中学生のお子さんをお持ちの方の中には、子どもが勉強をしなくて困っているという方や、子どもの勉強嫌いや苦手を克服させてあげたいと思っている方が多いです。
中学生になると小学生の時よりも勉強量や科目数等も増え、さらには部活動も始まり忙しくなります。
勉強の難易度が上がったうえに、ちゃんとした勉強時間を確保できないとわからない部分も出てきますし、わからない部分が増えれば増えるほど勉強に対する苦手意識も増えてしまいます。
そこで、今回は中学生の子どもの勉強嫌いや苦手を克服する方法を紹介します。
記事の前半ではなぜ中学生で勉強が嫌い・苦手になってしまうのか、そして勉強が嫌い、勉強が苦手なままにしてはいけない理由を解説し、記事の後半ではそんな勉強が嫌いで苦手なこどものために保護者がしてあげられることについて触れていきます。
中学生で勉強が嫌い・苦手な理由
まずは、中学生で勉強が嫌い、勉強が苦手と感じてしまう理由と原因について説明します。
勉強が嫌いになる理由や勉強が苦手と感じる原因は様々ですが、まずは理由や原因がわからないと克服することもできないので、ここで紹介している4つの項目をご自身に置き換えて考えてみてください。
勉強する科目と分野が増えた
勉強が嫌い、苦手と感じてしまう理由その1は、小学生の時と比べて勉強する科目や分野が増えたことがあげられます。
小学生の時は、「国語・算数・理科・社会」の4科目でしたが、中学生になると、「英語・公民・音楽・美術・家庭・技術・保険」など科目数が増えるだけでなく、算数が数学になり、社会は歴史と地理に分けられるなど、全体的に科目数が増しています。
また、小学生で行うテストは4科目だったものの、中学生になると1度のテスト期間に9科目ものテストを実施する学校がほとんどです。
さらに、「理科」という1つの科目を取っても「物理・化学・生物・地学」と、4つの分野に分けられているなど、子どもからしたら全体的に勉強量が増えているように感じると思います。
科目数や分野が増えれば増えるほど勉強時間もそれなりに必要になってきますが、勉強する習慣のない子どもは授業で習った範囲を復習すること自体が難しいので、なかなか勉強内容が定着しません。
各授業の内容をしっかりと復習して習得できていれば、授業を重ねるごとに知識を蓄えていくことができるのですが、しっかりと授業の内容が定着しないまま新しい範囲・新しい勉強内容が積み重なっていくので次第に勉強がわからなくなってきてしまいます。
わからない箇所や疑問点が増えれば増えるほど勉強が嫌になり、勉強が嫌になると勉強をしなくなり、勉強をしなくなるとさらにわからない範囲が増えていきます。
勉強の難易度が上がった
勉強が嫌い、苦手と感じてしまう理由その2は、小学生の時と比べて難易度が上がっていることがあげられます。
中学校では、小学校で習った勉強内容をしっかりと理解できていることを前提に勉強が進むため、小学校で習った内容が完璧に身についていないと中学校で習う内容を理解することは難しいです。
例えば算数ですが、中学生になると算数から数学に変わります。
「数学は算数がレベルアップした物?」 いいえ、それは違います。
算数と数学は全く別の教科となっており、算数は計算をして答えを出す教科なので、身近な数を正しく計算して正しい答えを出せていればいいのですが、数学は空間図形の性質について研究する「学問」になるので、答えを出すためのプロセスに注目する必要があります。
そのため、数字について深く理解できていないと数学で躓いてしまいます。
以下は「数学と算数の違い」について紹介した記事です。 併せてご覧ください。
算数と数学って何が違うの?違いや考え方をわかりやすく紹介します
部活動が忙しくて勉強できない
勉強が嫌い、苦手と感じてしまう理由その3は、部活動が忙しくて勉強する時間を確保できないことがあげられます。
何事においてもそうですが、1回習っただけで全てを習得することはできません。
