「小4の壁」という言葉を聞いたことはありますか?
小学4年生は、学童がなくなるなど子どもが過ごす環境に変化があったり、心身の成長に伴って勉強や人間関係に悩む子どもが増えたりする学年です。
さまざまな悩みに直面したときに、どのように乗り越えていったらよいのか不安に感じている親御さんもいるでしょう。
そこで今回は、小4の壁の原因や、親にできる対応策について解説していきます。
小4の壁をどのように乗り越えていけばよいのか、ぜひ参考にしてみてください。
小4の壁とは?
小4の壁とは、「9歳の壁」や「10歳の壁」と呼ばれることもあり、9〜10歳頃の子どもとその親が、学習面や人間関係などさまざまな悩みに直面する問題のことです。
小学4年生は心身ともに成長して思春期に近づくため、他人と比較して劣等感を抱いたり、複雑な友達関係でトラブルに巻き込まれたりと、さまざまな悩みが多くなってきます。
また、学校での勉強も一気に難しくなるため、学習についていけなくなったり、勉強が嫌で学校に行き渋るようになる子も出てきたりするのです。
小学4年生から学童保育がなくなる地域も多いことから、放課後の居場所がなくなってしまう場合もあります。
このように、小学4年生はさまざまな場面で問題が発生しやすい学年のため、「小4の壁」と呼ばれているのです。
小4の壁の原因と問題点
小4の壁の原因や問題点は、具体的にどのような内容なのか気になる人も多いでしょう。
実際にどのような問題が起こる可能性があるのか、詳しくみていきましょう。
学童保育がなくなり放課後の居場所が減る
地域にもよりますが、小学4年生になると学童に入れなくなる場合があります。
6年生まで預かってくれるような施設でも、定員オーバーしている場合には学年が上がるにつれて選考に外れやすくなるため、共働きの家庭では放課後の子どもの居場所確保が困難になってしまいます。
公設ではなく民間の学童を探したり、習い事や塾に通わせるなど、子どもが放課後も安心して過ごせる方法を検討していく必要があるのです。
授業が難しくなり勉強につまずきやすくなる
小学4年生になると、勉強の内容が一気に難しくなります。
特に数学では、1〜3年生の頃に学んだ基礎を応用して解く問題や、複雑な計算問題や図形問題が増えてきます。
基礎がしっかりと固まっている子と固まっていない子で大きく差が開いてきてしまう時期でもあるため、子どもが授業内容をしっかりと理解できているか確認してあげる必要があるのです。
9〜10歳頃になると、子どもは周りと比較して落ち込みやすくなる特徴もあるため、勉強についていけないことで自分に自信を持てなくなり、自己肯定感が下がってしまうこともあります。
子どもの様子をしっかりと見守り、親が必要なサポートをしていく必要があるといえるでしょう。
友人関係でトラブルが増える
小学4年生は、友達関係でもトラブルが増えてくる時期です。
精神的に成長するにつれて、物事を客観的に見られるようになり、自分と他者を比べて物事を考えるようになります。
友達に比べて自分のできないことが気になったり、他と違ったことをすることに不安を覚えたりしやすくなるのです。
また、友達との仲間意識やグループ化が強くなるため、友達間での同調圧力や束縛にストレスを感じてトラブルになる子も増えてきます。
親に反抗的になるなど心のケアが難しくなる
9〜10歳頃は思春期にさしかかる時期でもあるため、心と体が急速に成長することに伴い、漠然とした不安やストレスを抱えやすくなる時期です。
その不安やストレスが親に向きやすくなり、親の言うことを素直に聞けなくなったり、反発しやすくなるのも小4の壁の一つです。
急に乱暴な言葉を使ったり、言うことを聞かなくなったりすると戸惑う親も多いかもしれませんが、心身の変化が緩やかになるにつれて徐々に落ち着いてくることが多いものです。
無理に言うことを聞かせようとしたり、厳しく叱ったりすると逆効果のため、子どもの様子をよく観察して、必要なタイミングで子どもに寄り添ってあげるように心がける必要があるでしょう。
小4の壁を乗り越えるために親ができる対策
実際に小4の壁にぶつかったとき、どのように乗り越えていったらよいのか不安に感じている親御さんは多いでしょう。
小4の壁を乗り越えるために親ができる対策について紹介していきます。
子どもと話す時間を増やす
小学4年生は、親と距離をとりたがるようになる時期でもあります。
意識的に子どもとコミュニケーションを取ろうとしないと、なかなか子どもの本音を聞き出しにくくなってしまうのです。
