不登校の子どもを持つ保護者の方は、不登校の状態が続くと学校の授業に遅れてしまい、進学もできなくなるのではないかと不安を抱えているのではないでしょうか。
しかし、不登校で生じてしまった勉強の遅れは取り戻すことができます。ただし、勉強の遅れを改善するためには、本人の努力だけではなく保護者のサポートが重要な役割を持つことを知っておきましょう。
この記事では、不登校の勉強の遅れを改善するために、保護者が守るべきポイントや勉強を始める前に注意するべき点を解説します。
不登校による勉強の遅れは取り戻すことはできる
不登校生は、学校の授業と比べて勉強が遅れている可能性がありますが、勉強の遅れは後から取り戻すことが可能です。不登校になったからといって勉強に関して過度に心配する必要はありません。
なぜなら勉強の遅れは、塾に通ったり、あるいは独学でも十分に取り戻すことができるからです。
ここで重要なのは、保護者がお子さんの勉強のサポートをしっかりと行うということです。
不登校で勉強に遅れが出てしまうと保護者が焦ってしまうのではなく、「後で取り戻せば良い」と心に余裕を持つことが大切です。
不登校になっても、進学は可能なのか?
不登校になった生徒でも、高校や大学に進学している生徒はたくさんいます。
学校によっては、欠席日数により合格が難しいところもありますが、中学時の出席日数が極端に少なくても入学できる高校はあります。ですから、不登校になったからといって進学を諦める必要はありません。
また、不登校期間に生じた勉強の遅れを補う方法はたくさんあります。例えば、自宅で勉強したい不登校生であっても、オンライン塾や通信教育などを活用することで受験勉強を進めることが可能です。
何らかの事情で現在の学校に通えていなくても、環境が変わることで、毎日学校に通えているという生徒はたくさんいます。
保護者が守るべきポイント
不登校の勉強の遅れを取り戻すためには、本人の努力よりも、むしろ保護者のサポートの方が重要になってきます。
ます大切なのは、単に「学校に行きなさい」「学校に行かないなら勉強しなさい」と言うのは逆効果で、子どもが心を閉ざす原因になるのを知ることです。
では、保護者はどうすればよいのでしょうか。
まずは心のケアを一番に考える
不登校生は、人間関係をはじめとした何らかの理由を持って学校に通えずにいます。
心にキズを負ってしまった子どもにとっては、家が心から安らげる場所であることや、親が自分の味方になってくれることが重要です。
不登校の期間が長くなってしまうと、早く学校に通わせなければと焦ってしまうのは当然ですが、本人が学校に通いたいと思えるまで気長に待つことが大切です。
また、子どもが不登校になったのは、育て方が悪かったと自分を責めてしまう保護者もいらっしゃいます。しかし、親がそう思っていることは口に出さなくても子どもは感じてしまいます。
楽観的に感じてしまうかも知れませんが、保護者も生徒自身も、不登校になったことを深く考え過ぎないことが重要です。
本人の好きなことをさせてあげる
不登校期間中に、ゲームや漫画・動画サイトなどを制限し過ぎないことも大切です。
不登校で学校に通えていないのに、毎日ゲームばかりしている子どもの姿を見ていると不安に感じてしまうのはもっともです。しかし、不登校の生徒にとって、ゲームや漫画・動画などの好きなことをすることは、大切なストレス発散の方法でもあります。
また、ゲームをすることで、クリアするために工夫をしたりテクニックを覚えたりなど、脳にとって良い影響を与える側面もあります。
好きなことを制限し過ぎてしまうと、無気力になってしまい、勉強の遅れを取り戻すことも難しくなりますので、思いきって子どもの好きなようにさせてあげる余裕を持ちましょう。
勉強の遅れを気にし過ぎない
不登校期間に、保護者自身が勉強の遅れを気にし過ぎないことが重要です。
不登校の子どもに「今これだけ周りと比べて勉強が遅れている」「早くしないと取り戻せなくなる」といった言葉を投げかけてしまうと、本人が勉強することを諦めてしまいます。
勉強の遅れを1番肌で感じて焦っているのは、不登校の子ども自身です。「勉強の遅れなんていつでも取り返せるよ」と本人が思えるように接してあげてくださいね。
勉強を始める際に注意すべきポイント
不登校の期間中に、遅れを取り戻すために勉強を始める際には、注意すべきポイントがあります。不登校期間は、毎日、授業を受け、宿題をする習慣がなくなりますので、その結果勉強をする習慣もなくなります。ですので、まずは勉強をする習慣をつける、勉強をするための生活リズムを取り戻すことが重要です。
では、勉強を始める際にはどんな点に気をつけるべきでしょうか。
勉強をする環境を整える
不登校の期間が長くなると、生活リズムが崩れてしまいがちで、自然と部屋が散らかってしまうケースも多くなってしまいます。
不登校期間に、部屋にテレビゲームや漫画などを持ち込んで、一日中部屋に引きこもって生活していたという人も少なくないでしょう。勉強を始める前に部屋を綺麗に片付けて、勉強をすることに適した環境に整えるようにしましょう。
部屋だとダラダラしてしまうという方は、最初はリビングで勉強をしたり、図書館やカフェなどを勉強場所として設定するのも良いでしょう。
生活リズムを改善する
登校時間に起きる習慣が無くなると、夜型になってしまい、生活リズムが崩れてしまっている人も少なくありません。
勉強を始める前に、学校に通っていた時と同じ起床時間に起きられるように、早寝・早起きをして生活リズムを改善するようにしましょう。
朝の脳は、睡眠でしっかり休んで前向きになりやすい良い状態ですので、勉強を始めるにあたって朝型に切り替えるというのも効果的です。
適度な運動で体力を保つようにする
不登校期間は、部屋や家から出る機会も少なくなってしまい、体力が落ちてしまいがちです。
勉強を集中して続けるためには、ある程度の体力も必要です。まずは、朝起きたら散歩するなど、軽い運動から体力を取り戻すようにしましょう。
朝、散歩して日光を浴びれば、幸福感を得られる神経伝達物質「セロトニン」の分泌が促されますので、気分転換にも最適です。
不登校による勉強の遅れは取り戻せる|まとめ
不登校の期間に生じてしまった勉強の遅れは充分に取り戻すことができます。実際に、不登校経験のある方でも、希望の高校・大学に進学した人は大勢います。
不登校の勉強の遅れを取り戻すためには、本人の努力だけではなく、保護者によるサポートの役割が重要です。
不登校で勉強が遅れてしまうのではないかと焦り過ぎずに、本人の心のケアを第一に考えて、寄り添ってあげるようにしましょう。