英語が苦手なわけではないけど、リスニングに苦手意識を持っているという方は多いのではないでしょうか。
暗記である程度対応できるリーディングと違い、聞く力が必要になるリスニングはなかなか点数が伸びにくいものです。しかし、英語はリスニングのコツを掴むことで点数を伸ばすことが可能です。
この記事では、テストでリスニングを受ける際のコツと、リスニングの勉強方法を解説します。
英語はリスニングで得点を伸ばすことができる

近年では、高校入試でもリスニングの比率が高まっており、リスニングの重要度は高まっています。
改訂されたばかりの学習指導要領でも、英語では「聞く」「話す」力が重視されるようになっており、今後も高校入試・大学入試におけるリスニングの重要度が上がっていくことが予想されます。
入試だけではなく、定期テストでもリスニングの配点は全体の2割〜3割程度を占めています。リスニングが苦手な方には悩ましい部分ですが、逆に考えるとリスニングをしっかり勉強しておけば、テストの得点を伸ばすことにつながるともいえます。
また、リスニングに強くなっておけば、英会話の能力も向上しますので、学校のテストだけではないメリットがありますね。
リスニング力が上がらない原因
リスニング力が上がらない理由はいくつかありますが、ここでは代表的な原因を3つ紹介します。
「勉強しているのにリスニングがうまくいかない…」という方は、以下に心当たりが無いか見直してみましょう。
英語特有の発音ルールに慣れていない
リスニングの結果が出ない方は、聞き取った英文の読みを、日本語の片仮名や外来語の表記で想像している可能性があります。
子音と母音がつながって発声されたり、隣り合った音が別の発声に変化するなど、英語には様々な発音変化のルールが存在します。
そのため、より正しい発音を身につけるには、
・母音と子音の発声一つ一つに意識を向けながらリスニングする ・発声時の口&舌の動かし方をマスターする
などの練習を重ねつつ、母国語を介さない英語の音をそのものを感じ取れるようになる必要があります。
リスニング時間・質が不足している
英語音声を流し聞きしているだけで、リスニングの練習を終わらせていませんか?
もちろん、日頃から英語音声を流し耳を慣らしていくことは継続すべき習慣ですが、リスニングの上達には「聞き取れなかった音を把握し、聞き取れるようにする工程」が欠かせません。
リスニングの成果を出すための基準は、習熟度や学習量によるため一概には言い切れませんが、これまで積み重ねてきた学習経験と知識の土台を育む必要があります。
音声を流して学習する場合、「聞き取れない音を逃さず、正しく内容を理解する」ことを意識しながら集中してリスニングに臨むようにしましょう。
視覚の情報量が多い教材で練習している
グラフや表、イラストが豊富な教材は流れが分かりやすく、内容理解が不足していても正しい選択肢を選びやすい傾向にあります。
しかし、このような教材を使った学習で効果が出ないと感じる場合は、ご自身の習熟度に合っていない可能性があります。
本格的なリスニング力の向上を目指すなら、視覚による状況把握だけでなく、英文の内容理解を正しく深められる教材を活用するのが良いでしょう。
テストでのリスニングを受ける際のコツ

テストでのリスニング問題は、コツを押さえておくだけで5点〜10点を加点することができます。
ここでは、テストでリスニングを受ける際の5つのコツを紹介します。
問題文を事前に読み込んでおく
テストのリスニング問題は、問題用紙に記載された問題文を、リスニングの放送を聞いて答えていく形式がほとんどです。
問題文は問題用紙に記載されていますので、リスニングの放送開始前に問題文を読み込んでおくことで、リスニングで聞くべき部分をある程度予想することができます。
例えば、「誰が」という問題なら人物名に注目する、「何を」という問題なら行動に注目するというように、集中して聞くべき部分を絞り込むことが可能です。
聞き取れない所があっても諦めない
リスニングに苦手意識のある方ほど、全て聞き取らなければならないと思ってしまい、聞き取れない所があると諦めてしまいがちです。
しかし、日本語での会話でも、一部を聞き取れなくても全体の流れで理解できるということはありますよね。英語でも、一部が聞き取れなくても、前後の文法や単語で聞き取れなかった部分を予測することは可能です。
聞き取れない部分があっても考えこまずに、流れてくる音を聞き取ることに集中しましょう。
リスニング中に日本語に変換しない
リスニングの内容を頭で理解しようと思うあまり、リスニング中に頭の中で日本語に変換しようと思っていませんか?
しかし、リスニングの放送のスピードは早く、単語や文法を日本語に変換しながら聞いていると、聞き逃しが起こってしまいがちです。考えている間にどこまで聞いたかわからなくなってしまうと、文章の流れもわからなくなってしまいます。
リスニングを聞いている間は、英語のままで聞き取り、解答する際にゆっくりと日本語に変換して考えるようにしましょう。
とにかく最初の単語を聞き取る
英語を聞き取ることが難しく、全体的な文章で捉えることができない場合、とにかく最初の単語を聞き取ることに集中しましょう。
テストで出題される範囲は、授業で習った部分が出題されますので、最初の単語を聞き取ることができれば、その後の流れも予想しやすくなります。
最初の単語を聞き取ることができたら、流れで続く単語も聞き取れる場合もありますので、まずは最初の単語だけ聞き逃さないように集中しましょう。
問題の風景や状況をイメージする
リスニングの一部分だけでも聞き取ることができれば、問題文の風景や状況をイメージしながら聞くだけでも理解が深まります。
例えば、室内なのか屋外なのか、登場人物は何人いるのかをイメージしながら聞くと、英語が自然に頭に入ってきますよ。
おすすめのリスニングの勉強方法