勉強も同じで、1回授業で習ったからと言って完璧に理解できたり、習得することは難しいので、授業後には必ず復習して習った内容を完璧に理解するという行程が必要です。
しかし、中学生になると部活動が盛んになるため、帰宅後に勉強する時間を設けるのが難しいという場合や、部活動で疲れ切ってしまい、帰宅すると勉強できる体力が残っていないということもあり得ることでしょう。
復習する時間を確保できないと授業で習った範囲が完璧に身についていないまま勉強内容が進むことになり、気が付いた頃には1人では解けない問題があったり、理解に苦しむ問題などが出てきてしまいます。
先生が合わない
勉強が嫌い、苦手と感じてしまう理由その4は、単純に先生が合っていないということがあげられます。
小学生の時はクラスに1人の担任がいて、担任の先生が全ての科目を教えてくれていましたが、中学生になると科目ごとに担当の先生が変わるため、相性のいい先生ばかりとは限らず、どうしても相性が合わない先生が出てくる可能性もあります。
その先生が担当している科目だけ勉強が疎かになってしまったり、わからない問題があっても質問することができずに疑問や不明点が残ったまま勉強が進み、最終的には授業内容を難しく感じるようになり、苦手科目になってしまうというケースが多いです。
勉強が苦手・嫌いなままにしてはいけない理由
勉強が嫌い、苦手と感じてしまう理由を4つ紹介しました。 ここからは勉強を苦手・嫌いなままにしてはいけない理由を解説します。
高校・大学への進学が困難になる
勉強を苦手・嫌いなままにしてはいけない理由の1つめは、高校・大学への進学が困難になるという点があげられます。
受験勉強では、何よりも基礎学力が大切です。
完璧に身につけた基礎学力を入学試験でいかにフル活用することができるか、基礎学力の引き出しをうまく使いこなすことができるかが合否に大きく影響してくるため、基礎学力なくしては志望校への進学が難しくなります。
勉強の基礎は中学校で習うのですが、勉強が嫌いな子はなかなか勉強しないですし、勉強をしなければ基礎学力も身につきません。
受験勉強を始めるとまずは基礎の部分から勉強をし直すのですが、すでに基礎がしっかりと身についている子どもは短期間で基礎の範囲をクリアし、少しレベルの高い「基礎を使って解く応用問題」の勉強に取り掛かることができます。
しかし、中学生の時に勉強を疎かにしてしまい、基礎が身についていない状態で基礎を勉強し始めると基礎をマスターするのに時間がかかってしまい入試に間に合わないことも考えられます。
高校・大学受験でスムーズに勉強を進め、志望校合格にたどり着くためには基礎学力の習得が欠かせないので、早い段階で勉強嫌いや苦手科目は克服しておきましょう。
就職が難しくなってしまう可能性が高い
勉強を苦手・嫌いなままにしてはいけない理由の2つめは、就職が難しくなってしまう可能性もあるという点です。
そもそも、高学歴な者に対してのみ高額な給料が支払われるという学歴社会は幕末と言われる江戸時代末期から明治時代初期に行われた明治維新によって近代国家を目指すための教育改革が起源と言われています。
今や令和ですが、日本の企業の中には「学歴社会」の風潮が残っている企業も多くみられます。
「やり通す力」や「粘る力」を重要視している企業が多いので、「やり通す力」や「粘る力」を判断する項目として、学生時代の頑張りを見られることが多いのです。
ちゃんと勉強してきた子との差が大きく開いてしまう
勉強を苦手・嫌いなままにしてはいけない理由の3つめは、ちゃんとコツコツ勉強をしてきた子どもとの差が大きく開いてしまうことがあげられます。
先ほど、受験勉強は基礎学力が大事であると説明しましたが、これは受験勉強だけにおいて言えることではありません。
もちろんコツコツと毎日勉強をして、基礎学力を確実に身につけている子どもと比べると受験勉強で差が生まれるのは確かですが、受験以前に、成績でも大きな差が生まれてしまうのです。
