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小学生のネット依存の問題点について!予防法やルールの作り方もご紹介

物心がついた時からインターネット環境が身近にある「デジタルネイティブ」の小学生にとって、ネット依存は避けては通れない問題の1つです。

2019年に始まった教育のデジタル化プロジェクトにより、小学生1人に1台の情報端末が貸与されており、インターネットとの付き合い方に悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか。

ネット依存は年齢が低ければ低いほど治療が困難なため、子どものインターネットとの付き合い方について、ルールを作っておくことが重要です。

本記事では小学生のネット依存の割合や問題点について解説するとともに、対処法やルールの作り方を紹介します。

インターネットとの付き合い方にお悩みのお子さまや親御さんは参考にしてください。

小学生のネット依存の実態について

スマホを見る子供の手元

デジタルネイティブと言われる現代の子供にとって、インターネット環境は大きなメリットだけでなくデメリットももたらします。

始めに、小学生のネット依存の実態について以下の3点を解説します。

  • ネット依存とは
  • 小学生のネット依存の割合
  • インターネットの利用時間

お子さまがネット依存になっていないか心配な親御さんはぜひご一読ください。

ネット依存とは

ネット依存はインターネット依存症を略したもので、オンラインゲームを含むインターネットの利用時間が自分でコントロールできないほど長くなるのが特徴です。

子供に多く見られるネット依存の代表例がゲーム障害で、世界保健機関(WHO)では次のように定義しています。

  • ゲームをする時間や頻度、終えるタイミングなどがコントロールできない
  • 日常の活動や他の生活上の関心よりもゲームを優先する
  • 身体や精神に問題が起きているのにゲームを続ける、もしくはさらにエスカレートする
  • 重症例では個人や家庭、社会、学業、仕事などに重大な支障を来す

上記の4項目が12ヶ月以上続くとゲーム障害と診断されますが、重症例では12ヶ月を待たずにゲーム障害と認定されるケースもあります。

小学生のネット依存の割合

静岡県の教育委員会が県内の小学生〜高校生を対象に調査を行ったところ、全体のおよそ40%がネット依存の傾向にあるとの結果が出ました。

内訳は小学生が30.6%、中学生が45.8%、高校生が50.1%と学年や年齢が上がるにつれ、ネット依存の傾向に拍車がかかることがわかります。

インターネットを利用する目的としてはおよそ80%が動画視聴と答えており、ゲームがおよそ70%、音楽視聴がおよそ60%、SNSやメールなどがおよそ56%と続きます。

インターネットの利用時間

内閣府の調査によると、10歳から12歳の小学生が1日にインターネットを利用する平均的な時間は以下の表の通りです。

  • 男子
年齢 1時間未満 1~2時間 2~3時間 3~4時間 4~5時間 5時間以上
10歳 19.6% 19.0% 25.6% 16.7% 10.1% 7.7%
11歳 14.4% 22.5% 20.6% 18.2% 8.6% 12.0%
12歳 12.2% 17.1% 18.7% 19.2% 13.5% 17.1%
  • 女子
年齢 1時間未満 1~2時間 2~3時間 3~4時間 4~5時間 5時間以上
10歳 25.9% 32.0% 21.1% 8.8% 4.8% 5.4%
11歳 19.6% 29.9% 21.6% 12.7% 6.9% 6.9%
12歳 15.5% 23.6% 21.4% 19.1% 6.8% 10.5%

上記の表から小学6年生男子のおよそ5割が、1日に3時間以上インターネットを利用しているとわかります。

一方、小学6年生の女子で1日に3時間以上インターネットを利用する例はおよそ35%と、男子に比べて低い傾向にあります。

#小学生がネット依存に陥る原因

学習机に座る男女の子供

小学生がネット依存に陥る主な原因は以下の4つです。

  • 実社会に適応できない
  • 家庭環境に問題がある
  • 発達障害を抱えている
  • 承認欲求が強すぎる

小学生がネット依存に陥る原因①実社会に適応できない

他者とのコミュニケーションが苦手で友達ができないなど、実社会に適応できない小学生はネット依存に陥る可能性が高くなります。

人間関係のトラブルやいじめが原因で外で遊ぶ機会が減少すると、家でオンラインゲームをする時間が増加する傾向にあります。

また、社交不安障害もネット依存に陥る原因の1つです。

社交不安障害を発症すると対人関係に過度の緊張を抱くため、学校に行けなくなり引きこもりがちになります。

家にいてもやることがないとネットサーフィンをして時間をつぶしたり、対面ほど緊張を強いられないオンラインでのコミュニケーションにのめり込みやすくなります。

小学生がネット依存に陥る原因②家庭環境に問題がある

ネット依存に陥る小学生のなかには、家庭環境に問題がある子供が少なくありません

以下のような家庭の問題がある場合、子供がネット依存に陥る可能性が高くなると考えられています。

  • 親が育児に対して関心を持たない(ネグレクト)
  • 夫婦の仲が悪い
  • 育児に関して両親の考えが異なる
  • 親子の会話が少ない
  • 両親が共稼ぎで家にいる時間が短い

