テスト勉強や受験対策の最初のステップとして、とりあえずネットで人気の参考書を買おうとしていませんか?
「有名だから」「友達も使っているから」「レビューが良かったから」などという選び方で参考書を買うと、自分に合わずに後々苦労するかもしれません。
参考書の選び方にはいくつか重要なポイントがあり、そこを押さえておかないと後悔することになります。今回は正しい参考書の選び方をご紹介しますので、参考書を購入する前に一度目を通してみてください。
教科書・参考書・問題集の違いは?
教科書や参考書、問題集は、それぞれ目的と勉強の方法で使いわけられるようになっています。教科書は、ご存じのとおり学校の授業で使用するものです。先生の解説を聞きながら使う前提なので、要点が短く簡潔にまとめられています。そのため、先生の説明なしに教科書だけを読むと、細かい部分の理解が難しいかもしれません。
一方参考書は、生徒ひとりで勉強できるように作られています。先生の解説なしでも理解できるよう、教科書よりも説明が詳しくわかりやすいのが特徴です。
問題集は、単元の理解を目的とした教科書や参考書と違い、問題演習のために作られています。教科書や参考書などで単元を学んだら、その問題を解く訓練をするために使用します。
なかには参考書と問題集が一緒になったものも存在します。単元の学習と問題演習のどちらを重視するかにより、解説量・問題量のバランスが変わりますので、自分の目的に合ったものを選ぶ必要があります。
そもそも中学生に参考書は必要?
参考書が必要かどうかは、その人の学習スタイルや目的により変わります。
例えば、普段から授業をしっかり聞いていて、授業で習ったことはだいたい理解しているという人が、定期テスト対策の勉強をするのであれば、参考書は必要ないと思われます。教科書やノートを使って復習しつつ、問題集などで問題を解く練習をすれば事足りるでしょう。
一方、授業の内容が十分に理解できていない場合や、受験対策として勉強する場合であれば、参考書を購入することをおすすめします。
基礎をしっかり理解するためにていねいな解説を必要としている人、より高度で詳しい内容を学ぶ必要がある人にとっては、参考書は強い味方になります。
参考書の失敗しない選び方とは?
ここからは、失敗しない参考書の選び方を解説します。買ってから後悔しないための参考書の選び方には、おおまかにわけて5つのステップがあります。参考書を選ぶ際は、このステップを踏むように心がけてください。
1:定期テスト対策?受験対策?まず目的を明らかに
参考書を買う前に、なぜ参考書を買うのか、その目的を明らかにしましょう。
定期テスト対策が目的の場合は、基本的に、学校で使用している教科書の内容に沿った「教科書準拠」の参考書を選ぶことをおすすめします。教科書の内容を詳しく掘り下げてくれるため、授業内容の予習復習や定期テスト対策に最適です。
一方受験対策目的であれば、教科書の内容にとらわれず、自分の現在の学力と目指す学力に合った参考書を選ぶ必要があります。
このように学習目的によって合う参考書が変わりますので、まずは参考書を買う目的を明確にしましょう。
2:自分で書店に行って選ぶ
参考書の選び方として最も大切なのは、自分で選ぶことです。なかには保護者の方が選んで買ってくるというご家庭もあるかと思いますが、可能な限り勉強する本人が選ぶようにしましょう。
書店に足を運ぶのも大切なポイントです。書店に行けば、数多くの参考書を実際に手に取って確認できます。中身が見られるネット通販もありますが、複数の参考書を見比べるには、やはり実店舗が便利です。
買うものが決まっていれば、購入するのはネットでも構いません。ただし、必ず書店に行って自分でいろいろ比べてみる、というのが選び方のポイントです。
3:目次や中身を確認する
中身を見ずに、レビューや表紙・帯だけを頼りに購入するのはおすすめできません。必ず本を開いて、目次や中身を確認しましょう。
中身を見ずに参考書を選ぶと、いざ使ってみたところで「思っていたのと違う」「わかりにくい」「読みにくい」となる可能性があります。
お店の迷惑にならない範囲で、必ず自分の目で中身を確かめましょう。
4:複数の参考書の同じ項目を比較する
可能であれば、何冊か「いいな」と思った参考書をピックアップして、同じ単元・項目のページを見比べてみるのが賢い選び方です。
同じ単元・内容であっても、参考書ごとに書き方や説明の仕方が異なります。その中で最も自分にとってわかりやすいもの、必要な情報が網羅されているもの、とっつきやすいものを選びましょう。
5:自分のレベルに合ったものを探す
自分のレベルをきちんと把握して、それに合ったものを購入するのも、参考書の選び方としてとても重要です。
張り切りすぎてつい難しすぎる参考書を買ってしまうと、後々苦労するでしょう。読んでも意味がわからないからと、勉強のやる気まで削ぐことになってしまいかねません。
かといって、簡単すぎる参考書を買ってもあまり得られるものはありません。少し難しいけれど、じっくり取り組めば理解できるくらいのレベルのものを選ぶのがおすすめです。
参考書選びで大切なポイント!
