中高一貫校への入学やレベルの高い教育を受ける目的で、中学受験をする子どもが年々増加傾向にあります。 しかし、親御さんのなかには 「子どもが中学受験に失敗したらどうしよう」 とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
中学受験の不合格は、必ずしも失敗とは限りません。
中学受験の経験を十分に生かす工夫や、不合格に終わった際の対処法を解説します。
中学受験の「失敗」とは?
第一志望に合格できなかったり、全ての試験で不合格になったりすると、中学受験に失敗したと考えられる傾向にあります。
しかし、不合格と失敗は別物として考える必要があります。
第一志望に合格するのがベストな結果であるのは間違いありませんが、真摯に勉強に取り組んだ経験や身に付いた知識は、今後の人生においても貴重な財産です。
本記事では便宜的に中学受験の失敗を不合格と同義に扱っていますが、親御さんは「不合格≠失敗」と理解してお子さんに接するようにしましょう。
【中学受験失敗】6つの原因
中学受験に失敗する主な原因は以下の6つです。
- 学力が不足している
- 受験校選びが適切ではない
- 滑り止めを受けない
- 偏差値だけで受験校を選んだ
- 保護者の過干渉
- 準備不足
- 力が出し切れなかった
中学受験失敗の原因①学力が不足している
中学受験に失敗するわかりやすい原因の1つが学力不足です。
一般的に中学受験をする場合、難度の高い学校を選ぶ傾向にあります。
とくに中高一貫校などは偏差値が高い学校が多く、学力が不足していると合格するのは難しいでしょう。
中学受験をする方は、自分の実力を客観的に評価し、身の丈に合った学校を選ぶのがポイントです。
中学受験失敗の原因②受験校選びが適切ではない
中学受験をする場合、平均して5校を併願するのが一般的です。
しかし、5校とも同じレベルの学校を選んでしまうと、学力不足ですべて不合格になる可能性があります。
学校選びの際は「チャレンジ・実力相応・安全」にレベル分けし、難度に差をつけて受験するのがポイントです。
まずは1校合格できるレベルの学校を選んでおくと、受験を進めるうえでの安心につながります。
中学受験失敗の原因③滑り止めを受けない
中学受験の際に、滑り止めを受けないと失敗につながる可能性があります。
私立中学を受験する場合、1校につき2〜3万円の受験料が必要なため、受験校を絞る家庭も少なくありません。
場合によっては本命の1校だけを受験する方もいるでしょう。
しかし、お子さんの実力が十分であっても、当日の体調不良などが原因で十分な力を発揮できない可能性があります。
中学受験に失敗したと思わないためにも、滑り止めを受けておくのが無難です。
中学受験失敗の原因④偏差値だけで受験校を選んだ
中学受験の志望校を選ぶ際に、まずは偏差値を確認するのが一般的です。
しかし、中学受験では学校により特色のある問題が出題される傾向があります。
多くの問題を迅速に解く能力が求められるケースもあれば、時間をかけて論理的に思考する能力が求められるケースもあります。
受験校を選ぶ際には、偏差値だけでなく学校ごとの特色も抑えておく必要があります。
中学受験失敗の原因⑤保護者の過干渉
受験に向けて保護者がやるべきことは多いですが、子どもの勉強に干渉しすぎるのは逆効果に陥る恐れがあります。
誰かに言われて無理やり取り組む勉強は楽しくなく、モチベーションの維持が難しいためです。
子どもが自発的にやる気を持って学習に取り組めるよう、保護者はあくまでもサポート役に徹しましょう。
中学受験失敗の原因⑥準備不足
学力以外に中学受験の合否を左右する原因となるのが、心身の準備不足です。
学力は十分であっても、いざ受験となると緊張して実力を発揮しきれないケースが多々見られます。
また、受験シーズンは感染症などが流行するケースも多く、万全な体調で試験に臨めない可能性もあります。
中学受験には学力だけでなく、日頃の体調管理やメンタル面のケアが欠かせません。
中学受験失敗の原因⑦力が出し切れなかった
また上記の理由だけでなく、受験の際の急な体調不良など様々な要因から力を出し切れなかったということもあります。
受験の失敗が必ずしも悪いものではありませんが、力を出し切れず悔しい思いをしてしまう可能性も少なくありません。
中学受験に失敗した際の保護者の対処法
中学受験に失敗した際に、保護者の方は以下の3点を意識して対処しましょう。
- 気持ちを切り替える
- 最後まであきらめない
