過食
  • 頭痛・腹痛が続く
  • 朝起きるのが極端につらい

これらが2週間以上続く場合は、無理をしないことが大切です。

受験うつを放置するとどうなる?

頭を抱えている学生

無理に頑張り続けてしまうと、

  • 勉強効率が大きく下がる
  • 自信を完全に失ってしまう
  • 学校や塾に行くこと自体がつらくなる

といった状態に進んでしまうことがあります。

早めに立ち止まり、回復を優先することが、結果的に受験にもプラスになります。

つらいときに大切な考え方

① 今は「頑張る時期」ではないこともある

受験期=常に全力、ではありません。

心が疲れているときは、立て直す時期と考えてください。

② 勉強できない=価値がない、ではない

勉強が思うように進まなくても、あなたの価値が下がるわけではありません。

受験は人生の一部分であり、すべてを決めるものではない、という視点も大切です。

受験うつを感じたときの具体的な対処法

勉強している学生

① 信頼できる大人に相談する

  • 保護者
  • 学校の先生
  • 塾の講師

「しんどい」「つらい」と言葉にすることが、回復の第一歩です。

② 勉強のハードルを下げる

  • 時間を半分にする
  • 教科を1つに絞る
  • 見るだけ・読むだけでもOKにする

「できた」という感覚を少しずつ取り戻しましょう。

③ 生活リズムを整える

  • 睡眠時間を優先
  • 食事を抜かない
  • 朝日を浴びる

基本的な生活習慣は、心の回復に大きく関わります。

④ 専門機関を頼る選択もある

症状が強い場合は、医療機関やカウンセラーに相談することも大切です。

「頼る=弱さ」ではありません。

周囲の大人にできること

空に叫んでいる学生
  • 結果よりも気持ちを受け止める
  • 「頑張れ」と言いすぎない
  • 安心できる居場所を作る

支える側の関わり方で、回復のスピードは大きく変わります。

まとめ|受験うつは一人で抱えなくていい

受験うつは、真剣に受験と向き合った結果、心が疲れてしまった状態です。

  • 立ち止まってもいい
  • 助けを求めていい
  • 回復を優先していい

学研オンエアでは、学習面だけでなく、受験期の不安や心の負担にも寄り添いながらサポートしています。

今はつらくても、必ず前を向ける日が来ます。

焦らず、少しずつ整えていきましょう。

保護者の方へ|「辛い」と言えることは大切なサインです

「受験が辛い」という言葉は、決して弱音ではありません。

それは、限界が近づいていることを知らせるサインでもあります。

  • 無理に励まさない
  • 他の子と比べない
  • 話を途中で遮らない

こうした関わりが、お子さまの安心感につながります。

受験は長期戦です。

一時的にペースを落とすことが、結果的に最後まで走り切る力になることもあります。

保護者の方へ|「気の持ちよう」で済ませないことが大切です

受験期の強い落ち込みや無気力は、単なる甘えではありません。

  • 勉強への意欲が極端に下がる
  • 好きだったことにも関心を示さない
  • 自己否定の言葉が増える

こうした状態が続く場合、本人の努力だけで乗り越えるのは難しいこともあります。

保護者の方ができることは、

  • 状況を否定しない
  • 一人で抱え込ませない
  • 必要に応じて専門家につなぐ

ことです。

学研オンエアでも、学習面と気持ちの両面から、無理のない学習をサポートしています。

齋藤徹也
齋藤徹也

首都圏の学習塾で20年以上の講師歴があり、現在は学研オンエアの算数・理科担当。小学生の理科実験から早慶附属高校合格者を排出するクラスまで、幅広い指導経験あり。オンライン授業でも、目の前にいるような元気いっぱいの授業が魅力。授業の合言葉は「必ず数学嫌いを克服させます!」