「非認知能力」という言葉をご存じでしょうか?
非認知能力は世界で注目されているトピックスの1つで、学力試験などでは測ることのできない能力を指します。
非認知能力は幼少期に育成され、高ければ高いほど良いとされています。
そこで今回は、世界的にも注目されている非認知能力について、そもそも非認知能力とはどういう能力のことを指すのかを始め、非認知能力のメリットや種類について解説していきます。
記事の後半では非認知能力を伸ばす方法についても解説したので、子どもの非認知能力を伸ばしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
非認知能力とは?
まず、非認知能力とはどういう能力なのかについて解説していきます。
冒頭でも説明した通り、非認知能力は世界で注目されているトピックの1つで、2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンの「ペリー就学前プロジェクト」という研究で以下の様な結果が発表されました。
この研究結果の通り、実際に小学校教師も非認知能力を身につけていない子どもより、非認知能力を身につけた子どもの方が伸びが良いという共通認識もあります。
認知能力とはテストや試験で測ることができる「数値化される能力」ですが、非認知能力はそれ以外のすべての能力、要するに人間力や生きる力・コミュニケーション能力など、試験やテストで測ることが不可能な能力のことを指します。
勉強をして身につける能力というよりは、日々の生活や遊び・親や人との関わりを通して育っていく能力です。
この非認知能力は子どもの時に育てることが大切で、小学校低学年までに育成される能力も大きく影響するため、幼少期から小学校低学年までがカギと言われています。
非認知能力のメリット
非認知能力のメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 成績向上
- 認知能力向上
- 犯罪率低下
これらのメリットは非認知能力の種類と大きく関係しているので、非認知能力の種類で詳しく解説します。
非認知能力の種類
非認知能力と聞くといくつの能力を思い浮かべるかわかりませんが、大きく分けて以下6つもの種類があります。
①自己肯定感 ②コミュニケーション能力 ③自制心 ④忍耐力 ⑤創造力 ⑥意欲
ここでは、それぞれの種類について解説していきます。
種類①自己肯定感
非認知能力の1つめは、自己肯定感です。
自己肯定案はありのままの自分を受け入れる・肯定すること・自分のことを好意的に受け止められる力のことを指します。
自己肯定感のある人は、自分と価値観の違う人を受け入れて尊重することができます。
このように人との付き合いに大きくかかわってくる部分になるので、人間関係や学校生活などの生活において自己肯定感は重要な土台となります。
また、自己肯定感が高いと幸福感も向上し幸せになるとも言われているほどです。
そのほかにも、
- 他人の評価に振り回されない
- 失敗を怖がらない
- 他人を尊重することができる などのメリットがあげられます。
種類②コミュニケーション能力
非認知能力の2つめは、コミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力は人間関係を構築するうえで欠かせない能力であり、意思疎通・自己表現・協調性全て、コミュニケーション能力から派生されるものになります。
コミュニケーション能力が高い人は、
- 聞き上手
- 自分の意見を状に表現することができる
- 話をする中で相手の気持ちを汲み取ることができる
- 相手に共感することができる
- 好感度を上げることができる と、いいことがたくさんあります。
反対にコミュニケーション能力がない、もしくは著しく欠けていると、人間関係を構築することが難しいともいえるので、コミュニケーション能力は高ければ高いほど良いです。
種類③自制心
非認知能力の3つめは、自制心です。
自制心はその名の通り、自らを制する力のことを指し、欲望に負けない力や周りに流されない力・感情や欲望・行動を制する力になります。
自制心がないと、
- 優柔不断
- 自分勝手
- 飽き性
- 衝動的な行動が多い
と言われており、集団生活の中でこれらの行動をしてしまうと人間関係が上手に回らなくなってしまう可能性があります。
種類④忍耐力
非認知能力の4つめは、忍耐力です。
忍耐力は、
- 欲しいけど我慢する
- 遊びたいけど我慢する
などの何かを我慢する力になり、生きていくうえで欠かせない力の1つです。
また、「〇〇したくないけど頑張って取り組む」などのように、最後までやり遂げる力にもなります。
種類⑤創造力
非認知能力の5つめは、創造力です。
その名の通り創造する力のことを指し、何か新しい物を創る能力で、創造力があると新しいアイディアや発想が豊かになります。
創造力と同じ読みで「想像力」という言葉もありますが、想像力はただ頭の中でその物事を考えることなのですが、今回の創造力は思い描いたものを実際に物・形にする力のことを指します。
種類⑥意欲
非認知能力の6つめは、意欲です。
意欲は自ら何かに取り掛かろうとする気持ちで、学校生活や私生活だけでなく、人間関係を構築していくうえでも大切な力になります。
また、積極的に何かにチャレンジしていくことで生産性が向上し、成果を上げることができます。
非認知能力を伸ばすには?
ここまで非認知能力について説明してきましたが、非認知能力はあればあるほどいい能力になります。
しかし、非認知能力は勉強して高める力ではないので、何もせずに勝手に身につくものではありません。
ここでは、非認知能力を伸ばす方法について解説していきますので、参考にしてください。
伸ばす方法|自由に遊ばせること
非認知能力を伸ばす方法1つめは、自由に遊ばせることです。
非認知能力を伸ばすためには親が遊びを子どもに提供するのではなく子ども自らが試行錯誤して遊ぶことが大切なので、子どもが主になって自由に遊べる環境を作りましょう。
また、自己肯定感やコミュニケーション能力を向上させるためにも、ほかの子どもとたくさん関わることが大事です。
子どもは遊ぶことが勉強だと思って、思いっきり遊ばせてあげてください。
伸ばす方法|たくさんの愛情を注ぐ
非認知能力を伸ばす方法2つめは、たくさんの愛情を注ぐことです。
親からの無償の愛は自己肯定感向上に繋がるだけでなく、愛されて育ってきた子どもは人を愛する方法を自然と親から学んでいきます。
また、親が無償の愛情を注いであげることで子どもは「親はいつでも子どもの味方である」ということを理解するので、安心材料の1つになります。
子どもがのびのびと成長できる環境を作るためにも無償の愛情は欠かせません。
伸ばす方法|パズルやブロック・粘土遊びをする
非認知能力を伸ばす方法3つめは、パズルやブロック・粘土遊びをさせることです。
パズルやブロック・粘土遊びでは観察力や集中力・記憶力・創造力などの能力を育てる手助けになるだけでなく、実際に指を動かして触って行なう遊びになるので、五感に刺激を与えることができます。 好奇心を向上させることにも繋がるので、小さいころから積極的に行なうようにしましょう。
伸ばす方法|子どもの意見を聞くようにする
非認知能力を伸ばす方法4つめは、子ども自らの意見を聞くようにすることです。
些細なことでも問題ないので、何かを決める場面では「どうしたい?」「どっちがいい?」など、子どもに決定権を与える環境を作りましょう。
非認知能力を伸ばすには|まとめ
今回は、テストや学力試験で測ることのできる認知能力と対になる「非認知能力」について解説しました。
非認知能力は認知能力と逆で、テストでは測ることのできない能力で主にコミュニケーション能力や創造力・忍耐力など、生きていくうえであると良い能力を指します。
勉強しても伸びる能力ではないので日常生活の中で伸ばしていくことが重要で、幼少期から小学校低学年で集中的に伸ばす必要があります。