子どもを育てるうえで、特に大きな割合を占める 「学費」。
幼稚園(または保育園)から大学まで、全て国公立の場合は約820万円、私立の場合は2,247万円かかるとされており、一般的に3倍近くの費用差が生じると言われています。
お稽古や塾、クラブ活動など、子どもの教育にたくさんのコストがかかる中、希望するイメージ通りの進学プランを実現するには、いくらお金が必要になるのでしょうか?
本記事では、教育課程ごとの費用比較や大学の種別ごとの傾向を徹底解説していきます。
子どもが幼稚園・保育園~大学卒業までにかかる費用の相場

2021年に文部科学省が公表した「子供の学習費調査・2 調査結果の概要」より、幼稚園・小学校・中学校・高校のパターンごとに必要な学費の目安についてまとめました。
お子さんの受験で私立の学校を視野に入れている親御さんは、ぜひ参考にしてみてください。
子どもが幼稚園から私学に通う場合
3~5歳までの3年間を公立幼稚園で過ごした場合にかかる総額は約47万円、私立幼稚園の場合は約92万円であり、最も価格帯が低い段階といえます。
また、公立と私立での差も2倍ほどしかありません。
幼稚園はすべての段階の中で、公立と私立間の費用差が最も少なく、比較的多くのご家庭で私立の幼稚園を選択しやすいと言えます。
子どもが小学校から私学に通う場合
私立小学校に6年間通う場合、総額で約1,000万円が相場であるとされています。
公立小学校に6年間通う総額は約211万円とされているため、私学を選んだ場合、5倍近くの費用が必要なことが分かります。
特に、私立小学校の1年目の学費はおよそ214万円と非常に高額であり、一般的な国立大学の費用4年間分に匹敵します。
小学校からの私学を希望するご家庭は、お子さんの意思はもちろん、他に兄弟がいるかどうかも含めて慎重に検討していくべきでしょう。
子どもが中学生から私学に通う場合
私立中学校に3年間通う場合、総額で約428万円が必要と言われます。
公立中学校に通う場合の総額は約161万円が相場であるため、私学はこの2.6倍ほど費用が掛かると言えます。
私立中学は中高一貫校であったり、付属大学までエスカレーター式で進学できるケースも多い傾向にあるため、子どもの受験負担を減らせることは大きなメリットでしょう。
子どもが高校から私学に通う場合
全日制の公立高校に3年間通う場合、総額で約152万円かかります。
同じく全日制の私立高校に通う場合の総額は約314万円が相場となるため、その差は約2倍になります。
また、私立高校の1年目のみ約127万円かかりますが、2年目・3年目の学費はそれぞれ93〜94万円ほどで済むようです。
「高校から私立を選びたいけど経済面が心配…」 という方は、返還なしで授業料を受け取れる『高等学校等就学支援金制度(高校無償化制度)』の申請をオススメします。
子育て世帯の教育費負担の軽減を目的としており、全国でおよそ8割の高校生が活用するほどに拡充されている制度でもあります。
以下に文部科学省公式HPのリンクを記載いたしますので、まずは受給資格を満たしているかどうかをチェックしてみましょう。
高等学校等就学支援金制度:文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.html
トータルでいくら?【大学進学~卒業】に必要な費用と内訳

