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フリースクールとは?サポート校との違いや費用・条件などをご紹介!

2022年の調査では全国の小中学生の不登校児童数は30万に迫っています。

1975年ごろから問題になりはじめた不登校児童・生徒の増加にともない、日本各地でフリースクールが多く設立されています。

不登校のお子さんがフリースクールに通うと社会との接点ができるうえ、保護者の精神的な負担も軽減できるでしょう。

今回はフリースクールの種類やサポート校との違い、通い方などについて解説します。

お子さんの不登校にお悩みの方は参考にしてください。

フリースクールとは?

外で学習する子供たち

2015年に行われた文部科学省の調査によると、全国におよそ470ものフリースクールが設立されています。

ただ、一口にフリースクールといっても形態はさまざまで、主に以下のような形態および目的があります。

フリースクールの種類 主な目的
お子さんの居場所になるタイプ 他のお子さんと安心して一緒に過ごすことで学習意欲や自己肯定感を高める
学校への復帰を目指すタイプ 学校と同様のカリキュラムを履修してスムーズに復学できるようサポートする
専門家によるサポートが受けられるタイプ 学習障害や発達障害がある児童・生徒に対して専門家が学習支援や社会生活を送るためのトレーニングを行う
医療機関と連携してサポートするタイプ 身体的・精神的疾患を持つ児童・生徒が安心して過ごせる場所を提供する

フリースクールには上記のようにさまざまな形態・目的があるため、お子さんにあった箇所を選択する点が重要なポイントです。

フリースクールの活動内容

フリースクールの活動内容は大きく「学習活動」「教育相談」「体験活動」の3つに分類されます。

1日の活動内容はフリースクールが決めるのではなく、お子さんが自ら決定する点が特徴です。

フリースクールでもっとも多く行われている活動が個別の学習支援で、相談やカウンセリングが続きます。

また、昼食作りなどの体験や自然観察、農業体験、職場体験といった体験活動も積極的に行われています。

フリースクールの入学条件

フリースクールには原則として入学条件や必要な資格などがありません。

というのも、フリースクールは民間の施設であり、正式な学校のような教育機関ではないためです。

そのため、お子さんと相性の良いフリースクールを選択するのが一般的です。

対象年齢は施設ごとに異なるため、年齢にあった施設を事前に調べておくと良いでしょう。

フリースクールの費用は?

フリースクールへの入学金の平均はおよそ53,000円ですが、5,000円以下の施設もあれば、100,000円以上の施設もあるなどさまざまです。

ただ、フリースクールのおよそ30%では、入学金を10,000円から30,000円に設定しています。

1ヶ月あたりの授業料の平均はおよそ33,000円ですが、5,000円未満の施設もあれば50,000円以上の施設もあります。

また、後述するように全寮制のフリースクールは、その他の形態よりも高額になるため注意が必要です。

進学はできる?