小学生がネット依存に陥る原因③発達障害を抱えている

発達障害を抱えている子供は、ネット依存に陥りやすい傾向があると考えられています。

中でもADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)はネット依存と深く関わっています

ネット上では人と直接顔を合わせることがなく、比較的コミュニケーションが取りやすい点が特徴です。

そのため、社会的なコミュニケーションが苦手なASD患者であっても、ネット世界では快適に過ごせます。

また、ADHD患者は自分が好きなことに関しては異常に集中力が高いため、いったんネットゲームにはまると依存症にまで進行しやすい傾向にあります。

小学生がネット依存に陥る原因④承認欲求が強すぎる

デジタルネイティブの小学生のなかには、YouTubeに動画を投稿したり、インスタやX(旧Twitter)に写真を掲載したりする子供も少なくありません。

動画や写真を投稿して他者から高評価や好意的なコメントをもらうと承認欲求が満たされ、やがて快感に変わります

いったん快感を味わうと、次第に「もっと評価されたい」という気持ちが芽生えるため、ネット依存に陥る可能性が高くなります。

実際に承認欲求が強い人は、そうでない人に比べてインスタやX(旧Twitter)の利用率が高いとの研究もあります。

小学生がネット依存に陥った際の問題点

暗い部屋でタブレット端末を見る男女の子供

心身ともに未成熟な子どもがネット依存に陥ると、次のような問題を生じやすくなります。

  • 学力低下
  • 心身の不調
  • 攻撃的傾向

ネット依存に陥ると家庭での学習に取り組む時間が相対的に減少するため、学力の低下を招きやすくなります。

全国学力・学習状況調査の結果からも、ゲームをする時間が長くなればなるほど、正答率が下がると判明しています。

ネットにのめり込むあまり睡眠時間が削られると、次第に心身の不調を来しやすくなるのは当然の結果と言えるでしょう。

また、ネット依存に陥るとイライラしたり、怒りっぽくなったりと攻撃的傾向が見られるようになります。

小学生のネット依存を予防する方法

動画サイトを映すスマホ

小学生のネット依存を予防するためには以下の対策を講じるのがおすすめです。

  • 親子でルールを考える
  • 普段からコミュニケーションを密にする
  • ネット以外の楽しみを提供する

小学生のネット依存を予防する方法①親子でルールを考える

小学生のネット依存を予防するためには、あらかじめルールを作っておくことが欠かせません。

ただし、親が一方的にゲームやネットを制限するのはNGです。

一方的にゲームやネットを制限されると、親に隠れてスマホやタブレットを見るなど弊害が生じやすくなります。

親子で一緒に現実的なルールを考え、約束を破ったらペナルティを与えるようにしましょう

家を空ける時間が長い親御さんは、スマホやタブレットの機能を制限するのも一つの手です。

小学生のネット依存を予防する方法②普段からコミュニケーションを密にする

普段から親子のコミュニケーションを密にしておくことも、ネット依存の予防につながります。

ネット依存の原因の項でも紹介したように、子供に対する無関心や育児放棄がネット依存の傾向を強めます

まずは子供が好きなゲームやコンテンツに興味を示し、親御さんも試しにやってみるとよいでしょう。

また、ネットやゲーム以外の逃げ道を塞がないよう、子供が何でも相談できるような親子の信頼関係を築くことが大切です。

小学生のネット依存を予防する方法③ネット以外の楽しみを提供する

ネット依存を予防するためには、子供の目を外の世界に向ける必要があります。

外の世界で楽しい経験ができると分かれば、ネットやゲームだけに依存する生活から脱却できるでしょう。

例えば、親子で海釣りに出かけたら、子供の趣味が釣りになったような例は少なくありません。

また、親子で楽しめる共通の趣味があれば、日常の子供とのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。

オンライン学習なら学研オンエアがおすすめ

タブレット端末を見つめる男女の子供

ネットと無縁ではいられない現代の子供は、娯楽だけでなく普段の学習でネットに触れたり、友達とコミュニケーションを取る方法を学んだりする必要があります。

学研オンエアでは学力に応じてAIが一人ひとりに適した問題を出題するため、ミッションをクリアする感覚で学習が続けられます。

オンライン上には同学年の仲間も多くいるため、対面でのコミュニケーションが苦手なお子さまでも安心です。

ネットは上手に使えば強い味方になり、使い方を誤れば身を亡ぼす危険のある諸刃の剣のようなものです。

学研オンエアで家庭での学習環境を見直しながら、お子様も親御さんも納得できるネットの使い方を見つけていきましょう!

小学生のネット依存の問題点について|まとめ

小学生のネット依存の割合はおよそ30%となっており、特に小学6年生男子の半数が1日に3時間以上インターネットを利用しています。

ネット依存に陥ると勉強時間が減って学力が低下するだけでなく、さまざまな身体的・精神的不調のリスクが増加します。

ネット依存を予防するためには親子でルールを作り、普段のコミュニケーションも密にすることが重要です。

ネット依存による学力の低下を避けたい方には、ゲームのミッションをクリアする感覚で学習に取り組める学研オンエアがおすすめです。

初月は無料でお試しいただけるので、「勉強よりもゲームが好き」というお子様に、勧めてみてはいかがでしょうか。

林大介
林大介

教務担当。講師歴22年。生徒が躓きやすい箇所を押さえて、差がつくポイントを徹底指導。なぜ?を大切に考える授業を展開します。教室長、エリア責任者、オンライン事業部責任者を経て、現在は学研にてオンライン学習塾の教務を担当。