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小学生が読書感想文を書く際のコツ!おすすめの本もご紹介

小学生の夏休みに読書感想文の宿題が出た記憶をお持ちの親御さんは多いのではないでしょうか。

小学生のなかには、何をどのように書いてよいかわからず、読書感想文の宿題を後回しにする子どもが多く見られます。

しかし、読書感想文に取り組むことは思考力や表現力、読解力など国語力のアップにつながることも事実です。

本記事では小学生が読書感想文を書く際のコツや、学年別におすすめの本を紹介します。

小学生が読書感想文に取り組むメリット

本を読む男の子

小学生が読書感想文に取り組むメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。

  • 読んだ本に対する理解が深まる
  • 国語力がアップする
  • 順序だてて説明できるようになる
  • 読書の質が向上する

読書感想文に取り組むメリットの1つが、読んだ本に対する理解が深まることです。

何気なく本に目を通す場合と比べ、読書感想文を書く際は本の内容をより深く理解する必要があるためです。

読書感想文を書く際には文章力や語彙力、表現力なども問われるため、国語力のアップにもつながります。

また、起承転結を考えて読書感想文を書く習慣が身に付けば、会話の際も順序だてて説明できる能力が身に付きます。

何度も読書感想文に取り組めば読書の質が向上し、定期テストや入試に役立つだけでなく、人生における楽しみが1つ増える点もメリットといえるでしょう。

小学生が読書感想文を書く際のコツ

作文用紙と鉛筆

小学生が読書感想文を書く際のコツは以下の6つです。

  • 楽しく読める本を選ぶ
  • 感想文に書く内容をイメージして読む
  • 何度か繰り返して読む
  • 構成を作成してから書き始める
  • 感想文を書いてからタイトルを付ける
  • 翌日に読み返してみる