基本的な参考書の選び方を頭に入れたら、次に参考書選びで大切なポイントにも注意して、購入する参考書を決めましょう。
このポイントに気を配ることで、参考書選びで失敗する可能性をさらに下げられるかもしれません。
レビューやおすすめを鵜呑みにしない
参考書の合う・合わないは、人によって異なります。いくら売上ランキングで常時1位となっている参考書であっても、今の自分のレベルや理解度に合うとは限らないのです。
難易度や内容はもちろん、文字やレイアウトを見やすいと感じるか否かについても個人差があります。参考にする程度ならいいですが、レビューやおすすめを鵜呑みにして、人気の参考書を盲目的に購入するのは控えましょう。
誰にでも何にでも効く万能薬のような参考書はない、と考えてください。
古本には要注意
安く済ませようと、参考書を古本屋やフリマサイトなどで購入する人もいるかもしれません。中古の参考書を買うこと自体に問題はないのですが、購入する参考書の「版」には注意してください。
教科書や参考書は定期的に内容が改訂されます。中古で古い版の参考書を買うと、現在学校などで習っている内容と合わない可能性があります。
特にネット通販では、最新版に混じって旧版が販売されていることがあり、とっさに見分けるのが困難です。中古で参考書を購入するなら、それが旧版ではないかをよく確認しましょう。
何冊も手を出さない
やる気があるのはいいことですが、一度に同じ教科の参考書を何冊も買い込んで、あれこれ手を出すのは避けましょう。結局どれも中途半端になってしまう、ということになりかねません。
しっかりと1冊を選んだら、まずはその1冊に真剣に取り組みましょう。そのうえで、今の自分のレベルに合っていない、物足りないなどと感じるようになったら、そのときは別の参考書に乗り換えるのもいいかもしれません。
デザインやレイアウトも大切
参考書においては、見た目に対する印象は実は結構大切です。
フォントの種類や色、サイズ、文字の間隔や行間など、見やすいと感じるレイアウトにはある程度決まりがあるものの、やはり個人差もあります。いくら内容がよくても、読むのが苦痛になってしまっては意味がありませんよね。
「参考書なのだから文字がぎっしりの方がいい」などの思い込みは捨てて、自分が見やすいと思うデザイン・レイアウトのものを選びましょう。
絵やイラストが多くカラフルな方が見やすい人、モノクロで文字情報が多い方が集中しやすい人、それぞれに合った参考書が見つかるはずです。
迷ったときは学校や塾の先生などに相談を
今の自分に合った参考書の選び方がどうしてもわからないときは、教育のプロである学校・塾の先生に相談するのもおすすめです。
生徒の成績や学習の癖、傾向を知っている先生なら、今の自分に向いている参考書を教えてくれるかもしれません。いくつか候補をピックアップしたうえで相談すれば、先生もより答えやすくなるでしょう。
失敗しない参考書の選び方|まとめ
だれにでも合う参考書というものは存在しません。学力レベルも違い、人それぞれ好みがありますので、自分のレベルや目的をしっかり把握したうえで、実物を自分で見比べて、参考書を選びたいところです。
参考書の選び方として特に大切なのは、レビューや友達のおすすめなどをうのみにしないことと、自分で実際に見て選ぶことです。自分にとって読みやすく、適度に理解でき、適度に難しいと感じるものを1冊選びましょう。
とにかく、まずは書店に足を運ぶところからがスタートです。放課後や休日を利用して、大きめの書店をのぞいてみてください。