高校受験ではじめて面接を受ける、という人は少なくありません。人生初の面接を前に、「一体なにを質問されるの?」と不安に思っていませんか。
今回は高校受験で面接を控えている中学生のために、面接でよく聞かれる質問やその回答例をまとめました!面接のコツにも触れていますので、ぜひ面接対策の参考にしてください。
面接でよく聞かれる質問と回答例
まずは、面接でよく聞かれる質問とその回答例を、ジャンル別にご紹介します。 ここではまず、志望理由や将来の夢などの基本的な質問から、学校生活に関連した質問について解説しました。
志望理由
志望校を選んだ理由は、面接で確実に聞かれます。この質問に答えるときに大切なのは、必ず「興味をひかれた点」「積極的な理由」を話すこと。
「家から通いやすいから」「自分でも受かりそうだから」という消極的な理由は厳禁です。
魅力を感じたポイントを具体的に答えて、志望校への関心の強さや熱意をアピールしましょう。
質問例と回答例
**-なぜこの高校を志望したのですか?**
→「御校が、国際交流に力を入れているからです。私は英語の勉強が好きで、さまざまな国の人とコミュニケーションが取れるようになりたいと思っています。そのため、国際交流の機会が多い御校を志望しました」
→「御校の野球部に魅力を感じて、志望しました。私は幼いころから野球が好きで、中学でも野球部に所属していました。高校でも、全力で野球に取り組みたいと考えています」
進路や将来の夢
希望している進路や将来の夢も、高校受験の面接でよく出る質問です。
目指す進路や職業が具体的に決まっている人は、それを答えればOK。まだ決まっていない人は、少し抽象的でもいいので、将来自分がなりたい姿を答えましょう。
このとき、その進路を選んだ理由、夢に向けて取り組んでいることなどもアピールできるといいですね。
質問例と回答例
**-将来の夢を教えてください。**
→「私の将来の夢は、小児科医になって、病気に苦しむ子どもをひとりでも多く救うことです。そのために、特に理系科目の勉強に力を入れています」
→「私はプログラミングに興味があり、技術で人の生活をより便利にする仕事に憧れています。そのため、大学では情報系の学部に進みたいと考えています」
高校での目標
同じく、高校生活での目標を聞かれる質問も、面接の定番です。
特別な目標を立てる必要はありません。平凡でもいいので、具体的な目標を答えましょう。 「特になし」は論外として、自分をよく見せようと「盛り」すぎるのも、話題を掘り下げられたときに危険です。
質問例と回答例
**-この高校に入学したら、どんなことに挑戦したいですか?**
→「私は、夏の短期留学プログラムに参加したいと考えています。日本で語学の勉強をするだけでなく、実際に現地ですごしてみることで、生きた言葉や文化を吸収したいです」
**-高校生活3年間での目標を教えてください。**
→「目標は、勉強と部活の両立です。私が入部を希望している吹奏楽部は練習がハードだと聞きますが、限られた時間の中で計画的に勉強して、勉強でも部活でもいい成績を残せるよう頑張ります」
中学校生活について
高校受験の面接では、中学時代に力を入れていたこと、努力したことについてもよく聞かれます。部活や勉強、学校行事をテーマにすると答えやすい質問です。
これは今までの頑張りをアピールするチャンス。結果よりも「努力の内容」「工夫したこと」「その経験からなにを学んだか」などを中心に、回答を組み立てましょう。
質問例と回答例
**-中学校で頑張ったことを教えてください。**
→「一番頑張ったのは部活です。活動日以外にも、積極的に自主練習にはげみました。部長に任命されてからは、効率的に練習できるよう全体の練習方法を見直しました。結果、その年の大会ではじめて準決勝まで進むことができ、頑張りや工夫はムダにならないのだと感じました」
→「体育祭でクラス委員をつとめたことです。最初はみんなあまり熱心でなかったので、気持ちを盛り上げられるよう、根気強く声かけを続け、全員が活躍できるよう調整にも気をつかいました。本番でクラス一丸となって盛り上がっている様子を見たとき、あきらめず対話を続ける大切さを実感しました」
好きな教科・苦手な教科
面接で好きな教科と苦手な教科を聞かれることがあります。この質問では、特に「理由を説明できるか」「苦手なものにどう対処するか」という点が重要です。
そのため、「〇〇が好きで××が苦手です」で終わらせるのはよくありません。好きな理由や、苦手克服のために工夫していることなどとセットで答えましょう。
質問例と回答例
**-好きな教科と苦手な教科を教えてください。**
→「好きな教科は数学です。パズルを解くのが好きで、証明問題などパズル感覚で楽しめる問題が多いからです。苦手な教科は英語で、特に単語の暗記に弱いです。そのためいつも単語帳を持ち歩き、スキマ時間にも単語の確認をしています」
面接でよく聞かれる質問と回答【自身について】
志望理由や進路、将来の夢など学校に関わること以外に、自身について聞かれることも多いです。
ここでも、回答を作るときのポイントもお伝えしますので、この例を丸写しするのではなく、ポイントをおさえた自分なりの答えを作ってみてください。
自分という人物について
面接では、あなたという人物を評価・分析・説明させる質問が出ることがあります。
よく聞かれるのは、長所・短所、趣味や特技、尊敬する人物、座右の銘、自分を動物に例えるとなにか、などです。ひと通り回答を用意しておきましょう。
