中学生になると、学習レベルがグッと上がるため、「授業についていけない」「テストで良い点が取れない」などの悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
そんな時は、塾に通うことを検討するようになると思います。
中学受験を控えていたり、中学での学習レベルについていけるように、と小学生のうちから塾に通いたいと考えている方もいるでしょう。
今回はそんな方々のために、気になる塾費用の相場と塾選びのポイントをご紹介します!
授業形式で相場が違う!
塾の費用は、指導形態によって大きく異なります。
生徒1人に講師が1人ついて指導する個別指導型の塾は、1人の講師が大勢の生徒を指導する集団指導型の塾よりも、当然、料金は高くなります。
また、塾のように教室へ通う必要がない家庭教師や、新型コロナウイルスが流行し、急増したオンライン形式の塾でも費用に差があるのです。
それでは、それぞれの料金の相場を見ていきましょう。
集団塾
授業料金(月) | 約10,000円~30,000円 |
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入会金 | 約10,000円~20,000円 |
※独自調査:週1回、1科目のみ受講を想定。
集団塾では、1人の講師が複数人の生徒に対して授業を行います。
学校の授業と同じような形式の塾です。
個別指導塾に比べればリーズナブルな価格設定になっており、指導を行う講師のレベルも比較的高い傾向にあります。
また、他校の生徒と一緒に授業を受けることもあるため、コミュニティが広がるかもしれません。
入学金や授業料のほかに、テキスト代や塾の設備代が必要になる場合もあります。
個別指導塾
授業料金(月) | 約15,000円~40,000円 |
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入会金 | 約20,000円~30,000円 |
※独自調査:週1回、1科目のみ受講を想定。
個別指導塾では、1人の講師が1〜3人ほどの生徒に対して指導を行います。
完全にマンツーマンの塾もあれば、生徒が3人に対し講師が1人という形式の塾もあります。
1人の講師が教室で数十人の生徒を相手に指導する集団塾に比べると料金設定は高めとなっているようです。
ですがその分、生徒1人ひとりの学習状況などに合わせて教えてくれたり、わからないところを気軽に質問することができる点が魅力ですね。
こちらも集団塾と同様にテキスト代や塾の設備代がかかることはありますが、生徒が使用するテキストを活用して指導を行う塾もあるため、テキスト代がかからないこともあります。
家庭教師
授業料金(1時間当たり) | 約2,000円~3,000円 |
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入会金 | 約10,000円 |
家庭教師は、塾とは違って講師が生徒の自宅に訪問して指導を行います。
そのため、自宅というリラックスした環境で完全マンツーマンの授業を受けることができます。
料金設定についても、ほとんどが月謝制になっている塾とは違い、1時間分や1コマ分で計算されることが多いです。
塾だと授業の時間が固定されていますが、家庭教師の場合は家庭の時間都合に合わせて授業を組むことができます。
家庭教師センターから派遣される家庭教師なのか、個人で指導を行っている家庭教師なのかによって料金に幅があります。
相性が悪いとかえって悪影響をあたえかねないので、家庭教師選びは慎重に行いましょう。
オンライン
授業料金(月) | 約2,000円~10,000円 |
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入会金 | 約10,000円 |
※独自調査:週1回、1科目のみ受講を想定。
オンライン塾は、パソコンやタブレット、スマートフォンを使い、インターネットを利用して指導を行います。
教室に通う必要がなく、自宅にいながら塾と同じような授業を受けることが可能です。
新型コロナウイルスの流行に伴って、外出がしづらくなったり、他人と会いづらくなった近年、急激に増加しています。
授業の際に生徒が質問や相談を行えるライブ配信型や、あらかじめ収録された授業映像を視聴するオンデマンド配信型、オンラインによる個別指導も受けることができるオンライン塾など形態はさまざまです。
どれもオンラインですが、一人当たり講師を拘束する時間の長さや自由度によって料金の幅が大きくなっています。
配信タイプや指導形態もさまざまなので、子どもに合ったオンライン塾を見つけましょう。
夏期・冬期講習もある!
学習塾を選ぶ場合、季節講習についてもしっかりと確認しておく必要があります。
季節講習とは、夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して集中的に行う短期講習のことです。
塾によっては泊まり込みで行う合宿形式の季節講習もあります。
また、これらの講習は塾によっては通常の費用とは別で用意する必要がある場合があります。
入塾前に、季節講習について料金などの説明をしっかり確認しておきましょう。
小学生・中学生それぞれの平均費用は?
では次に、小学生と中学生でかかる塾費用の違いについて見ていきましょう。
一般的には、小学校〜中学校へ学年が上がるにつれ、料金も高くなっていきます。
これは、学習内容のレベルが上がることや、学習する科目数が増えることが原因です。
実際にどれくらいの差があるのでしょうか?