勉強嫌い・苦手な中学生の子どもに親がしてあげられること
勉強が嫌い・苦手な原因と、そのままにしてはいけない理由について解説しました。
ここからは早速、勉強が嫌い・苦手な子どもに対して親がしてあげられることについて紹介していきます。
親ができること①一緒に勉強する
勉強が嫌い・苦手な子どもに対して親がしてあげられることの1つめは、一緒に勉強することです。
勉強が嫌いで苦手な子どもの中には、勉強の仕方がわからない子どもが多いので、一緒に勉強をして保護者が勉強のやり方や筋道などを教えてあげることも効果的です。
また、勉強が楽しくないと思っている子どもも多いため、勉強することは楽しいことなんだよということを伝えてあげるためにも、保護者が一緒になって楽しく勉強してあげるという方法も効果的でしょう。
さらに、勉強が苦手な子どもに対しては保護者が一緒に苦手を解決してあげることで、苦手克服に繋がる可能性も考えられます。
親ができること②モチベーションを作る
勉強が嫌い・苦手な子どもに対して親がしてあげられることの2つめは、子どもに勉強することのモチベーションを作ってあげることです。
子どものころ1度は思ったことのある、「なぜ勉強をするのかわからない」という気持ちを実際に子どもが抱えている可能性があるので、勉強に対するモチベーションを作ってあげることも効果的です。
勉強することの重要性や勉強をしないとどうなるかを説明するという方法もありますが、勉強のモチベーションを作る・保つ方法としては、目標を決めることが1番簡単な方法と言えます。
高校受験合格というスパンの大きな目標でもいいのですが、次の小テストで〇〇点を取る、定期テストで〇〇点を取るなど、スパンが小さい目標を立ててあげましょう。
また、この目標を達成したら「ここに遊びに行こう!」など、目標を達成したら得られる嬉しい何かを設定してあげることで子どもはやる気を出します。
この時、あまりにも難しすぎる目標を設定してしまうと反対にやる気がなくなってしまうので、少し努力をすることで達成できるであろう難しすぎない目標を立てることがポイントです。
親ができること③子どものスケジュールを管理してあげる
勉強が嫌い・苦手な子どもに対して親がしてあげられることの3つめは、子どものスケジュール管理を保護者がしてあげることです。
つい1人だと勉強をしなくてはいけないとわかってはいるものの、勉強よりも興味関心のあるテレビやYouTube・スマホなどをいじる時間が増え、気が付いたら夜になってしまうということもあると思います。
特に、部活動が忙しくて勉強する時間や体力のない子どもに対しては、保護者が勉強時間や勉強スケジュールの管理を行ってあげることで上手に勉強する時間を作ることができます。
また、自宅で勉強する習慣のない子どもに対して、毎日少しずつ勉強する時間を保護者が作ってあげることで徐々に毎日勉強をするという習慣を作ることができ、最終的には保護者が管理しなくても1人で勉強するようになることが目標です。
中学生の勉強嫌い・苦手を克服する方法|まとめ
今回は、中学生で勉強が嫌い・苦手な原因を始め、なぜ勉強嫌い・苦手なままではいけないのか、そして勉強嫌い・苦手な子どもに対して保護者がしてあげられることについて解説しました。
中学生になると小学生の時と比べて勉強範囲が広がるだけでなく、難易度も上がるため、小学生の時よりもしっかりとした勉強時間が必要になります。
自宅で勉強するという習慣のない子どもは授業の復習を疎かにしてしまいがちですが、1回1回の授業内容をしっかりと復習して身につけていかないと学校の授業で遅れをとってしまいかねません。
勉強が嫌い・苦手な子どもに対しては、保護者が一緒に勉強をしてあげたり、スケジュール管理をしてあげるなどして対策をしましょう。
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