不登校の生徒は年々増加傾向にあり、いつ自分の子どもが「学校に行きたくない」といっても不思議はありません。
その際に心配になるのが学力の低下ですが、学校に行きたくないのであれば塾に通って勉強する方法があります。
本記事では不登校の生徒が塾に通うメリットとデメリット、およびおすすめの塾の選び方について解説します。
通塾が難しい生徒はオンライン塾を利用する方法もあるため、お子さんの復学のための参考にしてください。
不登校児童・生徒の現状
不登校は子を持つ親御さんにとって大変なお悩みの1つですが、それほど珍しくない現象である点についても知っておく必要があります。
文部科学省が行った調査で平成30年(2018年)の小・中学校の不登校者数はおよそ16万人でしたが、4年後の令和4年(2022年)にはおよそ30万人へと激増しています。
内訳を詳しく見てみると中学生の不登校者数はおよそ19万人となっており、中学生全体で見るとおよそ6%に該当する計算です。
6%といえばクラスで2人前後が不登校状態にあると考えられるため、必ずしも珍しい現象とは言えないでしょう。
参考:文部科学省「不登校の児童生徒等への支援の充実について(通知)」令和5年11月17日 (opens new window)
不登校でも塾に通える?
不登校でも塾に通えるうえ、進学も十分に可能です。
学校に通えないからといって勉強ができない訳ではありませんし、そもそも不登校の理由が勉強とも限りません。
ただし、不登校が原因で入塾を断られる可能性は低いですが、それぞれの生徒に合った塾を選ぶことが大切です。
不登校の生徒が塾に通う6つのメリット
不登校の生徒が塾に通うと、以下6つのメリットを得られます。
- 学力の低下を予防できる
- 学習する意欲を失わずに済む
- 復学のきっかけになる
- 受験に役立つ
- 出席日数に加算される可能性がある
- 社会性を身につけるきっかけになる
不登校の生徒が塾に通うメリット➀学力の低下を予防できる
学校に通えなくなった際に親御さんが心配することの1つが、学力の低下ではないでしょうか。
不登校の生徒が塾に通うと、学力の低下を予防できる点が大きなメリットの1つです。
学校のカリキュラムに沿って勉強を教えてくれる塾が多いため、通塾すると同級生との学力の差をつけられにくくなります。
お子さんが不登校になったら通塾で学力の低下を予防しつつ、メンタルケアに努めるのがおすすめです。
不登校の生徒が塾に通うメリット②学習する意欲や習慣を失わずに済む
不登校の理由はさまざまで、なかには勉強を続けたいのに人間関係の悩みで学校に行けない生徒もいます。
実際、中学生の不登校の理由で、学業の不振はわずか5.8%でしかありません。
塾に通えば生徒の「学びたい」という意欲を維持し、学力の維持・向上を図ることが可能です。
また、塾に通う時間を設けることで、日常的に学習する習慣も失わずに済みます。
参考・文部科学省:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和4年度) (opens new window)
不登校の生徒が塾に通うメリット③復学のきっかけになる
不登校の生徒が塾に通っておけば学力の低下を予防できるため、復学する際に勉強の遅れが気にならず復学へのハードルが下がります。
また、仮に中学生で不登校になったとしても、しっかりと準備をすれば周囲と変わらない高校生活を送る結果にもつながるでしょう。
実際、不登校に関する実態調査でも、中学生の間に不登校だった生徒の高校進学率が増加傾向にあると分かっています。
高校進学率の増加にも塾が一役買っていると言えそうです。
参考:文部科学省「不登校に関する実態調査 (opens new window)
不登校の生徒が塾に通うメリット④受験に役立つ
中学生で不登校になったとしても、塾に通っておけば受験対策が可能です。
むしろ、学校の勉強だけでは足りない範囲も学べるため、受験に際して有利に働くケースも少なくありません。
内申点と出席日数に重点を置く公立高校は難しくなるかもしれませんが、学ぶ意欲さえあれば受け入れ先は多くあります。
中学の3年間まったく投稿できなかったとしても、中学校卒業程度認定試験を受ける方法もあります。
不登校の生徒が塾に通うメリット⑤出席日数に加算される可能性がある
文部科学省では、学校外の機関で指導などを受けた場合でも、一定の要件を満たせば出席扱いにできると定めています。
塾での学習が出席扱いとなれば、学力を高めて希望の高校に進学する道も開けてくるでしょう。
ただし、すべての塾が出席日数に加算される対象となる訳ではありません。
不登校の生徒をお持ちの親御さんは、学校に相談して塾を探すとよいでしょう。
参考:文部科学省の不登校に関する主な施策 (opens new window)
不登校の生徒が塾に通うメリット⑥社会性を身につけるきっかけになる
中学生が不登校に陥る原因の大半は無気力・不安ですが、友人関係もおよそ10%と高くなっています。