どの質問にも「そう答えた理由」までふくめて回答すること。自分の欠点について語るときは、前向きな表現に言いかえたり、「マイナスをどうカバーするか」も話したりすると好印象です。
質問例と回答例
**-あなたの長所と短所を教えてください。**
→「長所は、性格がおだやかなことです。友人からおっとりしているとよく言われます。短所は、人の意見に流されやすいことです。はっきり反論できないことが多いので、自分の考えを口に出せるよう、友人相手に練習しています」
**-あなたを動物に例えるとなんですか?**
→「猫です。気分屋に見えますが、自分の意思がハッキリしていて、ひとりでも物怖じしないところが似ていると感じます」
時事問題について
「時事問題、世間で話題のニュースについてどう思うか」も、高校受験の面接でよく聞かれます。
この質問で見られているのは、「時事問題に対する知識や関心」「世の中のできごとに対し自分の意見を持っているか」「意見を論理的に説明できるか」という点です。
日ごろから新聞やニュース番組などをチェックし、ニュースに対する自分の考えをまとめる訓練をしておきましょう。ニュースのコメンテーターの意見を参考にするのもありですよ。
質問例と回答例
**-最近のニュースで気になったものがあれば教えてください。**
→「少子化のニュースに関心があります。子どもが減れば、高齢者を支える人も減り、子どももお年寄りも、みんなが生きにくい世の中になるからです。赤ちゃん連れの人に親切にするなど、今の私にもできることをしながら、子どもを産み育てやすい社会にするには何が必要かを考えていきたいです」
面接のコツと気を付けたいこと
続いては、面接をうまく切り抜けるコツや、面接のときに気を付けてほしいことをお伝えします。
面接本番で「失敗した!」とあわてないよう、以下のポイントをしっかり頭に入れておきましょう。
身だしなみやふるまい、言葉づかいは、面接の基本
面接本番では、身だしなみやふるまい、言葉づかいといったマナーに気をつかいましょう。
第一印象が悪いと、それを短時間の面接で挽回するのは困難です。面接官からどう見られているかを意識し、最初から好印象を持たれるよう努力することが大切。
「清潔感のある服装と髪型」 「上品なふるまいときれいな姿勢」 「ていねいで正しい言葉づかい」 の3つは、面接の基本だと思ってください。
「この学校が欲しい生徒」をきちんと理解する
志望する高校が理想としているのはどんな生徒か、学校案内などを読んで、あらかじめ調べておきましょう。この情報は、質問への回答案を作るときに役立ちます。
高校にはそれぞれ「こんな生徒に入学してほしい」という理想があります。その理想に近い生徒ほど合格しやすいのは当然ですよね。
であれば、面接では「私のこんな部分がこの高校の理想にピッタリです」ということをアピールするのがコツ。自分を相手に売り込むわけですから、相手のニーズ調査は忘れずに。
話す内容を丸暗記するのはやめよう
面接で話す内容を丸暗記するのは、おすすめできません。要点だけを覚えて、本番では自分の言葉で話せるようにしましょう。
理由は簡単。丸暗記だと、棒読みになったり、応用がきかなかったりするからです。また、暗記したことをド忘れしてしまってパニックになる、なんて可能性も。
一字一句暗記したりはせず、「この質問にはこの内容をこういう流れで答える」と覚えておくだけにとどめましょう。
人の話はよく聞いて
面接本番では、緊張のあまり、面接官の話をきちんと聞けなくなる人がいます。
例えば、質問の意味を早とちりして別のことを答えてしまったり、質問の一部にのみ反応して回答してしまったり。話をよく聞けないと、質問にうまく答えられませんよね。
本番では特に、相手の話をしっかり聞くよう心がけてください。質問が聞き取れないときは、慌てず「すみません、聞き取れなかったため、もう一度お願いできますか?」と伝えましょう。
答え方を工夫してわかりやすく
面接では、自分の伝えたいことが正しく伝わるよう、わかりやすい説明のしかたを心がけましょう。「結論」→「理由・具体的なエピソードなど」→「結論」の順で話すと、要点が伝わりやすいですよ。
もちろん、伝わりやすい話し方も大切。ハッキリゆっくり、大きな声で質問に答えるよう意識しましょう。
質問への回答案ができたら、一度すべて書き出して、各回答の間に矛盾がないか確認するのもおすすめ。「ネットの回答例をよせ集めたらつじつまが合わなくなった」なんてパターンに要注意です。
予想外の質問にも焦らないで
面接本番では、まったく予想していなかった質問が飛び出す可能性もあります。
もし想定外のことを聞かれても、焦らないで。すぐに答えられないなら「少しお時間をいただけますか」と断ってから、落ち着いて考えましょう。
断りを入れて少し考えるくらいなら、マイナスにはなりません。パニックになったり、動揺して黙り込んでしまうのは避けましょう。
自分の子供のころのエピソードや、中学で頑張ったこと、失敗した経験については、事前にしっかり準備しておきましょう。こうすることで、想定外の質問がきても多くの場合は答えられるはずです。
高校受験の面接でよく聞かれる質問と回答例 まとめ
今回は、高校受験の面接対策として、よく聞かれる質問と回答例をご紹介しました。この記事を参考に、想定問答集を作ってみてくださいね。
面接の練習としては、友達や先生に頼んで、模擬面接をしてもらうのが一番です。どんな質問が出ても慌てず、落ち着いて答えられるようになるまで、練習を繰り返しましょう。