日本では当たり前のように塾や予備校が多くありますが、世界規模で見たらこれは当たり前ではありません。
日本のように塾や予備校が活発な国だけではないため、海外で子育てをしようとしている方や、子育てをしている方の中には不安を抱えている方も多いと思います。
そこで今回は、海外の塾や勉強事情を始め日本と海外の塾の違いや海外から日本の塾に通うことはできるのかどうかについて解説しました。
海外に塾ってある?
上述の通り、海外には塾がある国ばかりではなく、塾というものがない国ももちろん存在します。
もちろん塾が盛んな国もあるので、ここでは日本から近い韓国と台湾を始め、日本から移住する人の多いアメリカの3つの国をメインに塾事情について解説していきます。
韓国は塾大国
日本から1番近く、K-popや韓国料理などのPOPカルチャーで知られている韓国です。
一昔前の日本は「受験戦争」と言われていましたが、韓国はそんな一昔前の日本の受験戦争をはるかに超えています。
受験戦争の起源は、年間の出生数が約270万人となった1947(昭和22)年から1949(昭和24)年の第1次ベビーブームと言われており、高等教育が大衆化したことと第1次ベビーブーム世代の進学時期が重なったことがきっかけと言われています。
当時はいかにレベルの高い大学に進学をして、高い給料をもらうかに執着する風潮だったため、名門大学を目指す戦争が激化し受験生の負担が増加した時期でした。
いい大学を出ないと就職も困難、給料も低いことからいい生活を送ることができないという学歴社会でもあります。
韓国は塾も盛んで科目ごとの塾があったり、塾自体のレベルも非常に高いです。
日本では自分の学年と同じレベルの授業を受講することが一般的ですが、韓国では自分の学年より1個上のレベルの勉強ができていないと正規コースには入ることができず、そういう子が塾に通う場合は低学年コースに通うしかありません。
もしくは家庭教師や個別指導の塾に通って1対1で徹底的に勉強をします。
中学3年生で高校3年生の勉強をするなど、韓国の学生は勉強熱心で中学生の時から大学受験を踏まえて勉強している子どもが多いです。
韓国の受験事情
韓国の受験事情は共通テストを受けてその結果により出願できる大学が決まる日本の国立大学と似ており、韓国では11月にある大きな大学修学能力試験を受け、その成績によって受験できる大学が決まります。
もちろん、大学修学能力試験のあとにもう1度志望校の入試を受ける必要はありますが、大学修学能力試験の点数が低ければ志望校を受験することすらできないので、その1回だけで大学の合否が決まるとっても過言ではありません。
そのため、韓国の学校では通常授業の後に自習が設けられており、夜10時まで学校で勉強している所も多く、夜ご飯まで1日2食お弁当が出る学校もあります。
保護者も必死に受験勉強をサポートしているので、韓国の塾街では、授業の時間になると子どもの送り迎えをしている車や保護者で溢れかえっている時もあるほどです。
台湾は日本以上の学歴社会
日本の大学進学率は54.3%のところ、台湾は84.2%が大学に進学している「大卒が当たり前」な風潮のある世界有数の高学歴社会のため、塾も多いことで知られています。
台湾にも予備校街という予備校が多く集まっている街があったのですが、ITが非常に発達しているため、ネット動画、日本で言うオンライン授業が普及されたことにより、従来にぎわっていた予備校街はだいぶ寂しくなってしまったものの「塾」は盛んです。
学歴社会はかなり激しく、台湾の理系学生の多くは就職後低く見られないために、大学卒業後は修士課程に進学し修士の学位を取るほど。
台湾の受験事情
台湾も日本の国立大学や韓国と似ていて、冬休み期間中に共通テストのような大学学科能力測験を受験し、4月には学校推薦の手続きをし、5~6月には日本で言う二次試験と同じ形式で「個人申請」を行い、入学試験を受験します。
大学学科能力測験の結果を踏まえたうえで入試を受けるため、日本の国立受験と似ている部分はありますが、台湾の場合は高校の内申点を大きく重視します。
そのため、台湾は受験勉強だけ頑張ればいいというわけではないです。
しかし、高校の成績が芳しくなかった生徒に向けて分科測験と言われる共通筆記試験を再度受験し、1回目に受験をした大学学科能力測験の結果2つのみで判断をする入試方法もあります。
アメリカには塾・予備校がない?
