「中1ギャップ」という言葉を聞いたことがありますか?
中1ギャップは、小学校から中学校への進学で今までの学習環境や生活スタイルが変化することによって起こるとされており、近年注目されています。
中学校生活をスムーズにスタートするためには、どのようなことに気をつけたら良いのか不安に思っている親御さんもいるかもしれませんね。
今回の記事では、中1ギャップの原因と対策について詳しく解説していきます。
中学校進学前の不安を解消できるように、ぜひ最後までご覧ください。
中1ギャップって何?
中1ギャップとは、新しい環境や学習内容になかなか馴染めず授業についていけなくなったり、「学校に行きたくない」と不登校になってしまったりすることを指します。
小学校から中学校へ進学すると、一緒に過ごす友人や先生・学習環境も大きく変わることが多く、新しい環境に慣れるのに時間がかかってしまう子も多くいるのです。
中1ギャップは必ずしも全ての子に起きるわけではなく、ギャップを感じずにスムーズに新しい環境に適応できる子もいます。
また、小中一貫校の場合には生活環境がほとんど変わらないので、中1ギャップが起こることは少ないでしょう。
中1ギャップが起きたとしても、その内容や度合いには個人差があります。
中1ギャップはなぜ起きるの?
中1ギャップは環境の変化が大きな原因とされていますが、小学校から中学校への進学にあたって具体的にどのような変化があるのでしょうか。
考えられる理由は以下3つです。
- 学習面での負担増加
- 小学校との生活面で変化
- 新しい人間関係への不安
1つずつご紹介していきます。
学習面での負担が増加
中学校になると、学習範囲が広くなるため授業スピードが速くなったり、教科ごとに教えてくれる先生が変わったりするなど、学ぶ内容の専門性が高くなっていきます。
小学校の頃は先生が1人ひとりの学習進度に気を配ってくれたり、勉強についてこれなくなる子がでないよう配慮してくれたりすることが多いかと思います。
しかし、中学校になると生徒側にある程度の自主性が求められるようになるため、きめ細かく先生がサポートをしてくれることは少なくなります。
授業についていけていないと感じた時に自分から対策をしていかなければ、どんどん授業がわからなくなってしまい、学校自体に行きたくなくなってしまうこともあるのです。
小学校との生活面での変化
中学校になると定期テストなど学習の負担が増えたり、部活動で帰宅が遅くなったりなどの大きな変化があります。
小学校までは親や先生の手厚いサポートがありますが、中学校に入ると生徒の自主性が求められる場面が多くなり、「しっかりしなくては」とプレッシャーに感じてしまう子もいます。
新しい人間関係への不安
中学校に入ると、他校出身の生徒と合流したり、新しい人間関係が広がっていきます。
小学校では6年間慣れ親しんでいた友人との関係が中心だったところから、新しい仲間達との関係性を築いていかなくていけないことに不安を感じる子も多いでしょう。
中学校は部活動も活発になってくるので、先輩後輩の上下の関係にも気を使ったり、小学校とは違った人間環境にストレスを感じてしまうこともあるようです。
中1ギャップかもしれないサイン
実際に子どもが中1ギャップを感じている時、しっかりと気づいてあげられるのか心配に思っている親御さんもいるでしょう。
中1ギャップがどのようなサインとして表れるかを紹介していきます。
体に現れるサイン
慣れない環境での疲れや学校生活への心配・不安がたまってくると、本人が意識していなくても声や表情に元気がなくなってきます。
朝起きてきた時に顔色が悪かったり、声のトーンが低かったりするなど、ちょっとした変化から症状が出始めることがあるのです。
また、朝は元気だったのに学校へ登校するとすぐに体調が悪くなったり、授業が始まると気分が悪くなったりすることもあります。
具合が悪いのと思って学校を休ませると急に元気になったりするなど、最初は症状が軽いケースもありますが、少しでも体調に変化が見られるようになったら気をつけて子どもを観察して見守ってあげるようにしましょう。
心に現れるサイン
慣れない環境へのストレスから、イライラすることが増えたり、自分の部屋に引きこもって親とあまり話をしたがらなくなったりすることもあります。
会話をしていても自分に自信がない発言や、自分を否定するような発言が頻繁に出てくるようになると注意が必要です。
中学生は思春期ということもあり心のサインに気づくのが難しくなってくる年齢ではありますが、普段から子どもの言動に注意深く気を配って接してあげることが大切です。
中学入学までにできる中1ギャップの対策
子どもが中1ギャップを起こさないために、中学校進学前にはどのようなことに気をつけておけばよいのでしょうか。
具体的にみていきましょう。
学習習慣をつけておく
中学校になると、勉強する範囲や難易度が一気に上がります。
中学校に進学する前に、家庭での学習習慣をしっかりとつけておきましょう。
宿題は帰宅後にすぐ取り組む・わからないことはすぐに質問して解決するようにするなど、主体的に勉強に取り組む習慣が身についていると、中学校以降の勉強もスムーズに取り組みやすくなります。
早めに中学校生活の情報収集をしておく
中学校生活がどのようなものなのか、全く情報がわからないと子どもは不安な気持ちが大きくなってしまいます。
中学校では生活スタイルがどのように変わるのか、どのようなことを勉強するのか、早めに中学校生活の情報収集をしておきましょう。
近所の人や兄弟のいる友人から情報を聞いてみたり、学校で開催される説明会や交流会などに積極的に参加してみたりすると、中学校生活を具体的にイメージしやすくなります。
事前にいろいろな情報を知っておくことで、心の準備がしやすくなります。
リラックスできる家庭環境を整えておく
子どもが中学生になると、親との会話の時間が減ってしまう家庭も多いようです。
子どもが困っている時や悩んでいる時に話しやすい雰囲気を家庭内で作っておくことはとても大切です。
家庭でリラックスして過ごせると、子どもは些細なことも親に伝えやすくなり、何か問題が起こりそうな時も早めに対処することができるようになります。
中1ギャップかな?と思った時の解消法
子どもが中1ギャップを起こしてしまったかな?と思った時に、家庭ではどのように対処してあげたらよいのでしょうか。
家庭でできる解消法をご紹介します。
子どものありのままを受け入れる
子どもが中1ギャップになってしまった時、親としては子どもの何かを改善しなくてはと思ってしまいがちです。
しかし、まずはありのままの子どもをしっかりと受け入れ、とことん寄り添ってあげることが大切です。
中学校という新しい環境に馴染めずに1番苦しんでいるのは子どもであり、中1ギャップを乗り越えるのも子ども自身です。
家庭で親にできることは、ありのままの子どもを認め、どんなことがあっても家族にとってかけがえのない存在であることを伝え、安心させてあげることです。
子どもの様子をしっかりと観察し、子どもが安心して悩みや不安を打ち明けられるような家庭内の雰囲気を作ってあげることが重要です。
専門家や支援機関に相談する
家庭内だけで解決が難しい時には、学校の先生や専門家・支援期間と連携して子どもをサポートしていく必要があります。
親だけが悩みを抱え込んでしまうと、事態が長期化してしまったり、悪化してしまうこともあります。
自治体の窓口に相談してみると適切な相談先を紹介してくれるので、家庭内だけで解決が難しいと思った時は早めに相談先を見つけるようにすることが大切です。
中1ギャップとは?|まとめ
今回の記事では、中1ギャップの原因から、家庭でできる解消法までをご紹介してきました。
まずは「中1ギャップ」という現象が起きることがあるということを知っておくことで、事前に準備や対策をしておくことができます。
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