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志望校とは「目指す学校」のこと! 失敗しない志望校選びのポイント

中学受験または高校受験を控えているみなさん、志望校は決まっていますか。

受験勉強をするにあたって、志望校を決めておくことはとても重要です。 ですが、初めて受験を経験する方にとっては、どうやって志望校を決めればいいのか、自分の志望校選びは間違っていないのかなど、いろいろな不安があるかもしれません。

今回は、後悔のない志望校選びをする上でのポイントをご紹介します。 「志望校とは何か」という大前提からお伝えします。

志望校は、受験勉強におけるゴール地点であり、スタート地点

小学生の勉強机とランドセルと帽子

そもそも、志望校とはどういう意味なのか。 みなさんは、改めてしっかりと考えてみたことはありますか。

単純に行きたいと思っている学校や、何となく受けてみたいと思う学校は、志望校とは言えないかもしれません。 志望校とは受験におけるゴール地点なのです。 つまり、いろいろな学校について調べたうえで、入学後にしたいことや学びたいこと、あるいは将来やりたいことを考えて決めるべきなのが志望校です。

受験に挑むにあたって、目標やゴールを設定しておくことは非常に重要です。
「ゲームで、レベル○○を目指してたくさんプレイした」
「楽器で、○○が演奏できるように必死に練習した」
「○○を買うためにコツコツ貯金した」
このような経験はあるのではないでしょうか。

これらは全て、目標設定したことによって努力ができた具体例だと言えます。

志望校という目指すべき大きな目標があれば、勉強に取り組む姿勢は変わってくるかもしれません。志望校は、ゴールであると同時に、受験勉強のスタート地点でもあるのです。

志望校を決めることは、受験勉強をするにあたって、最も重要なポイントです。

志望校を選ぶ際に知っておくべきこと

指差しする学生

では、実際に志望校をどのように決めればいいのか。 単純に行きたいという気持ちは大事ですが、それだけで選んだ学校は志望校とは違った意味合いを持つ学校になります。

具体的には、以下の3つのポイントを意識して志望校を選んでみてください。

学校の種類を理解する

日本の学校には、以下のような種類があります。

  • 私立・公立・国立という学校区分。
  • 男女共学・男子校・女子校という男女の区別。
  • 大学附属校・準大学附属校・中高一貫校などの一貫教育学校かどうか。

それぞれの種類によって、入試日程や試験科目も異なってきますので、中学受験の場合と高校受験の場合に分けて詳しく見ていきましょう。

【中学受験の場合】

中学受験においての選択肢は主に3つ。 **「私立中学校」「公立中高一貫校」「国立付属中学校」**です。

私立中学校は、学校法人による運営のため、学校ごとに違う自由な校風や教育方針をもっています。 試験科目は、算数・国語・理科・社会の4教科を中心に、3教科や2教科の場合もあります。また、公立小学校では習わない範囲の問題まで出題されることもあり、試験範囲は広いです。

最近では、試験科目に英語があったり、プレゼン力や創造力をみる試験など、学校の特色に合わせてさまざまな試験を行っている学校もあります。

公立中高一貫校はその名の通り、中学校と高校の6年間を一貫した、教育プログラムで学ぶことになります。 公立中高一貫校の入試は、「適性検査」という形で行われます。

試験は、科目ごとに分かれておらず、総合的な知識が必要な問題が出題されます。 出題傾向が特徴的なので、適性検査のための対策をしっかり行う必要があります。

国立中学校は、国立大学に附属している学校です。 大学が持つ知識や最新の研究から生まれたユニークな教育を受けることができます。 国立中学校の入試は学校ごとに異なります。 私立と比べて学費が抑えられることからも人気があり、その分、倍率も難易度も非常に高いです。

【高校受験の場合】

高校受験では、**「私立」「公立」「国立」の別、「全日制」「定時制」「通信制」といった違いや、「普通科」「商業科」「工業科」、「高等専門学校」**という5年間の専門教育を行う学校などもあり、中学受験に比べるとかなり幅広い選択肢があります。

高校入試の試験日程は、概ね私立高校は1月下旬〜2月中旬頃、公立高校は2月上旬〜3月上旬頃にが実施されます。

私立入試は、国語・数学・英語の3教科もしくは5教科。ほかに面接や作文・小論文が課されることもあります。 問題は学校が独自に用意するものなので、出題傾向も難易度も異なります。

公立入試は、調査書と、国語・数学・英語・理科・社会の5教科試験で合否が決まります。問題は、都道府県ごとに共通ですが、上位校では難しい問題や受験高の独自問題が出題される都道府県もあります。

国立入試は、学校ごとに異なります。偏差値も倍率も非常に高い傾向にあるため、しっかりとした受験対策が必要になります。

また、学校によっては一般入試のほかに、学校長の推薦をもらって受験する推薦入試があり、この場合は調査書と、面接や作文・小論文などで合否を判定します。 推薦入試の方が試験日程は早いです。

さまざまな学校のことをいろいろ知る

学校の種類をしっかりと理解したうえで、次に重要なのがさまざまな学校についてできるだけたくさんのことを知ることです。 行きたいと思っている学校や憧れを抱く学校については当然として、そのほかにもさまざまな学校について調べてみましょう