アメリカも学歴社会で、企業によっては「ハーバード卒業もしくはそれに等しい大学を卒業した人」しか採用していないところもあるほどですが、基本的に学校の授業をしっかり受けていれば大丈夫という風潮のため、学習塾や予備校はあまり多くはありません。
全くないわけではなく、Tutor(チューター)と呼ばれる、日本で言う講師的な存在の人による家庭教師や個別指導の存在があったり、日本人の住民が多い街にはいくつかあったりします。
このTutor制度はアメリカだけでなく、イギリスやオーストラリア等でも普及されており、Tutorが家庭に訪問して勉強を教えるのですが、学校で落ちこぼれている生徒が利用しているというイメージが強いのも事実です。
また、夏休みが6週間〜3か月にわたる国は夏休みの宿題がほとんどないので、そういった国で始まったサマースクールというプログラムを通して他参加者と交流を深めたり、学校ではできないよりアカデミックな学習を深めたりします。
学校で夏期講習などを設けている所もあるので、真剣に学校の授業や講習に出ていれば問題ないという風潮が強いです。
アメリカの受験事情
アメリカは一発入試がなく、SAT1やSAT2と呼ばれる大学入学用の試験を受験します。
SAT1は推論の能力を測るテストなので塾で学ぶことのできない内容になっており、SAT2は高校での勉強知識を問うテストとなっているため、SAT1・SAT2の対策を教える塾はありますが塾でしっかり対策をすれば高得点が取れるという環境ではありません。
日本の大学受験は、ほぼ入試だけで決まるので、入試を解くテクニックを教える塾や予備校が多く存在しますが、アメリカは台湾同様に試験はあるものの、高校での成績を重視するため「GPA」が大学合格を大きく左右します。
日本と大きく異なる点として、アメリカは
- エッセイ
- 学校の成績
- 課外活動の記録
- 受賞歴
- 推薦状 など受験生の総合的な学力を判断するのです。
そのため、台湾同様に普段学校で学ぶ内容をしっかりと理解し、自分で勉強することで学校の成績を上げることができるという風潮があります。
海外と日本の塾の違い
海外と日本の塾の違いについてですが、そもそも日本は「日本型学校教育」を採用しているため、教科指導を始め、生徒指導や部活指導は全て教師が行います。
また、日本は小学校の6年間と中学校の3年間の計9年間が義務教育なのに対し、アメリカでは小学校5年間、中学校3年間、高校4年間の計12年間が義務教育となっているなど、教育形態からして大きく異なっているのです。
日本の塾や教育
日本は塾に通って入試対策をしたり、学校の勉強のサポートをすることが当たり前となっており、1947年の第二次世界大戦後に採用された小学校6年間・中学校3年間の計9年間の義務教育を引き続き行っています。
学校の成績をもとに、推薦という形で高校や大学に進学をする指定校推薦や学校推薦などを目指している生徒は高い内申点を取るために定期テストや学校の提出物に力を入れますが、一般受験を目指している受験生は受験対策に1番力を入れます。
そのため、塾や予備校では実力を身につけるのに加えて入試で活用できる手先のテクニックやコツ等を教えて、徹底的に「入学試験」を突破できるように指導する点が特徴です。
海外の塾や教育
塾や予備校で学校の成績対策や入学試験対策などを徹底的に指導する日本とは異なり、アメリカやイギリス・オーストラリアなどの学生は日頃の学校の授業内容をしっかりと身にいれ、エッセイやレポートなどの提出物にも積極的に取り組みます。
授業でも積極的に発言をしたり、意見交換をしたりするなど、受験で必要になるGPAをいい成績で収めるために、各自が常日頃から努力をしている点が海外の特徴です。
そのため、学校でのサポートも充実しており、長期休暇には講習やセミナーが開かれたり、図書館で勉強できる環境が整っていたり、先生も積極的だったりと、生徒は学校の授業を真剣に受け、課題をしっかりやれば問題ないように指導しています。
また、それらの国では塾という概念があまりなく、家庭教師であるTutorに勉強を教えてもらうことはあるのですが、「塾に行く・家庭教師に来てもらう=学校の授業についていけない」という落ちこぼれのイメージが強いのも事実です。
しかし、塾や家庭教師を利用している人の中には、特別な学校への進学を考えている人や最難関大学への受験を考えており、特別な対策をしているというケースもあるので、一概に塾に通っているから落ちこぼれとは言えません。
海外でも日本の塾に通うことはできる?
海外では日本よりも塾の存在が少なく、利用している人が少なかったり、塾や予備校が盛んな国でも日本とはシステムが異なっていたりと、海外で塾に通うとなると色々不便な点が多いのではないかと思います。
海外から日本の塾に通えたら1番安心です。
実は海外から日本の塾に通うこと、そして日本の塾の授業を受けることはできます。
オンライン授業を提供している学研オンエアは、海外でもオンライン授業を受けることが可能です。
学研オンエアの学習システムは24時間利用することができ、ライブ授業を受けることができなかった場合でも、翌日から2か月間の録画視聴が可能です。
時差を気にすることなく、学研グループ塾講師2,500名のトップ講師が担当する質の高い双方向の授業を海外でも体験することができます。
さらに、先生や仲間と一緒に勉強をしてつながりを持てるメタバース空間などもあるので、海外にいながら日本との交流もできます。
海外の塾と日本の塾の違い|まとめ
今回は、海外の塾・受験事情について解説しました。
韓国や台湾などは日本以上に学歴社会が激しいので、塾も盛んで多くの生徒が通塾していますが、アメリカやイギリスなどは塾に通うということがあまりなく、各自で勉強をするという風潮が強いです。
アメリカやイギリス・オーストラリアなどの国では、学校の成績「GPA」が入試で重視されるため、学校の授業を真剣に受けることが必須で、塾よりはTutorと呼ばれる家庭教師に指導をしてもらう、もしくは学校の講習やサマーキャンプに参加する方が一般的です。
しかし、海外でも日本の塾がある国もありますし、海外から日本の授業に参加することもできます。
学研オンエアが提供している双方向のライブ授業は海外でも受講することができ、時差などで時間が合わない場合は録画を再視聴をすることが可能です。
その他、一緒に授業を受けている生徒や先生と交流することのできるメタバース空間などもあるので、海外にいながら日本の先生・生徒と交流を深めることができます。
海外での受講を検討している方は、ぜひ1度ご相談ください。