友人関係と聞くと「いじめ」をイメージされるかもしれませんが、意外にもいじめが原因の不登校は全体のおよそ0.2%に過ぎません。
いじめにまでは至らないものの友人とうまくいかなかったり、上手に人間関係を築けなかったりして不登校になるケースが多いようです。
塾に通ううちに他者との交わり方を学べば、社会性を身につけるきっかけになるでしょう。
参考:文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和4年度) (opens new window)
不登校の生徒が塾に通う3つのデメリット
不登校の生徒が塾に通うことには多くのメリットがありますが、一方で以下3つのデメリットを生じる可能性もあることを知っておきましょう。
- 復学が難しくなる可能性もある
- 塾で同級生に会う可能性がある
- 家計の負担となる
不登校の生徒が塾に通うデメリット①復学が難しくなる可能性もある
不登校の生徒が塾に通った場合、文部科学省の規定により出席日数に加算される可能性があります。
出席日数に加算されれば受験の際に有利に働きますが、子どもによっては復学しなくてもよいと考える可能性があります。
しかし、学校は勉強を学ぶだけでなく、集団生活を学び社会性を身につける大事な場所でもあります。
不登校の生徒が塾に通うのは大きな一歩ではありますが、問題の根本的な解決にはならないことを覚えておきましょう。
不登校の生徒が塾に通うデメリット②塾で同級生に会う可能性がある
不登校の生徒を受け入れてくれる塾が家の近くの場合、学校の同級生に会う可能性があります。
大きな学校であれば顔も知らない同級生もいるでしょうが、本人にとっては通塾が苦痛になる可能性もあります。
塾を決める際にはあらかじめ同級生が通っていないかどうか確認しておくのが無難です。
また、学区内の生徒が通わない遠方の塾を利用する方法もあります。
不登校の生徒が塾に通うデメリット③家計の負担となる
不登校の生徒を塾に通わせる際にネックとなるのが費用です。
塾に通わせる際には月々の料金以外にも、入会金や教材費、設備費、交通費などが必要となります。
家庭によってはそれらの費用が大きくのしかかることもあるでしょう。
自治体によっては助成金が下りるケースもあるため、事前に調べておくことをおすすめします。
不登校の生徒におすすめの塾
不登校の生徒が塾に通う際におすすめの選択肢が以下の3つです。
- 不登校専門の塾
- 一般の個別指導塾
- オンライン塾
不登校の生徒におすすめの塾➀不登校専門の塾
不登校の生徒が塾に通うのであれば、受け入れ態勢の整った塾が安心です。
不登校専門の塾では、授業はもちろんメンタルケアも行ってくれる点がメリットとなっています。
ただし、子どもが望まないのであれば無理に不登校専門の塾にする必要はありません。
むしろ、一般の塾に通った方が同級生の存在が刺激になり、復学のきっかけになるケースもあります。
塾を選ぶ際には親の一存ではなく、子どもとしっかり相談して決めるようにしましょう。
不登校の生徒におすすめの塾②一般の個別指導塾
不登校の生徒が塾に通う場合、一般の個別指導塾も選択肢のひとつです。
個別指導塾であれば他の生徒と顔を合わせないため、集中して授業に取り組めます。
また、一人ひとりの進捗に応じて、きめ細かな指導を受けられる点もメリットの1つです。
ただし、一般的な集団指導塾と比べて費用の面で高額になる点がデメリットと言えます。
不登校の生徒におすすめの塾③オンライン塾
不登校の生徒が塾に通う場合、オンライン塾を利用する方法があります。
最近ではオンライン塾でもリアルタイムで講義を行っており、自宅でも集中して勉強に取り組めます。
また、他人と顔を合わせることがなく、慣れ親しんだ空間でリラックスして授業を受けられる点も人気のポイントです。
仲間と切磋琢磨して学習したい生徒には、オンラインで交流できるスペースを設けているもおすすめです。
不登校生徒の塾なら学研オンエアがおすすめ!
不登校の生徒がオンライン塾を利用するのであれば、学研オンエアがおすすめです。
学研オンエアでは、全国でも選りすぐりのトップ講師による講義がオンラインで受けられます。
また、13万もの問題からAIが自分に適した問題を出題してくれるため、効率的な学力アップにつながります。
自習室では仲間とオンラインで交流できるため、切磋琢磨しながら学習を進められる点もメリットの1つです。
不登校でも塾に行った方がいい?|まとめ
中学生の不登校人口はおよそ19万人とも言われており、いつ誰が「学校に行きたくない」といっても不思議ではありません。
不登校になったら慌てて学校に行かせようとするのではなく、塾も活用しながら復学の道を探るのがおすすめです。
不登校専門の塾や個別指導塾に通うと学校の勉強に遅れないだけでなく、社会性を身につけられる可能性もあります。
塾に通うのが難しい生徒には、学研オンエアなどのオンライン塾を利用する方法もあります。
学研オンエアなら自宅でトップ講師の講義が受けられるうえ、仲間とオンラインで交流できる点がおすすめです。