子供が小学生の頃は、保護者の方がつきっきりで宿題や勉強を見てあげていたというご家庭も多いのではないでしょうか。
さて、そんな子供ももう中学生。さすがにもうひとりで大丈夫だろうと思いきや……意外とまだひとりで勉強できそうにないというケースは、実は珍しくありません。
しかし、勉強とはそもそもひとりでやるもの。このままずっと手伝い続けていいのだろうか、突き放したほうがいいのではないかと、対応にお悩みではありませんか?
この記事では、保護者の方のそんな疑問にずばりお答えします。
保護者が子供の勉強を手伝うのはあり?
まず結論からお伝えします。ひとりで勉強できない子供を保護者が手伝うのは「あり」です。
確かに、勉強とは本来ひとりでするもの。いつまでも保護者がつきっきりで手伝ってあげるわけにはいきません。
しかし、ひとりで勉強ができない子には、できない理由や原因があります。そして、その原因を自覚していない子が少なくないのです。この場合、ひとりで勉強できるようになるためには、誰かがこの原因を見つけ出し、解消してあげる必要があります。
原因が解消されれば、子供はいずれひとりで勉強できるようになるでしょう。それまで身近な大人が勉強を手伝うのは、決して悪いことではないのです。
なぜひとりで勉強できないの?
では、子供がひとりで勉強できない理由や原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
典型的なパターンをご紹介しますので、勉強を手伝いながら、子供にどんな傾向が見られるかを探ってみてください。
どう進めたらいいかわかっていない
そもそも勉強方法がわからないというパターンです。
小学生の頃は、出された宿題をこなすのが主な勉強だったという子も多いかと思います。しかし、中学生にもなると、宿題以外の自主勉強の重要性が増してきます。
そんな中、自主勉強で何をしたらいいかわからない、テスト勉強をどう進めたらいいかわからないという悩みを抱えるケースは珍しくありません。やり方がわからないことをいきなりひとりでやれと言われたら、困ってしまうのも当然です。
なぜつまずくのかがわかっていない
自分が何を苦手としているのか、どこでつまずいているのかを自覚しないまま、伸び悩んでいるパターンです。
「ケアレスミスが多い」などの自分の癖を知らず「なぜか点が取れない」と悩んでいる子や、昔の単元でのつまずきを放置したために、新しく習った内容が理解できない子などがあてはまります。
これが続くとやがて勉強に苦手意識を抱くようになり、「教えてくれる人がいないと勉強できない」と自信を失ってしまいがちです。
ひとりで勉強する習慣が身についていない
人と一緒に勉強するのが当たり前となっていて、ひとりでは落ち着いて勉強できないというパターンです。
誰かが一緒でないと心細い、すぐ質問できる環境でないと落ち着かないという子もいれば、ひとりではうまく勉強に集中できず気が逸れてしまうという子もいます。
飽きっぽい。勉強がきらい
勉強にすぐ飽きてしまったり、そもそも勉強がきらいだったりで、誰かが監視していないと勉強を続けられないというパターンです。
このタイプには、勉強する必要性を理解していないとか、勉強より楽しいことに気をとられているということもありますが、なかには「わからない」が高じて勉強が苦痛になってしまっている子も見受けられます。
この場合は勉強自体を避けようとするため、「勉強しなさい」と言ってもなかなか自分から机に向かってはくれません。
ひとりで勉強できるようになるために
ひとりで勉強できない子に潜む理由や原因がわかったら、勉強を手伝いながら、その原因を解消できるよう働きかけてあげたいところです。
ここからは、ひとりで勉強できない子供のタイプ別に、主な対処法をお伝えします。
計画の立て方や勉強の進め方を教える
勉強をどう進めたらいいかわからないタイプの子には、勉強への取り組み方を教えるところからはじめましょう。
宿題以外の勉強では何をしたらいいのか、教科別の勉強法、テスト前の計画作りの方法などを、具体的な例を挙げて説明します。
その後、慣れるまでの間は保護者がまめに進み具合をチェックし、必要に応じて指示を出してあげられるとベストです。
わからない時の対処法を教える
わからないからひとりで勉強できないというタイプの子は、どこでつまずいているのかを探してあげる必要があります。
つまずきの原因や癖を見つけて解消していくのは、とても根気がいる作業です。過去の単元を教えなおしたり、ミスや間違えた点をその都度指摘したりと、時間と手間がかかるでしょう。慌てず少しずつ進めるのがポイントです。
慣れてきたら、わからない問題が出てきたときにどこを参照したらいいのか、どう調べたらいいのかなど、つまずきに自分で対処する方法も伝えたいところです。
少しずつ手伝う時間を減らす
ひとりで勉強することに慣れていない子が相手なら、初めのうちはしっかり付き合ってあげて、徐々に手伝う時間を減らしていきましょう。
つきっきりで勉強を教えている状態から、質問されるまで手を出さず見守る状態、同じテーブルで別のことをしている状態、同じ部屋で別のことをしている状態など、段階を踏んで関わりを減らしていきます。
少しずつ慣れていけば、いずれひとりで勉強できるようになるでしょう。
気分を盛り上げる手伝いをする
勉強がきらいで続かない子には、勉強そのものを手伝うというよりも、勉強のやる気を引き出す手伝いをしましょう。
テストの点が少しでも上がったら大げさに褒める。わからない問題にとことん付き合って、自力で解く達成感を味わわせるなど。「できる、わかる=楽しい」と感じられるような働きかけが効果的です。必要に応じてごほうびを設定するのもいいでしょう。
子供の将来の夢と、その夢を叶えるのに必要な学力や経歴などについて、一緒に調べてみるのもおすすめ。勉強する動機ができて、やる気アップにつながるかもしれません。
無理をせず、塾を頼ってもかまわない!
子供の勉強を保護者が手伝うにあたって一番大切なことは「無理をしない」ことです。
ご家庭の状況によっては、他のきょうだいのお世話が忙しかったり、共働きだったりと、子供の勉強を見ている余裕がないこともあるかと思います。
また、「内容が難しくなってきて、もう自分では教えられない」「自分が子供の頃に習った内容と、今の子供が教わっている内容が違う」という悩みもあるでしょう。家庭で中学生の勉強を見るのは、実は結構難しいことなのです。
さらに、家族など遠慮のない間柄の人が勉強を教えると、うまく進まないときについイライラしてしまい、険悪な雰囲気になってしまうというケースも珍しくありません。
無理をした結果、教える側も教わる側も勉強に対するストレスをためてしまっては逆効果です。こうなる前に、無理をせず塾を頼ってもいいかもしれません。
塾の講師は、勉強を教えるプロです。ひとりで勉強できない子へのアプローチの仕方も、子供の癖や困りごとを解決するノウハウも熟知しています。塾の先生のアドバイスなら素直にきく子供もいます。勉強を手伝うのがつらいと感じるようなら、塾の利用も検討してみてください。
ひとりで勉強ができない子への対処法 まとめ
「ひとりで勉強しなさい」と言って、すぐできるようになる子ばかりではありません。ひとりで勉強できない理由や原因が潜んでいるのであれば、大人がそれを解消する手伝いをしてあげましょう。
この時、家庭内で完結させようと無理をしてはいけません。親しい間柄の人が勉強を教えるのには、メリットだけでなくデメリットもあるためです。
保護者だけで対処するのが難しいと感じたら、無理をする前に塾に相談しましょう。教育のプロが、ひとりで勉強できるよう、その子にあった指導をしてくれるはずです。