全国統一小学生テストは、年長から小学6年生までを対象とした学習塾「四谷大塚」が開催している小学生向けの学力テストです。
「さあ、競争だ」をキャッチコピーとして2007年度にはじめて開催され、現在では10万人以上(2024年現在)が受験する国内最大級の小学生テストとなっています。
全国統一小学生テストを受験すると現在の自分の学力レベルが把握できるため、中学受験の志望校を決める際などに役立ちます。
本記事のテーマは全国統一小学生テストの内容や出題範囲、受験するメリット、およびテストに向けた勉強法です。
全国統一小学生テストは四谷大塚に通塾していなくても無料で受験できます。お子様の学力レベルを知るために役立てるのがおすすめです。
全国統一小学生テストとは?

全国統一小学生テストは東京都中野区に本部を置く株式会社ナガセ運営の「四谷大塚」が開催している全国規模の小学生テストです。
2007年にはじめて開催された全国統一小学生テストですが、もともと1954年に駿台予備校の四谷分校で「日曜テスト」が実施されたことが沿革となっています。
全国統一小学生テストは四谷大塚の周知のため実施されている側面もあるため、受験料が必要ない点が特徴です。
年に2回実施されるテストで学校の授業や家庭学習の成果があらわれるため、中学受験を予定している生徒はもちろん、受験を考えていない生徒にもおすすめです。
全国統一小学生テストの内容・出題範囲
全国統一小学生テストの内容・出題範囲は学年により異なります。
年長から小学3年生までは算数と国語の2教科が受験科目です。
小学4年生から6年生は算数と国語に加え、理科および社会の4教科が対象です。
年長から小学3年生に関しては「考える力」を、小学4年生から6年生に関しては「学力」を計るのが大きな目的となっています。
受験日はその年ごとに異なりますが、2024年を例に挙げると6月2日と11月3日に実施されています。
各年だいたいその時期に全国統一小学生テストが実施されるため、基本的に教科書の2学期までに習ったことが出題範囲です。
全国統一小学生テストを受けるメリット

全国統一小学生テストを受けるのには主に以下3つのメリットがあります。
・弱点がわかる ・自分の実力がわかる ・受験の準備になる
それぞれ詳しく解説します。
メリット①弱点がわかる
全国統一小学生テストでわかる主な項目は以下の通りです。
・全国における自分の順位 ・都道府県ごとの順位 ・偏差値 ・成績の推移 ・得意分野・苦手分野
全国統一小学生テストでは自分が全国および都道府県で何番目に位置しているか把握できるだけでなく、偏差値や成績の推移がわかります。
また、自分の得意分野や苦手分野がわかるため、長所を伸ばしつつ弱点をカバーする効率的な日々の学習が可能です。
中学受験や定期テストなどは点数で評価されるため、得意な教科を10点プラスするより、苦手な教科を20点プラスする方が平均点の向上につながります。
メリット②自分の実力がわかる
全国統一小学生テストでは点数だけでなく偏差値が算出されるため、自分の実力をより正確に把握できます。
例えば1学期と2学期のテストで両方80点を取ったとしても、テストの難しさにより順位は変動します。
偏差値では平均点を偏差値50になるよう設定して、その基準からどれだけ高い(または低い)か表すのが特徴です。
そのため、偏差値は自分の学力が平均より高いのか、それとも低いのか客観的に評価できます。
全国統一小学生テストでの偏差値が平均を上回れば、達成感や成功体験を得られる点がメリットの1つです。
仮に偏差値が平均を下回ったとしても、悔しい気持ちがモチベーションアップにつながるケースもあります。
小学校という狭い範囲ではなく全国の広い舞台における自分の実力が分かれば、学習に対する意欲が高まる効果も期待できるでしょう。
メリット③受験の準備になる
全国統一小学生テストでは点数だけでなく偏差値も算出されるため、中学受験をする際の準備に最適です。
中学受験の際には目安としての偏差値が出されるため、自分の学力に見合った志望校を設定すれば、受験に失敗するリスクが減少します。
全国統一小学生テストで良い成績を収めようと努力すれば、結果として高いレベルの中学への合格が期待できるでしょう。
また、全国統一小学生テストを連続して受けると成績の推移が見られるため、長期的な受験計画を立てやすくなります。
参考までに主な進学校(中学)の偏差値を紹介します。
偏差値
偏差値 | 中学校 |
---|---|
73 | 筑波大学附属駒場中学校(男子) |
72 | 灘中学校(男子)・渋谷教育学園幕張中学校(女子) |
71 | 海陽中等教育学校(男子)・開成中学校(男子)・桜蔭中学校(女子)など |
70 | 洛南高等学校附属中学校(女子)・渋谷教育学園幕張中学校(男子)・聖光学院中学校(男子)・慶應義塾中等部(女子)など |
69 | 早稲田実業学校中等部(女子)・女子学院中学校(女子)・東大寺学園中学校(男子)・洛南高等学校附属中学校(男子)など |
68 | 東京都立小石川中等教育学校(男子)・市川中学校(女子)・慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)など |
67 | 西大和学園中学校(女子)・北嶺中学校(男子)・雙葉中学校(女子)など |
66 | 駒場東邦中学校(男子)・麻布中学校(男子)・洗足学園中学校(女子)・広尾学園中学校(女子)など |
65 | 千葉県立千葉中学校(男子)・大阪星光学院中学校(男子)・浦和明の星女子中学校(女子)・須磨学園中学校(女子)など |
(※四谷大塚第6回合不合判定テスト偏差値をもとに作成、受験科目により偏差値に違いあり)
全国統一小学生テストに向けた勉強法