ここでは、文部科学省が調査したデータから、小学生と中学生の塾費用の違いを見ていきましょう。
小学生の塾の費用
区分 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
1年生 | 17,991円 | 114,452円 |
2年生 | 30,278円 | 121,978円 |
3年生 | 40,629円 | 162,612円 |
4年生 | 47,773円 | 257,528円 |
5年生 | 84,579円 | 384,113円 |
6年生 | 96,289円 | 485,494円 |
平成30年度 子供の学習費調査 (opens new window)
こちらは文部科学省が平成30年度に行った、子供の学習費用に関する調査の結果をもとに、年間の塾費用の平均を各学年ごとにまとめた表です。
表を見ていただければわかる通り、公立と私立では大きな違いがあります。
理由としては、私立学校の方が学習レベルが高い傾向にあったり、そもそも裕福な家庭が多いということもあり、塾にかける費用も公立学校に比べてかなり多いです。
小学6年生でかかる費用の月額は公立学校で約8千円程度、私立学校で約4万円程度と、3万円以上も差があります。
中学生の塾費用
区分 | 公立 | 私立 |
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1年生 | 110,774円 | 117,141円 |
2年生 | 178,408円 | 156,644円 |
3年生 | 313,780円 | 186,569円 |
平成30年度 子供の学習費調査 (opens new window)
こちらも先ほどと同じく、文部科学省の調査結果をもとに、年間の塾費用の平均を各学年ごとにまとめた表です。
学年が上がるごとに塾費用の平均も上がっており、特に公立学校の3年生の時にかかる費用がほかと比べてかなり高くなっていることがわかります。
小学校から続いた義務教育が中学3年生で終わり、高校受験という大きな挑戦が待っています。
公立学校に通う生徒の大半は初めて受験に挑むことになるため、塾に通って学力の向上や受験対策を行う生徒が多いのではないでしょうか。
塾を選ぶ時に大切な3つのポイント
それでは最後に、塾選びに重要なポイントを3つご紹介します。
CMなども放送されているような全国的に有名な塾から、その地域に根差した1教室だけの小規模な塾まで、さまざまな塾があります。
たくさんある塾の中から、どの塾を選べばいいのでしょうか。
迷った時は、以下の3つのポイントに注目してみましょう。
塾を選ぶポイント①授業形式
まずは、授業の形態がどのようなものかという点です。
これは、費用の相場でもご紹介した、集団指導か個別指導かなどの違いです。
【集団指導塾がおすすめの人】
- 仲間と競いながら勉強したい人
- 学校以外でも友達が欲しい人
- 先生と1対1だと緊張する人
【個別指導塾がおすすめの人】
- 自分のペースで勉強したい人
- 苦手分野を克服したい人
- 質問や相談をしながら授業を受けたい人
また、オンライン塾の場合は、ライブ配信型とオンデマンド型があります。
【ライブ配信型がおすすめの人】
- 塾と同じような授業を受けたい人
- 塾と同じようにすぐに質問や相談もしたい人
【オンデマンド型がおすすめの人】
- 授業を何度も見直したい人
- 自分の都合に合わせて好きな時に授業を受けたい人
同じ塾でも、集団指導型と個別指導型を用意していたり、ライブ配信やオンデマンド配信を用意しているところもあるので、子どもに合った授業形態を選びましょう。
塾を選ぶポイント②カリキュラム
次のポイントはカリキュラムです。
カリキュラムとは、わかりやすく言うと授業内容のことです。
どのような授業を行っているのか、どんなテキストをつかっているのか、授業のレベルはどうなのか、こういった部分は塾選びにおいてとても重要だと言えます。
それぞれの塾のHPには、指導内容や1年間の大まかなカリキュラムや授業の特徴が記載されている場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。
また、塾によっては体験授業や見学を行うこともできるため、気になる塾がある場合は積極的に利用するのがおすすめです。
塾を選ぶポイント③料金
塾選びにおいて、料金が気になる方はかなり多いのではないでしょうか。
塾によってもちろん違いますし、授業形態や何科目受講するのか、週に何回通うのか、などによっても料金は変わってきます。
また、テキスト代や諸費用がかかってくる場合もあるため、チェックしましょう。
ただ、最も大事なのは、「学力の向上が目指せる環境である」ということです。
授業形式やカリキュラムに魅力を感じているのであれば、あまりにも手が届かない料金でない限り、選択肢から排除せず検討するのがおすすめです。
塾費用も気にしつつ、後悔しない塾選びをしてください。
塾の費用を抑える方法
塾に通うには決して安くはないお金がかかります。
そのため、できれば費用を抑えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
最後に、塾の費用を抑える2つの方法を紹介します。
コマ数や受講科目の数を調整する
1つ目の方法は、コマ数や受講科目の数を調整することです。
塾は1コマあたりで授業料が発生する場合が多いため、受講するコマ数や科目が増えると当然費用も高くなります。
すべての科目を受けるのではなく、苦手な科目だけにしたり、苦手な科目の中でも一人で勉強するのが難しい科目に絞って受講するのがおすすめです。
オンライン塾を選ぶ
オンライン塾は、設備費や人件費が抑えられるため、教室に通う塾に比べてリーズナブルな料金設定になっています。
録画された授業を見るものだけではなく、リアルタイミングで配信されていたり、個別指導をオンラインで受けることができるものもあるため、通常の塾と遜色ない指導を受けることができます。
また、通塾する必要もないため、時間を有効に活用することが可能です。
塾の費用はどれくらいかかる?|まとめ
塾にはたくさんの種類があります。
授業形態や科目数によって料金は異なりますし、ほとんどの塾では学年が上がるにつれて高くなっていきます。
近年ではオンライン塾も数多く登場しており、通塾時間が不要ということで人気が上がりつつあります。
料金についても、通常の塾よりは比較的安いことも人気の理由です。
塾の費用は決して安いものではありません。
塾選びに迷っている人も、すでに塾に通っている人も、そのことを忘れず勉強に取り組みましょう。