ここでは、おすすめのリスニングの勉強方法を3つ紹介します。
単語と文法を覚えてボキャブラリーを増やす
リスニングした内容を理解するためには、単語と文法を覚えて、英語のボキャブラリーを増やしておく必要があります。
知らない言葉を延々と聞き流していても聞き取れるようにはなりませんが、単語と文法を幅広く覚えておけば、リスニングした内容をイメージしやすく、聞き取りやすくなってきます。
リスニングのテストでは、それほど難しい単語は出てきません。基本的な単語や文法事項を確実に覚えていることが大切です。
また、単語を覚える際には、見たり書いたりするだけではなく、CDやアプリをつかって発声の練習も行いましょう。発音できない単語は聞き取ることはできませんし、ネイティブの声に合わせて発音することで、英語耳ができてきます。
短い文を正確に聞き取るディクテーション
ディクテーションとは、リスニングの内容を短く区切って、内容を書き取る勉強方法です。
いきなり長文をリスニングするのは難しくても、短い単語や文節なら、集中して聞き取ることは難しくありません。
また、ディクテーションでは、リスニングした内容を書き取りますので、聞き取れなかった単語など、自分が苦手な発音を知ることができます。
短い英文を聞いて書きとるというのは簡単に思えるかもしれませんが、意外に難しい。ディクテーションをしてみると、自分がいかに正確に聞き取れていないかがわかります。ディクテーションを行うことで、リスニング力は格段にアップします。
シャドーイング
シャドーイングは、リスニングの内容を追って真似して発音していく勉強方法です。
聞くだけではなく発音することで、より英語の発音に慣れることができ、英語独特のイントネーションや文の区切り方などを覚えることができます。
暗記科目と同様に、聞く・書くだけではなく、発音することで単語や文法が定着しやすくなるメリットもあります。
オーバーラッピング
英文のスクリプトを読みながら、流れてくる音声と同時に発声していく練習方法です。
お手本の音声に倣って発音するため、回数を重ねるごとに正確な発音のルールを実感できるようになります。
スクリプトを確認しながら実践できる方法のため、英語に苦手意識がある方でも取り組みやすい勉強方法と言えるでしょう。
繰り返し実践していくことが大切なので出来る分だけ取り組めることが理想的ですが、1文につき最低でも10回以上こなすことをおすすめします。
リプロダクション
リプロダクションとは、一文ごとに聞いた音声を止めてから復唱するトレーニング法を指します。
シャドーイングと異なり、聞き取った音声を正確に記憶する力も求められるため、リスニングを含めた英語力の向上に役立ちます。
ただし、通訳士向けのトレーニングメニューに選ばれるほど難易度の高い練習方法なので、既にある程度のリスニング力がある上級者におすすめです。
リスニング力を伸ばすポイント

リスニング力を伸ばすために意識したいポイントを3つ解説していきます。
これらをふまえて学習を進めていくことで、より効率的に英語力を培っていくことができます。
習熟度に合ったレベルの教材を活用する
習熟度に沿った語彙力や文法レベルがベースとなっている教材で学習することをおすすめします。
分からないことだらけの教材では勉強になりませんし、難易度が低すぎてもそれ以上のリスニング力は身につきません。
ご自身の習熟度の目安が分からない場合、教材に対応学年が記載されていればそちらを参考にリストアップしていくのも良いでしょう。
実際に教材を流し見して、「2~3割ほど不安な範囲があるかも…」と感じるレベルであれば、無理なく効果的に学習を進めることができます。
問題ごとに適した解き方を身につける
リスニングで高得点を狙いたい場合、効率的に正解へ導くために役立つ「先読み」のアプローチ法も必ずさえておきましょう。
概要を伝えるリード文からチェックすべきか、選択肢の内容から先に把握した方が良いかなど、問題のパターンによって最適な手法は異なります。
学校の定期試験のほか、英検や高校受験、大学入学共通テストなど、試験ごとの出題傾向や効率的な解法を事前に調べて対策していくと良いでしょう。
海外コンテンツを活かしたリスニング力UP方法

机に向かって取り組む学習以外にも、リスニング力を高める機会を作ることができます。
海外の作品や放送メディアの視聴を通じて、より本格的な英語に慣れる時間を増やしていきましょう。
洋楽・洋画
洋楽や洋画のような英語を扱う海外作品を鑑賞しながら、リスニング力を育むことも可能です。
ただメロディを楽しむだけでなく、歌詞を確認しながら発声練習に取り組むことで、リスニング力を高めることができます。
洋画や海外ドラマで学習したい場合、英語字幕モードで役者のペースに合わせて行うことで、よりオーバーラッピングの効果を期待できます。
試験で導入されている音声よりペースが速いため、よりネイティブな英会話のレベルを体感できるでしょう。
海外の放送メディア
アメリカの「Voice of America」や「CNN10」をはじめとした放送メディアを活用する方法もおすすめです。
ニュース報道系の番組であれば、口頭表現やスラングなどが見られないため、試験でも有用なフォーマルな英語をヒアリングできます。
習熟度別の幅広い学習コンテンツや地元の中・高生対象の制作コンテンツをスクリプト込みで提供しているため、積極的に利用していくと良いでしょう。
リスニングの聞き取り方、勉強方法|まとめ
リスニングは、入試や定期テストでも配点の多くを占めており、英語学習におけるリスニングの重要性は高まっています。
テストの受け方のコツを知り、訓練をすることで、リスニングに苦手意識を持っている方でも5点〜10点は加点することが可能です。
また、正しい勉強方法で覚えれば、リスニング力を向上させられますので、自分に合ったリスニング勉強方法を試してみてくださいね。