調べる際には、以下のようなことに注目してみてください。

  • 偏差値
  • 倍率
  • 特色
  • 場所
  • 設備
  • 部活
  • 制服
  • 学内イベント
  • 修学旅行先
  • 学費…など

これらたくさんの要素を踏まえた上で、志望校をどこにするかを考えましょう。

今まであまり興味を持っていなかった学校に対して思わぬ興味がわいたり、当初行きたいと考えていた学校が、意外と自分には合わないかもしれないと感じたり、改めて志望校とは何か考えるきっかけを与えてくれるはずです。

学校のホームページを見たり、資料請求をして情報を集め、学校見学やオープンキャンパスにはできるだけ足を運びましょう。志望校決定のためには、比べてみることがとても大事です。

志望校を決める時期も重要

たくさんの学校がある中で、なかなか志望校を決められずにいる方も多いと思います。

志望校選びは将来に関わる重要な選択なので、焦って決める必要はありませんが、いつまでも決められないでいると、いざという時に後悔してしまうかもしれません。

先ほどもお伝えした通り、志望校とは受験におけるゴールであり、スタート地点です。

ゴールが定まっていないまま、闇雲に勉強を続けているより、明確なゴールを設定してそこに向かって勉強する方が効率的だとは思いませんか。

また、受験においては傾向と対策がとても重要になってきます。 志望校の過去問を解いて出題傾向を知り、合格するために必要な勉強をすることが、志望校合格につながります。

高校受験の場合、国立や私立を第一志望校とするなら、中学3年生の10月までには決めておきましょう

公立が第一志望の場合でも、複数の私立を受験する方が多いと思います。 そうなると、傾向の異なる入試対策が必要となります。 受験候補の学校の入試については早めに調べておきましょう

やってはいけない志望校の決め方

NGマークを持ってるこども

志望校を決める際にしてしまいがちな、あまり良くない決め方についてお伝えします。

最終的な判断をするのはあなた自身なので、志望校の決め方は自由なのですが、以下のような決め方をしてしまった場合、後悔が生まれるかもしれませんので注意してください。

偏差値だけで決める

今の学力レベルから偏差値だけで志望校を決めるというものです。

もちろん偏差値はとても重要です。 受験をする以上、合格することが目標なので、偏差値は志望校選びにおいて最も重要なポイントと言えるでしょう。

ですが、偏差値だけで志望校を決めることはおすすめしません。 今、自分の学力では合格に届きそうになかったとしても、入試までの期間で必死に受験勉強に取り組めば、合格も可能になります。

学びたいことがあったり、雰囲気が好きな学校があるのならば、今の偏差値がたりなくても挑戦してみる価値はあるのではないでしょうか。

知名度だけで決める

知名度だけで決めてしまうこともあまり良くありません。 近隣の有名な学校や、全国的にも名高い進学校であったとしても、ただそれだけを理由に志望校を決めてしまうと後悔するかもしれません。

名前を聞いたことはあっても、実はその学校のことをよく知らないということはありませんか。

  • どういったことを学べる?
  • 学校の雰囲気は?
  • 設備は充実している?
  • 学校行事はどんな内容?
  • 気になる部活はある?
  • 試験内容に苦手な科目は含まれる?
  • 進学実績は? …など

その学校についてのさまざまなことを知ったうえで、総合的に判断しなければいけません。 知名度だけで決めてがっかりしないためにも、慎重に志望校選びを行うべきでしょう。

親が勝手に決める

志望校を決定するためには、家族できちんと話し合うことも大切です。 将来に関わる重要な選択であるうえに、学校に行くためには多くの費用がかかります。 その費用を負担するのはほとんどの場合が親御さんであり、未成年のうちは親御さんに保護責任があります。 そのため、親御さんの意見や気持ちを無視するべきではありません

かといって、自分で学校のことをいろいろと調べて選ぼうとしている志望校を、親御さんの意見に従って変えてしまう必要もありません。 もし反対されたのであれば、自分が行きたい理由をしっかり説明して、きちんと話し合いましょう。 自分では気づかなかった意外な欠点などが見つかって、志望校を考え直すきっかけになるかもしれません。

また、自分の意見が全くなく、親御さんの意見だけで志望校を決めるのも良くありません。 受験はあなたの人生において大きな分岐点となるかもしれません。必ず自分自身でしっかり考えて、結論を出しましょう。

失敗しない志望校選びとは?|まとめ

志望校を決めることは簡単ではありません。 また、簡単に決めてはいけないとも言えます。

中学受験や高校受験が、ほとんどの人にとって初めての受験となるでしょう。 しっかり調べて、慎重に志望校を決めましょう。後悔するのはあなた自身です。

志望校が決まっている方も、これから決めようと迷っている方も、この記事を参考にして志望校とは何なのか今一度考えてみてください。 そうすればきっと、あなたにピッタリな志望校が見つかることでしょう。

山下彰洋
山下彰洋

Gakken ON AIR塾長。塾講師歴22年。迫力満点の熱血授業。わかりやすさだけではなく「考え方」を重視した授業スタイルが人気。算数・数学講師、教室長、研修課長、教務課長を歴任し、現在は学研にてオンライン学習塾の事業責任者を担当。