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オンライン授業はサボらないか心配?対策方法とメリットを紹介

感染症対策をきっかけに急速に広まったオンライン授業は、機器と通信環境さえあればどこでも授業が受けられるという手軽さが、メリットとして謳(うた)われています。

一方、先生の目が届かない場所で授業を受けることを不安視する声も聞かれます。オンライン授業になったら子どもがサボるのではないかと、心配している保護者の方も多いのではないでしょうか?

今回は、オンライン授業だとサボりやすいと言われる理由や、オンライン授業をサボりがちな子どもへの対策方法に加え、オンライン授業ならではのメリットについても解説していきます。

オンライン授業だと子どもはサボりやすい?

オンライン授業をサボる子供 教室で顔を合わせて授業を受ける対面授業と比べて、オンライン授業だと、つい授業をサボってしまうのではないかと心配をされやすいのは、一体なぜなのでしょうか。それには、主に2つの理由が考えられます。

サボっても教室よりバレにくい

オンライン授業では先生の目が子ども全員に行き届きにくいというのが、1つ目の理由です。生徒側のカメラがオンであっても、その画面の外で何をしているのかまでは、先生には見えません。

当然、クラスメイトの目を気にする必要もなくなります。授業を聞いている風を装ってサボるというのが、教室での対面授業よりもしやすいようです。

自宅に誘惑が多い

勉強のための環境が整えられている教室と違って、自宅には誘惑が多いというのが、2つ目の理由です。

手を伸ばせば届くところにテレビやゲーム、マンガ、ベッドがあるうえに、サボってもバレにくい状況まで揃ってしまっては、誘惑を振り切って授業に集中するのが難しくなる気持ちも、理解できなくはありません。

対面授業ならサボらないわけではない

いくらオンライン授業にサボりやすい要素があると言えど、対面授業ならサボる子がいなくなるかというと、そういうわけでもありません。

先生が黒板前から動かない授業では、教科書に別の本を隠して読んだり、ノートに落書きをしたりするのも難しくはないでしょう。先生が教室を巡回する授業でさえ、考えるフリをして空想にふけることができてしまいます。

授業方法を問わず、サボろうと思えば、サボる方法自体は見つかるものです。

オンライン授業をサボる子どもへの家庭でできる対策は?

「不正のトライアングル」という理論があります。人は「動機」「機会」「正当化」の3つがそろうと、不正に着手しやすくなるというものです。

例として、この不正のトライアングル理論を、オンライン授業をサボる子どもに当てはめてみます。

オンライン授業をサボる子どもの例

  • 動機:スマホゲームの期間限定イベントを最後までクリアしたい
  • 機会:自室でオンライン授業を受けていて監督者がいない
  • 正当化:通信環境が悪くたまに音声や映像が遅延するため、授業に集中しにくい

この例のように3つの条件がそろうと、サボるという行為に踏み切りやすくなります。このうち動機の部分に他者が干渉するのは困難ですが、機会・正当化の条件が揃わないようにすることは可能かもしれません。

つまり、オンライン授業をサボる子どもへの対策としては、環境を整え、サボる機会やサボりを正当化できる要素を極力排除するのがおすすめなのです。以下に具体的な対策案をご紹介します。

快適な通信環境を整える

通信環境が悪く満足に授業が受けられないとなれば、集中が途切れ、授業への興味も薄れやすくなるでしょう。また、授業中にマイクやカメラをオンにするよう要求されても、通信の状態が悪いと拒否せざるを得なくなり、こうなるとサボりやすい環境が整ってしまいます。

オンライン授業を受けるのに十分な通信環境を用意して、子どもの集中や意欲を切らさないようにしましょう。

リビングで受講させる

オンライン授業の時間帯に保護者が在宅している家庭であれば、リビングで受講させるのが効果的です。授業中に大人の目があり、どの角度から見られるか分からない状況となれば、サボるのが一層難しくなるでしょう。

オンライン授業中は個人デバイスを没収する

自室で1人で授業を受けるのであれば、オンライン授業に不要な個人デバイスは自室に持ち込ませない、というのも対策のひとつです。特に小さいスマホはカメラの画角の外でのぞき見しやすいため、授業中は触れないようにしましょう。

カメラをオンにさせる

先生やクラスメイトから見られているという意識があると、身が引き締まるものです。カメラを切るのが必須の授業でなければ、極力カメラをオンにするよう指導するといいでしょう。

カメラオンを徹底させるためには、通信・機器トラブルを言い訳にしにくいよう、通信環境と機材のスペックに気を配ることが大切です。

オンライン授業にはメリットもたくさん!

オンライン授業を受ける子供 ここまで、オンライン授業のサボり問題について解説してきました。しかしオンライン授業には、そんなデメリットを上回るメリットもたくさん存在します。

最後に、オンライン授業ならではの強みを4点ご紹介します。

さまざまな家庭のさまざまな事情に対応できる

どの家庭も、常に問題なく通学できる状態にあるとは限りません。怪我で移動が困難になる、感染症予防のため外出できなくなる、人の多い場所が苦痛に感じるようになる、といった事態が、いつ誰に降りかかってもおかしくありません。

通学を要せず、自宅で授業が受けられるオンライン授業なら、それぞれの家庭のさまざまな事情にも左右されず、気軽に教育を受けられるというメリットがあります。

どこに住んでいても質の高い授業が受けられる

どこからでも受けられるオンライン授業は、居住エリアを選びません。例えば塾などが少ない地域に住んでいても、ネット環境さえあれば、質の高い授業が受けられるのです。

効率よく学習ができる

通塾するとなると移動時間や移動コストがかかりますが、オンライン授業にはどちらも不要です。移動にかかる時間や労力を削減でき、その分学習に回せるのは、オンラインならではのメリットです。

子どもの安全が確保できる

平日、学校が終わってから塾に通うとなると、帰宅する頃には外が暗くなっています。保護者としては、事故や事件に巻き込まれないか心配になる時間帯です。とはいえ、毎回送迎ができる家庭ばかりではないかと思います。

一方、オンライン授業であれば家から出ずに授業を受けられるため、外でトラブルに巻き込まれるのを防げます。帰宅時間が夜遅くなりがちな塾こそ、自宅で受けられるオンライン授業がおすすめです。

オンライン授業のサボり対策|まとめ

娯楽の品も多い自宅で、先生の目を気にせず受けられるオンライン授業は、子どもにサボるチャンスを与えやすくなります。

とはいえ、対面授業にサボる子がいないわけではありません。大切なのは、サボりたいという気持ちとサボれる機会・口実が揃わないよう、環境を整えてあげることです。

オンライン授業には、サボりやすいというデメリットを上回るメリットも多数存在します。特に塾は帰宅が遅くなってしまうことも多く、自宅で受けられるオンライン授業の安全性は見逃せません。

メリットとデメリットを十分比較したうえで、それぞれの家庭や子どもに合った授業方法を選択しましょう。

山下彰洋
山下彰洋

Gakken ON AIR塾長。塾講師歴22年。迫力満点の熱血授業。わかりやすさだけではなく「考え方」を重視した授業スタイルが人気。算数・数学講師、教室長、研修課長、教務課長を歴任し、現在は学研にてオンライン学習塾の事業責任者を担当。