子供にとってゲームはとても楽しく、時間を忘れて熱中するケースも少なくありません。親御さんにとっては学力が低下するのではないかと気が気ではないことでしょう。
しかし、現代の小中学生の9割以上が日常的にゲームを楽しんでおり、無理にやめさせるのは現実的ではありません。そのため、子供がゲームをする際のルールを作る必要があります。
本記事では子供のゲームにルール作りが必要な3つの理由について解説するとともに、ルールを設ける際のポイントについて解説します。
子供がゲームばかりしていて勉強に手がつかないとお悩みの親御さんは参考にしてください。
ゲームをしている子供の割合はどれくらい?
文部科学省の行っている全国学力・学習状況調査の結果によると、1日に1時間以上ゲームをする小学生はおよそ76%、同じく中学生は71%となっています。
まったくゲームをしない小学生は7.6%で、2時間以上ゲームをする小学生はおよそ半数を占めており、およそ17%は1日に4時間以上もゲームをしているとのことです。
中学生になると1日に1時間以上ゲームをする子供はやや減少しますが、2時間以上ゲームをする子供は半数を占めており小学生と変わりません。
参考:全国学力・学習状況調査 (opens new window)
子供のゲームにルール作りが必要な3つの理由
子供のゲームにルール作りが必要な3つの理由は以下の通りです。
- 勉強がおろそかになる
- 生活リズムが乱れる
- ゲーム依存症に陥る恐れがある
子供のゲームにルール作りが必要な理由①勉強がおろそかになる
子供がゲームをする時間が長くなるにつれて、勉強に悪影響をおよぼすことが統計からも明らかになっています。
先の全国学力・学習状況調査から、選択肢ごとの教科の平均正答率を紹介します。
小学生
1日にゲームをする時間 | 国語の正答率 | 算数の正答率 | 理科の正答率 |
---|---|---|---|
まったくしない | 75.5% | 72.5% | 72.6% |
1時間未満 | 73.6% | 70.9% | 70.8% |
1時間~2時間 | 69.1% | 64.4% | 66.5% |
2時間~3時間 | 64.6% | 62.1% | 62.2% |
2時間~3時間 | 60.5% | 58.1% | 58.3% |
4時間以上 | 54.6% | 52.8% | 52.8% |
中学生
1日にゲームをする時間 | 国語の正答率 | 算数の正答率 | 理科の正答率 |
---|---|---|---|
まったくしない | 77.4% | 60.1% | 55.8% |
1時間未満 | 76.0% | 60.1% | 55.5% |
1時間~2時間 | 71.7% | 56.0% | 52.3% |
2時間~3時間 | 67.7% | 50.3% | 48.2% |
2時間~3時間 | 64.3% | 45.4% | 44.9% |
4時間以上 | 59.6% | 39.9% | 41.7% |
上記の表からも明らかなように、1日にゲームをする時間が長い子供ほど、すべての教科において正答率が下がると分かりました。
特に小学生の理科に関してはゲームをまったくしない子供と4時間以上ゲームをする子供との間に20%近い正答率の差が、中学生の数学では20%以上の差が生じています。
単純にゲームをする時間が長くなれば自宅学習に取り組む時間が減るため、勉強がおろそかになると考えられます。
そのため、子供のゲームにルールを設ける必要があるのです。
子供のゲームにルール作りが必要な理由②生活リズムが乱れる
子供がゲームをする時間が長くなると、生活リズムを乱す可能性が高くなります。
特に1日に4時間以上もゲームをする子供の場合、その他の活動に割く時間を減らす必要があることは明らかでしょう。
例えば、寝る間も惜しんでゲームをしていると朝起きるのがつらくなり、日中に眠くなり学業に支障が生じやすくなります。
また、夜遅くまでゲームをしていると脳が興奮状態になり、睡眠の質が低下するため心や体の成長にも悪影響をおよぼす可能性があるでしょう。