全国統一小学生テストの受験をお考えのお子様・親御さんには以下の勉強法がおすすめです。
・学校で習った内容を確実に抑える ・準備されている過去問を活用する ・事前対策授業を受ける
それぞれ詳しく解説します。
学校で習った内容を確実に抑える
全国統一小学生テストでは、基本的に教科書の2学期までに習った範囲が出題されます。
そのため、学校で習った学習内容をしっかりと復習し、要点を抑えておくことがポイントです。
中学受験のために塾に通っている生徒は、学習内容を先取りするのが一般的です。
一方、全国統一小学生テストは先取りが不要なため、塾に通っている生徒と同じ土俵で勝負できる点が、塾に通っていない生徒のやりがいにつながります。
準備されている過去問を活用する
全国統一小学生テストで好成績を収めたいのであれば、過去のテストで出題された問題を活用するのがおすすめです。
全国統一小学生テストでは毎年異なる問題が出題されますが、2学期までに習った範囲から出題されることは変わりません。
過去問を複数こなすことで出題傾向および対策が分かりやすくなります。
全国統一小学生テストの過去問は四谷大塚の公式サイトで確認できます。
事前対策授業を受ける
全国統一小学生テストで良い成績を収める方法の1つが、事前対策授業を受けることです。
四谷大塚直営の塾で事前対策授業が受けられるため、全国統一小学生テストでも好成績を得る結果が期待できます。
事前対策授業は全国統一小学生テストの申し込みの際に合わせて申し込み可能です。
また、塾によっては全国統一小学生テスト向けの対策をしてくれるので確認してみると良いでしょう。
全国統一小学生テストとは?まとめ
全国統一小学生テストは進学塾としてよく知られる「四谷大塚」が実施している全国規模の学力テストです。
定期的に受験すると現在の自分の学力が確認できるうえ、中学受験をする際の参考にもなります。
全国統一小学生テストで良い成績を収めるためには、毎日の授業内容を振り返り、しっかりと記憶を定着させるのがポイントです。
より効率的に対策したい方は、過去問を活用したり事前対策授業に申し込んだりする方法もあります。
今回の記事を参考に全国統一小学生テスト対策を行い、お子様の学力向上や勉強へのモチベーションアップにお役立てください。