特に親が忙しそうにしていると、子どもは遠慮してなかなか本音を伝えづらくなってしまうため、できるだけ子どもと話す時間を増やすように意識しましょう。
親にしっかりと話しを聞いてもらうことで、子どもの心は安定しやすくなり、ストレスを減らすことにもつながります。
具体的に褒める
勉強面や友達関係など、さまざまな場面で周りと比べやすくなる小学4年生は、自己肯定感を低下させやすい時期でもあります。
テストの点数やスポーツの勝ち負けなど、わかりやすい結果ではなく、子どもが頑張って取り組んでいた姿勢や努力を具体的に褒めてあげることで、子どもの自己肯定感を高めてあげることにつながります。
親だからこそ気づいてあげられる子どもの良いところを、具体的に、積極的に褒めてあげるようにしましょう。
学習をサポートする
勉強が難しくなる小学4年生は、一度学習につまずいてしまうとその後もズルズルと苦手意識を引きずってしまうことにつながります。
学校の授業についていけているかどうか、できるだけ親が目を配って確認するようにしましょう。
授業の内容をよく理解できていないと感じるようであれば、家庭での学習をフォローしてあげたり、必要であれば塾に通うことを検討するなど、勉強への苦手意識が強くなる前に対策を検討することが大切です。
放課後の居場所を用意する
小学4年生以降で学童に入りづらくなることがわかっている場合には、早めに放課後の居場所を確保しておくようにしましょう。
6年生まで通える民間学童は人気が集中しやすいため、早い時期から申し込みが必要な場合もあります。
また、習い事や塾を検討する場合には、子どもに合った場所を選べるように、早めに情報収集をしたり、見学や体験授業を受けておくようにしましょう。
親が働き方を変える必要がある場合もありますので、子どもが安心して放課後を過ごせるようにどのような対応が必要なのか、家族でしっかりと話し合っておくことが大切です。
小4の壁で親がしてはいけないNG行為
子どもが小4の壁に直面してしまったとき、親も不安やストレスを感じやすくなります。
しかし、保護者が間違った対応をしてしまうと、子どもを追い詰めてしまい、余計に事態を悪化させてしまうことにもなりかねません。
小4の壁で親が気をつけておきたいこと、してはいけなNG行為について解説します。
他の子どもと比較する
小4の壁に直面している子どもは、自分に自信を持てなくなっていることが多いです。
そんな時に、親から他の子と比較されてしまうと、余計に自己肯定感を下げることにつながってしまうのです。
子ども自身が周りと比べて自信をなくしているときは、過去のお子さんと比べてどれだけ成長しているのかを伝えてあげることで、自分の成長に目をむけることができ、自己肯定感を高めることができるでしょう。
子どもと向き合うことを避ける
最近は共働きの家庭も多く、家でゆっくり子どもの話を聞ける時間が少なくなっている家庭も増えています。
しかし、忙しさを理由に子どもと向き合う時間を蔑ろにしてはいけません。
常に子どものことを気にかけていることを伝えることで、親が絶対的な味方でいてくれることに子どもは安心感を感じるのです。
家庭での居場所をしっかりと確保してあげることで、家庭の外でも前向きに過ごしていけるようになるでしょう。
一方的に意見を押しつける
反抗的になったり乱暴な言葉使いをしたりする子どもを前にすると、つい親もイライラしてしまったり、一方的に意見を押しつけてしまったりしがちです。
しかし、子ども自身も、成長による変化やストレスにどのように向き合ったら良いのかわからずに悩んでいることが多いのです。
親が感情的になったり一方的に意見を押しつけてしまうと、子どもはますます自分だけで悩みを抱え込んでしまうことになります。
子どもと話すときは、できるだけ冷静に、落ち着いて話を聞くように心がけましょう。
小4の壁とは?|まとめ
今回は、小4の壁の原因や、親にできる対応策について解説してきました。
多感な時期に差しかかる小学4年生は、さまざまな問題に直面する可能性があり、親の心配もつきないでしょう。
しかし、どんなときでも親は味方でいることをしっかりと伝えることで、子どもは安心して不安やストレスを乗り越えていけるものです。
子どもが自分の力で壁を乗り越えて成長していけるように、しっかりとサポートしていきましょう。
勉強が難しくなる小学4年生以降の学習サポートは、自分のペースで無理なく学習を進められる学研オンエアがおすすめです。
自宅にいながら一流講師の授業を好きなだけ受けられるため、学習の習慣化や苦手分野の克服など、1人ひとりの目的に合わせて進めることができます。
ぜひ初月無料の体験授業をお試しください。