心身の健全な成長のためにも、子供のゲームにルール作りが必要だと分かるのではないでしょうか。
子供のゲームにルール作りが必要な理由③ゲーム依存症に陥る恐れがある
ゲームは子供にとって楽しい時間で、上手に利用すればストレスを発散したり、新たな知識を得たりできる有益なアイテムです。
しかし、あまりにもゲームに熱中しすぎると、ゲーム依存症に陥る可能性があります。
ゲーム依存症対策関係者連絡会議によると、日本におけるネットゲーム依存の割合は男性で3%・女性で1%で、少なくとも100万人以上が罹患して いる計算です。
海外では長時間のゲームでエコノミークラス症候群を発症して死亡した例も報告されており、軽視できない病気となりつつあります。
エコノミークラス症候群は極端な例ですが、小学生や中学生がゲーム依存症を発症すると次のような症状が起こりやすくなります。
- 生活リズムの乱れによる寝坊や遅刻
- 不登校や引きこもり
- イライラや気分の落ち込み
- 食欲不振や頭痛
- ゲーム以外のことに関する興味の消失
子供がゲーム依存症に陥らないためにも、適切なルールを作ることが大切だと分かるでしょう。
参考:ゲーム依存症対策関係者連絡会議「インターネット・ゲーム障害」 (opens new window)
子供のゲームにルールを設ける際の5つのポイント
子供がゲームにルールを設ける際には、以下5つのポイントを押さえておくことが大切です。
- ルールを子供に考えさせる
- 親の希望も伝える
- ゲームをする場所を決める
- 柔軟性を持たせる
- ペナルティを設けておく
子供のゲームにルールを設ける際のポイント①ルールを子供に考えさせる
ゲームにルールを設ける際には、子供に考えさせるのがポイントです。
親が「こうしなさい」と押し付けても、怒られるから言うことを聞くというだけで、自発的にルールを守る意識が芽生えません。
自分で「こうする」と決めた方がルールを守りやすい傾向にあります。
ただし、はじめから親が口をはさまずに、まずは子供に任せるようにしてください。
子供のゲームにルールを設ける際のポイント②親の希望も伝える
子供がルールを考えて提案してきたら、親の希望も伝えてすり合わせを行いましょう。
自分で決めるといっても、「1日に4時間ゲームをしていい」ルールでは学力の低下は免れません。
ただし、頭ごなしに「こうしなさい」と言うのではなく、理由を添えて丁寧に説明するのがポイントです。
例えば長時間ゲームをすると目や姿勢が悪くなったり、宿題が終わらなくなったりするといったデメリットを伝えると良いでしょう。
また、「こうしなさい」ではなく「こうした方がいいよ」と提案するようにしてください。
子供のゲームにルールを設ける際のポイント③ゲームする場所を決める
子供のゲーム依存症のリスクを下げるためには、ゲームをしていい場所を決めるのも大切です。
特にスマホゲームはどこでもできるため、どうしてもゲームに熱中してしまいがちです。
そのため、「ゲームは必ずリビングでする」「スマホゲームは親がいるところでやる」などのルールを決めておきましょう。
あらかじめゲーム機のケーブルをリビングのテレビにつなぐなど、環境を整えておく方法もあります。
子供のゲームにルールを設ける際のポイント④柔軟性を持たせる
ゲームにルールを設ける際に、はじめに決めることの1つが時間ではないでしょうか。
しかし、ゲームのジャンルによってすぐに切り上げられるタイプもあれば、時間が掛かるものもあります。
そのため、「RPGゲームは原則1時間だけど、セーブポイントまではOK」などとルールを決めておくと良いでしょう。
また、平日にちゃんと宿題を終わらせていれば、週末は2時間までOKと柔軟性を持たせるのもおすすめです。
子供のゲームにルールを設ける際のポイント⑤ペナルティを設けておく
子供と一緒にゲームのルール作りを行うのであれば、ペナルティも設けておく必要があります。
ペナルティが無いとルールを破っても「悪いことをした、約束を守れなかった」との意識が芽生えません。