- 前向きに次の目標を決める
それぞれについて解説します。
中学受験に失敗した際の保護者の対処法①気持ちを切り替える
受験に失敗すると子どもは落ち込みやすいため、保護者が気持ちを切り替えられるようサポートしてあげましょう。
中学受験ではいくつかの中学校を併願するのが一般的です。
1校の不合格で受験が終わる訳ではありません。
受験はチャレンジでもあるため、子どもの挑戦を応援してあげることが大切です。
中学受験に失敗した際の保護者の対処法②最後まであきらめない
最初に受けた学校に合格できなくても、受験校が残っているのであれば最後まであきらめないようにしましょう。
子どもは思った以上に保護者の顔色を見ているものです。
1校に合格できなかっただけで保護者が落胆していると、子どものモチベーションを下げる結果となりかねません。
最後まであきらめない姿勢は、受験だけでなく子どものこれからの人生にとっても大きな意味を持ちます。
中学受験に失敗した際の保護者の対処法③前向きに次の目標を決める
残念ながら1校も合格できなかったら、結果を引きずらずに次の目標を前向きに決めることが大切です。
結果に関して一番ショックを受けているのは、頑張って受験勉強に取り組んできた子ども自身です。
中学受験の不合格は一つの挫折かもしれませんが、長い人生で見れば子どもが成長する大きなきっかけにもなります。
不合格の結果だけで子どもが自己肯定感を損なわないよう、保護者の方はメンタル面のサポートをしてあげましょう。
中学受験に合格するのための工夫
中学受験に万全の態勢で臨むためには、以下5つの対策に取り組むのがおすすめです。
- 家族で一緒に志望校を選ぶ
- 滑り止めに合格しておく
- モチベーションを維持する
- 模試を受けておく
- 生活リズムを整える
中学受験に合格するための工夫①家族で一緒に志望校を選ぶ
中学受験の志望校を選ぶ際は、保護者が一方的に決めるのではなく、子どもと話し合うことが大切です。
子どもが行きたいと思う学校であればこそ、受験勉強を続けるモチベーションが維持できます。
最終的な決定権は親御さんが持つにしても、志望校選びには子どもも積極的に参加させるのがおすすめです。
中学受験に合格するための工夫②滑り止めに合格しておく
中学受験の志望校の選び方はさまざまですが、滑り止めに1校選んでおくのがおすすめです。
受験の早い段階で1校に合格しておくと、安定した精神状態で残りの試験に臨めます。
また、試験会場や受験の雰囲気を体験できるメリットもあります。
滑り止めというと聞こえはよくありませんが、偏差値だけでは測れない学校の魅力を知り、抑えの学校に選ぶと良いでしょう。
中学受験に合格するための工夫③モチベーションを維持する
中学受験は小学3年生の終わり頃から準備するのが一般的です。
受験が小学6年生の2月に実施されるため、3年程度の準備期間を設ける意味があります。
しかし、小学生にとって3年間の受験勉強は長い戦いでもあります。
そのため、子どもがモチベーションを維持できるよう、保護者を含めた周囲のサポートが欠かせません。
中学受験に合格するための工夫④模試を受けておく
中学受験の雰囲気に慣れるため、模試を受けておく方法があります。
模試の会場が志望校であれば、試験当日に緊張感に飲まれず、実力を発揮できるでしょう。
また、定期的に模試を受けると自分の現在の立ち位置がわかるメリットもあります。
全国公開模試をはじめ、中学受験の三大模試を受けておくのがおすすめです。
中学受験に合格するための工夫⑤生活リズムを整える
中学受験は2月の寒いシーズンに行われます。
そのため、学力だけでなく体調も受験当日に合わせて調整することが大切です。
規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事、適度な運動を心がけ、免疫力の低下を防ぎましょう。
ときにはリフレッシュする時間を設け、ストレスを発散しておくのも効果的です。
中学受験に失敗する原因は?保護者の対処法について解説|まとめ
中学受験に失敗する原因としては、学力不足や不適切な受験校選び、心身の準備不足、保護者の過干渉などが挙げられます。
しかし、長い人生において中学受験の不合格は、必ずしも失敗とは言えません。
真摯に受験勉強に取り組んだ経験や得た知識は、これからの人生において必ず財産になります。
中学受験の失敗で子どもが自己肯定感を失わないよう、保護者をはじめ周りの大人がサポートしてあげましょう。