フリースクールの利用目的はお子さんによりさまざまで、進学するかどうかもお子さんの意欲次第と言えるでしょう。

フリースクールを卒業した後の進路としては、転校・編入して全日制の高校や大学に進学するケースもあれば、通信制・定時制学校に進学するケースもあります。

また、海外に留学したり、社会に出て働いたりする進路もあります。

そのため、お子さんの希望を聞いたうえで卒業後の進路を検討するのがおすすめです。

フリースクールとサポート校の違い

教室で勉強する学生

サポート校もフリースクールと同様に、民間の予備校や進学塾などが運営しています。

ただ、多くのサポート校では入学資格を設けている点が、誰でも入れるフリースクールとの違いです。

多くのサポート校では「中学校卒業見込み」や「通信制高校への在籍経験」といった条件が求められます。

入学資格がある理由としては、サポート校がそもそも通信制高校に通うための教育施設だからです。

フリースクールの通い方

黒板に書く子供たち

フリースクールはその名の通り「自由に」通える点が特徴です。

週1回だけの利用でも構いませんし、午前のみ・午後のみといった通い方でも問題ありません。

また、学校とフリースクールのどちらかを選ばなければならないといった制約もなく、学校に通いながらフリースクールを利用することも可能です。

文部科学省では2016年の9月に全国の小中学生へ向けて「不登校を問題行動と判断してはならない」との通知を出しています。

また、通知のなかでは「不登校児度に寄り添い共感的理解と受容の姿勢を持つことも重要」と指摘しており、社会的自立を目指すためのサポートが欠かせないとされています。

その点でも、フリースクールの必要性はますます高まっていると言えるでしょう。

フリースクールの種類

自宅で勉強する男の子

フリースクールは全国に470ヶ所ほどありますが、大きく以下の4種類に分類されます。

  • 通学型
  • オンライン型
  • 自宅訪問型
  • 全寮制型

ここでは、フリースクールの主な4つの種類について解説します。

①通学型

全国に存在する多くのフリースクールが通学型を採用しています。

一般的な学校のように教室の形態を採っているフリースクールもあれば、マンションの一室で取り組んでいるケースもあります。

通学型のフリースクールを選ぶ際には、お子さんが無理なく通えるか検討するのがポイントです。

学校のように週5日通う所もあれば、週1日から始められるスクールもあります。

②オンライン型

外出が困難な児童・生徒の場合は、オンライン型のフリースクールを選択する方法があります。

通学を苦痛に感じるお子さんだけでなく、「朝起きるのが苦手」「集団生活にうまく馴染めない」お子さんにもおすすめです。

オンラインのフリースクールによっては、出席扱いとなるケースがある点もメリットの1つです。

ただし、オンラインに慣れてしまうとますます外出が困難となるリスクもあります。

③自宅訪問型

先生やスタッフが自宅を訪問して児童・生徒が興味を持つことを共に行い、外出意欲を引き出すのが自宅訪問型のフリースクールの特徴です。

学校のカリキュラムに即して学習するだけでなく、運動やゲームを一緒に行うこともあります。

また、基本的に先生やスタッフがマンツーマンで対応してくれるため、きめ細かなサポートが期待できます。

ただし、オンライン型と同様、外に出る習慣を身に付けられない点がデメリットの1つです。

④全寮制型

他のお子さんやスタッフと共同生活を送る中で、引きこもりや不登校の克服を目指すのが全寮制型フリースクールの特徴です。

24時間体制でサポートが受けられ、自立心を育みやすい点がメリットとなっています。

また、仲間と一緒に共同生活をするため、お子さんに社会性を身に付けさせたい際にもおすすめです。

ただ、一般的なフリースクールに比べると、年間の費用が180万円から360万円と高額になる点がデメリットと言えます。

フリースクールとは?まとめ

フリースクール入学制限もないため誰でも利用可能です。

お子さんに合ったフリースクールを選ぶことで、次のようなメリットが得られます。

  • お子さんの自己肯定感や学習意欲を高められる
  • 学校生活へのスムーズな復帰が期待できる
  • 自立心や社会性が育まれる
  • 安心して過ごせる居場所ができる
  • 手に職をつけるためのトレーニングが受けられる

また、進学型やオンライン型、自宅訪問型、全寮制型といった種類があるため、お子さんが続けやすいフリースクールを選ぶことが重要なポイントです。

学校とフリースクールは二者択一ではなく併用可能なので、週2回は学校に通い、残りの3日はフリースクールを利用する方法もあります。

学研オンエアなら自宅にいながらトップ講師の授業が受けられるだけでなく、他の生徒とオンラインで関われるコミュニケーションの場が用意されている点も特徴です。

不登校の児童・生徒であっても同世代のお子さんと関わることができるため、検討してみることをおすすめします。

山下彰洋
山下彰洋

Gakken ON AIR塾長。塾講師歴22年。迫力満点の熱血授業。わかりやすさだけではなく「考え方」を重視した授業スタイルが人気。算数・数学講師、教室長、研修課長、教務課長を歴任し、現在は学研にてオンライン学習塾の事業責任者を担当。