「国公立と私立の学費は、総額でどれくらい差があるのか」
「大学から私立に進学させたいけど、希望の学部の相場って?」 と気になる方も多くいらっしゃるでしょう。
大学進学は子どもの自立が近づき、選択肢が一気に広まるタイミングでもありますので、その他の必要経費を工面できるかどうかをふまえ、学費の相場を確認しておく必要があります。
希望の大学に進学できるか否かは、お子さんが在学中に取り組みたいことやその後の将来を大きく左右するとも言えるでしょう。
お子さんご本人の意思をくみ取りつつ、進学する本人とご家庭、双方が納得できるような進路プランをしっかりと共有できることが望ましいですね。
私立大学&国公立大学の一般的な学費の総額
【国立大学の費用目安】
文部科学省の省令に基づき、国立大学の入学金・授業料は標準額が定められています。
入学金が28万2,000円、4年間分の授業料が214万3,200円のため、入学金と4年分の授業料を含めた総額は242万5200円となります。
しかし、各大学はそれぞれの標準額の20%以内の増額を認められているため、大学によって多少の差が生じる可能性はあります。
公立大学の場合は、国ではなく市区町村などの地方自治体により運営されるため、その自治体に納税する入学者の学費を減額する制度を設けていることがあります。
この制度は「なるべく安く、地元の大学に通いたい」と考えるご家庭にとって、ありがたい点と言えるでしょう。
【私立大学の費用目安】
私立大学の場合、入学金や授業料、施設整備費などのすべての費用が各大学の裁量に委ねられるため、国公立大学と比べると変動が大きいです。
また、税金による出資もないため、専攻分野が似通っている学部でも、国公立の学部より高い学費を支払う必要があります。
私立大学卒業までの総400〜550〜550万円ほどが相場とされていますが、こちらも希望する大学や学部により大きく異なるため、志望する学部の入学金・年間授業料を必ずおさえておきましょう。
理系 or 文系でも差が出やすい
私立大学の場合、一般的に学費が高額になりがちなのは理系学部で、文系学部で約400万円、理系学部で約550万円が相場であると言われています。
芸術系の私立美大の総額は約680万円、国公立でも約280万円が相場です。
国公立は、学部を問わずそれぞれの大学で一律の入学料・授業料が定められています。
医療系の進路を希望するお子さんがいらっしゃるご家庭は国公立・私立共通して「医学」「歯学」「薬学部」は修了年数が6年となっているため、それぞれの相場を把握しておくことをオススメします。
国立医大で約350万円、公立350~400万円、2,000~4,000万円は必要となることは念頭に置きましょう。
通学スタイルの変化・留学など、授業料以外の別途費用も注意
大学進学を想定する際、学費ばかりに目が行きがちですが、その他の費用も確認しておいた方がいいでしょう。
「大学が遠方にあるため一人暮らしする必要がある」「在学中に海外留学を考えている」など、お子さんの希望に合わせたサポートが生じる可能性があるためです。
お子さんが引っ越して進学する場合、学費のほか家賃や光熱費、食費などの生活費も考慮しなければなりません。
日本学生支援機構が公表した2020年度の調査結果では、自宅通学する学生の年間生活費平均額が年間約39万円、実家を離れて暮らす学生は約111万円であったそうです。
たったの1年間でも、72万円の差額が発生していることが分かります。
また、国際系の進路を希望する場合、留学プログラムが必修科目として組み込まれていることも多くあります。
カリキュラムなどを事前に把握したうえで、志望する学部を問わず、お子さん本人に留学の意思があるかどうか親子間で共有しておくと安心です。
「子どもの学費が足りないかも…?」不安なご家庭にオススメの支援制度

「ウチは子どもが多いから、私立高校に進学させるのは経済的に厳しそう…」
「子どもが学費の高い大学・学部を希望しているが、お金が足りそうにない…」 など、せっかく進学プランを作れても、家庭状況から不安になってしまう方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
以下に、教育費が足りない場合に推奨する代表的な支援制度をご紹介します。
いずれも何かしらの条件や制限を設けているため、全員が必ず利用できるという訳ではありませんが、申請が通れば様々な恩恵を受けることができます。
日本学生支援機構に申請する
多くの大学生が利用しているのが、『日本学生支援機構(JASSO)』による奨学金制度です。
主に、返還義務が無い「給付型奨学金」と返還必須の「貸与型奨学金」2種類の奨学金があり、 更に貸与型は「第一種奨学金(無利子)」と「第二種奨学金(有利子)」に分けられます。
給付型は返還義務が無い分、お子さんの学力やご家庭の経済状況に対する基準が定められています。
特定の条件を満たしたうえでJASSOの審査をクリアできれば給付金を手に入れることができますが、入学後も定期的な「在籍報告」実施&一定以上の成績をキープし続ける必要があります。
貸与型の場合、奨学金の返還者は学生本人になりますので、無理のない範囲で返還できる金額を設定するようにしましょう。
学資保険を利用する
学資保険は、子どもの教育費の準備を目的とした保険です。
基本的には保護者が契約者となり、毎月一定額を積み立て、進学時などの契約時に定めた時期に祝金や満期保険金を受け取ることができます。
毎月保険料を支払う必要があるため、積み立てた資金を安全に貯められることがメリットと言えるでしょう。
契約者が死亡または保険会社所定の高度障害状態と判断された場合、以後の保険料が免除される、「保険料払込免除特約」を採用している商品も多くあります。
親御さんが働けなくなってしまうなど、万が一の事態に備えた対応ができる点は安心ですね。
ただし、保険を途中解約した際は、解約返戻金が払込保険料の総額を下回る可能性があるため、商品の契約内容などを比較しておくと良いでしょう。
大学が設けている奨学金制度にトライする
私立大学の場合、入学試験の成績が優秀な学生のための「特待生制度」を利用するという手段もあります。
特待生制度を活用できれば、学費の負担は大幅に抑えられますが、選出される特待生の人数は1学年に数名などの決まりがあるケースが多く、特待生として採用されるのは決して簡単とは言えません。
子どもの進路・家庭状況を見据えて、無理なく学費を準備していきましょう|まとめ
希望の進学先を目指すにあたって、受験勉強をサポートしてくれる学習塾のコストは抑えておきたいですよね。
学研オンエアであれば、対面式の塾よりもリーズナブルな学習サポートをご利用いただけます。
また、効率的な学習サイクルで、子どもの自学自習を習慣化。高校受験だけでなく、その後の成績UPや大学受験にも役立つ力を身につけることができます。
【できるまで、わかるまで、きちんと教える】をモットーに、お子さんの志望校合格を妥協なく支援してまいります。