ただし、ペナルティに関しても親が押し付けるのではなく、子供と一緒に考えるのがポイントです。
約束を破ったら3日間ゲーム禁止など、子供と話し合って現実的なペナルティを設けるようにしましょう。
子供にゲームのルールを守らせる5つのコツ
子供にゲームのルールを守らせるためには、以下の5点を意識しましょう。
- ルールを守れたらほめる
- ゲーム以外の楽しみを提供する
- 塾や習い事に通わせる
- 学習アプリを利用する
- 親が率先垂範する
ゲームのルールを子供に守らせるコツ①ルールを守れたらほめる
子供が親と一緒に作ったルールを守れたら、ほめることを忘れないようにしましょう。
そもそも、ゲームは子供の関心を引き付けて離さないように作られています。
そのため、ゲームの魅力に抗って子供がルールを守るのは、実は大変なエネルギーが必要なものです。
ルールは守るのが当然ですが、守れたらしっかりとほめてあげてください。
ゲームのルールを子供に守らせるコツ②ゲーム以外の楽しみを提供する
「子供がゲームばかりして困っている」と言う親御さんのなかには「ゲームをやめなさい」としか言わない方がいます。
子供がゲームに夢中になっているのであれば、その他に楽しめるアイテムを用意してみてはいかがでしょうか。
例えばカードゲームやボードゲームなど、親も一緒に楽しめて頭を使うアイテムは多くあります。
キャンプや釣りなど、ゲームよりも面白いアウトドアがあることを教えてあげるのも良いでしょう。
ゲームのルールを子供に守らせるコツ③塾や習い事に通わせる
塾や習い事に通わせるとゲームをする時間を確保するために、時間管理が上手になります。
また、ダンスや楽器など習い事によってはゲームよりも子供の関心を引く可能性があります。
物理的にゲームから遠ざかる時間が増えるうえ、一生の趣味を見つけられる点もメリットの1つです。
経済的負担は増しますが、可能な範囲で検討してみてはいかがでしょうか。
ゲームのルールを子供に守らせるコツ④学習アプリを利用する
子供がどうしてもゲームをやめられないのであれば、学習アプリを利用する方法があります。
ゲーム感覚で学習に取り組めるため、学力の低下を最小限度にとどめられる点がメリットの1つです。
子供によっては「勉強した」ではなく「ゲームができた」と捉えるケースもあるでしょう。
キャラクター育成系の学習アプリなどを利用すれば、毎日取り組む習慣が身に付くのでおすすめです。
ゲームのルールを子供に守らせるコツ⑤親が率先垂範する
昔から「親の背を見て子は育つ」とか「子は親を映す鏡」と言われます。
子供にゲームのルールを守らせるのであれば、親も自分で決めたことを子供の前で実践して見せましょう。
子供にはゲームの時間制限をするのに親が夜遅くまでだらだらテレビを見ていたら、子供は不公平に感じるでしょう。
子供の考え方や行動について疑問に感じる点があれば、自分のことも振り返ってみる必要があるかもしれません。
ゲーム以外の楽しみを子供に与えるなら学研オンエアがおすすめ
子供の目をゲーム以外に向かせるためには、他に興味の対象となるものを提供する方法も効果的です。
ゲーム以外の楽しみを子供に与えるなら、学研オンエアがおすすめです。
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苦手分野を楽しみながら克服し、成績があがれば自然と子供の学習意欲を高める効果が期待できるでしょう。
ゲームのルールはどうやって決める?|まとめ
日常的に2時間以上ゲームをする小中学生はおよそ半数を占めており、ゲームの時間が長くなればなるほど学力が低下する傾向にあります。
ゲームのルール作りを作る際には親子で一緒に考え、親御さんも子供の手本となる態度を示すことが重要です。
ゲーム以外の楽しみを子供に与えたい方には、楽しみながら学力アップが期待できる学研オンエアがおすすめです。
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