それぞれについて解説します。

小学生が読書感想文を書く際のコツ①楽しく読める本を選ぶ

小学生が読書感想文を書くのであれば、楽しく読める本を選ぶのがポイントです。

背伸びをして難しい本を選ぶと、読み終えられない可能性があります。

作中の登場人物に共感・共鳴できるようなら、楽しく読み進めて読書感想文も書きやすくなるでしょう。

対象となる本を選ぶのは子どもに任せ、親が読ませたい本を無理に押し付けないようにしましょう。

小学生が読書感想文を書く際のコツ②感想文に書く内容をイメージして読む

読書感想文を書く際の本の読み進め方は、通常の読書と違った方法で行う必要があります。

通常の読書であればただ読み進めるだけで構いませんが、読書感想文を書く際は書く内容をイメージしながら読むことが求められます。

書く内容をイメージせずに読み進めると、感想を書く際にもう1度読む必要が生じるためです。

何度も読み返すのは大事なことですが、イメージしながら読むと効率的に読書感想文を作成できます。

小学生が読書感想文を書く際のコツ③何度か繰り返して読む

読書感想文の作成に慣れないうちは、何度か繰り返して読むとよいでしょう。

大人の方でもよくあることですが、読書を進める中でどうしても頭に入ってきにくい場所があるものです。

わからない場所をそのままにすると後々になりつながりがわからなくなるため、理解できるまで何度も繰り返して読むのがおすすめです。

小学生が読書感想文を書く際のコツ④構成を作成してから書き始める

読書感想文の対象となる本を読み終え、十分に理解できたとしても、準備をせずに書き始めるのは禁物です。

まずは以下の情報をピックアップして構成案を作成しましょう。

  • 本を選んだ理由
  • あらすじ
  • 印象に残った場所とその理由
  • 読書を終えて感じたこと

小学生が読書感想文を書く際のコツ⑤感想文を書いてからタイトルを付ける

構成を作成して読書感想文を書き終えたら、読む人の興味を惹くようなタイトルを付けましょう。

「○○を読んだ感想」などありふれたタイトルだと他人の目を惹くことができません。

「○○の冒険には信じられない結末が!」など、思わず人が読みたくなるようなタイトルを考えましょう。

また、感想文を書く前にタイトルを付けると、感想文を書いているうちにタイトルと矛盾が生じる可能性があります。

小学生が読書感想文を書く際のコツ⑥翌日に読み返してみる

読書感想文を書き終えたら、翌日に読み返してみるのがおすすめです。

感想文を書いているうちに調子が出てくると、自分が書きたいことをすべて書き記してしまいがちです。

翌日に読み返して冗長な部分はカットし、読み手が読み進めやすいように文章を整えましょう。

【低学年】小学生の読書感想文におすすめの本

たくさんの本

小学校低学年の生徒はまだ文章を書くことに慣れていないため、親御さんが一緒に構成を作成してあげるのがおすすめです。

また、最後まで飽きずに読み進められるよう、小さい子どもや動物が主人公の短めの本がおすすめです。

【低学年】小学生の読書感想文におすすめの本①ふたりはとっても本がすき

ふたりはとっても本がすきは、児童書作家の如月かずささんが書いた一冊です。

かわいいチーターとカバが主人公で、走る速度と同様に本を読むペースも違います。

そんな正反対の二人が本を通して友情を深める、心が温かくなるストーリーです。

如月かずささんはこれ以外にも多くの冒険小説などを手掛けており、低学年から高学年まで楽しめる本が多くあります。

【低学年】小学生の読書感想文におすすめの本②ライオンのくにのネズミ

ライオンのくにのネズミは「書店員が選ぶ絵本新人賞2024」において、大賞を受賞した作品です。

小さなねずみは「身体が大きく使う言葉も違うライオンと仲良くなんてできない」と思っていましたが…

作者のさかとくみ雪さんはイラストレーターやウェブデザイナーの経験があり、柔らかなタッチながらインパクトのある絵が特徴です。

ライオンとネズミという、子どもにとって親しみやすいキャラクターで、最後まで楽しく本を読み進められます。

【低学年】小学生の読書感想文におすすめの本③しっぱいにかんぱい

しっぱいにかんぱいは、小学校教員の経験がある児童文学作家、宮川ひろさんの作品です。

前日の運動会で失敗してしまった加奈は落ち込んでしまい、お父さんやお母さんの慰めも耳に入りません。そこにおじいちゃんから電話がかかってきて…

大人にとって失敗は日常でよくあることですが、子どもにとっては初めて経験するショッキングな出来事でもあります。

失敗して落ち込んだ経験がある子どもなら、加奈に共感して読書感想文を書き進められるでしょう。

【高学年】小学生の読書感想文におすすめの本

重なっている本

小学校高学年になると読書感想文の対象となる本の文字数が増えるため、ポイントを絞って書き進めるのがポイントです。

あらすじをダラダラと書くのではなく、自分の経験や意見を織り交ぜながら書き進めると、感想文の説得力が増します。

【高学年】小学生の読書感想文におすすめの本①かあちゃん取扱説明書

かあちゃん取扱説明書は、児童文学作家のいとうみくさんが書いた小学生に人気の本の1つです。

うちで一番いばっているかあちゃんにいつもガミガミと叱られる僕は、お父さんのアドバイスをもとにかあちゃん取扱説明書を作り始めます。

最初は自分の理想の母親になってほしいと思っていた僕ですが、取扱説明書を作るなかでかあちゃんの愛情に気付き…

文章のテンポがよく読み進めやすいので、読書が好きな中学年の生徒にもおすすめです。

【高学年】小学生の読書感想文におすすめの本②先生、感想文、書けません

読書感想文が苦手なお子さんにおすすめの一冊が、「先生、感想文、書けません」です。

「なんで感想文なんて書く必要があるの?」 「本を読んで面白かったで終わったらダメなの?」

そんな疑問を持つ子どもに、担任のえりか先生はどう答えるのでしょう…

作者の山本悦子の「先生、宿題わすれました」も小学生に人気です。

【高学年】小学生の読書感想文におすすめの本③冒険者たち ガンバと15ひきの仲間

「冒険者たち ガンバと15ひきのなかま」は、アニメ化されたり舞台で上演されたりすることも多い児童文学書です。

ドブネズミのガンバは船乗りネズミの集まりで出会った忠太の頼みを聞き、イタチのノロイ一族に襲われている仲間を助ける冒険に旅立ちます。

仲間と助け合ったり、時にはケンカしたりしながら成長するガンバの姿は、現実の小学生が共感できる部分も多いのではないでしょうか。

380ページと読み応えがありますが、感受性が豊かな少年・少女のうちに読んで欲しい一冊です。

小学生が読書感想文を書く際のコツ!|まとめ

小学生にとって読書感想文は気が重い宿題かもしれませんが、文章力や表現力、語彙力などを磨く絶好の機会 でもあります。

共感・共鳴して読み進められる本を選び、事前に構成を作成して、読み手の興味を惹くようなタイトルを付けるのがポイントです。

本文中でご紹介した本はどれも楽しく読めるだけでなく、子どもの感受性や相手を思いやる気持ちなどを育む際におすすめです。

今回の記事を参考に楽しく本を読み進め、読書感想文に対する苦手意識をなくす一助としてください。

林大介
林大介

教務担当。講師歴22年。生徒が躓きやすい箇所を押さえて、差がつくポイントを徹底指導。なぜ?を大切に考える授業を展開します。教室長、エリア責任者、オンライン事業部責任者を経て、現在は学研にてオンライン学習塾の教務を担当。