大切な我が子により良い教育を受けさせたい……。そう考えたとき、選択肢のひとつに挙がるのが中学受験ですね。
では、中学受験を決意した場合、いつから準備を始めるべきなのでしょうか? 中学受験の経験のない保護者の方はもちろん、ご自身が中学受験をしていても、今の受験事情は気になりますよね。
今回は、中学受験の検討を始めた保護者の方向けに、中学受験対策のスタート時期について解説します。
いつから始める? 早すぎる? 遅すぎる? そんな疑問をお抱えの方は、ぜひ最後までお読みください。
中学受験の準備、みんないつから準備を始めてる?
中学受験では、小学3年生もしくは4年生から準備を始めているご家庭が最も多いようです。
中学入試の問題をご覧になったことはありますでしょうか。 中学入試の出題範囲は広く、また、解答時間に比べて問題量がかなり多いのが特徴です。
入試で合格点をとるためには、時間をかけて計画的に学習を積み上げていく必要があります。
合格力をつけるためにどのくらい時間が必要かは子どもにもよりますが、理想は3年。そのため多くのご家庭では、低学年のうちに中学受験の検討を始め、新4年生のころに受験対策をスタートさせています。
## 中学受験に塾は必須? いつから通い始めればいい?
中学受験をするのであれば、塾に通うことをおすすめします。なぜなら、中学受験で必要になる勉強は、小学校の一般的な勉強とは全く質が違うからです。
中学受験には、中学受験なりの勉強のしかたがあります。そのノウハウや、中学校ごとに異なる入試問題の傾向と対策は、専門家の指導が必要です。
授業料や塾への送り迎えなど、ご家庭ごとの事情もあるかと思いますが、中学受験の対策を効率よくするためには、進学塾に通うのがおすすめです。
では、中学受験対策の塾には、一体いつから通い始めればいいのでしょうか?
中受コースの多くは「新小学4年生」から
多くの大手進学塾では、「新小学4年生」から中学受験コースを開講しています。新4年生、つまり4年生の2月からスタートするところが多いようですね。
5年生や6年生からでは遅すぎる?
新4年生から受験勉強を始める人が多いからといって、5年生以降で塾通いを始めるのでは間に合わない、というわけではありません。
4年生のうちは、学習時間の多くを勉強に慣れ、基礎力をつけることに使います。本格的な受験対策は5年生から、という塾がほとんどですので、5年生からスタートしても、十分に間に合わせることはできます。
塾によっては、6年生からの入塾は受け付けていないところもあるようですが、もちろん歓迎してくれる塾もあります。これは塾しだいです。
基礎がしっかりしている、学習習慣がついている、目的意識を強く持っている、というお子さんであれば、いつから始めても遅すぎるということはありません。
早ければ早いほどいいって本当?
中学受験対策を始めるのが早いほど有利なのは確かです。低学年のうちから学習習慣と基礎力を身につけておけば、その分、応用力を身に着ける勉強に費やせ、難関校の入試に対応できる力をつけられます。
とはいえ、5年生から、6年生からでも間に合います。
いつから中学受験対策を始めるべきかは、子どもの性格や習熟度によっても変わります。こどもと保護者、お互いにとってベストなタイミングを探しましょう。
中学受験対策の学年別ステップ
ここでは、一般的な進学塾において中学受験対策がどう進むかを、学年別にご紹介します。
「うちの子はいつから塾に通わせよう?」とお悩みの方は、入塾時期を決める参考にしてください。
小学4年生
首都圏では、新4年生を対象に、中学受験のカリキュラムをスタートさせる塾も多くあります。
とはいえ、基本的に、小学4年生の1年間は、基礎力の定着を中心にしたカリキュラムになっています。
また、5年生以降の本格的な受験勉強に耐えられる体力や学習習慣が身につくように、「学校とは別に塾にも通い、帰宅後は宿題以外の勉強もする」という生活に慣れながら、勉強の土台固めを行います。
小学5年生
勉強の内容が急に難しくなる小学5年生の時期から、受験勉強も本格化します。
4年生では「勉強」の土台を作っていたのに対し、5年生で作るのは「受験勉強」の土台です。学校の勉強とは全く異なる、受験ならではの勉強法をいちから学びます。
必要な勉強量が一気に増えますので、この時期までにしっかり勉強の習慣をつけておく必要があります。
小学6年生
6年生の1年間は、中学受験本番までの追い込みをかける正念場。
6年生になると、5年生から続く受験勉強のほかに、実践的な「入試対策」も加わります。学力テストや合格判定テストなどが増え、志望校と子どもの学力のギャップを埋めていく時期です。
志望校に特化した受験テクニックも学んでいきます。難関校については、志望校別の対策講座が開かれます。
小学校低学年のうちからできることは?
いつから受験対策を始めるかは、家庭によってさまざま。「塾に通わせるのは高学年からにするとしても、低学年のうちから家庭で受験の準備は始めたい」と考える方もいることでしょう。
そんな方のために、小学校低学年のうちからご家庭でできる取り組みの例を、いくつかご紹介します。
いつから中学受験準備を始めるかまだ悩んでいる人も、ひとまずこの取り組みを始めてみてはいかがですか?
勉強の楽しさを教える
中学受験は、長い長い持久走。勉強自体を「つまらない」「やりたくない」と思うようになってしまっては続きません。
小学校低学年のうちは、勉強そのものより先に、勉強の楽しさを教えてあげるのが重要。勉強から得られる達成感や、自分が成長していく手ごたえを感じられるよう、子どもに接しましょう。
逆に勉強をつらいと感じるような厳しすぎる取り組みは避けてください。楽しいと思えることなら、子どもは自発的にやるようになるはずです。
勉強習慣や読書習慣を身につける
勉強に大切なのは、とにかく習慣づけ。勉強する習慣がないまま受験勉強に突入してしまうと、学年が上がるごとに苦労します。
短時間でも構いませんので、1日1回は必ず楽しく机に向かえるよう誘導してあげましょう。
また、読書の習慣も大切です。まとまった文章を読むことに、今のうちに慣れさせておきましょう。読んだ本の内容を自分なりに説明してもらうようにすれば、読解力も身につきますよ。
いろいろなことに興味を持つ
子どもは好奇心のかたまり。興味を持ち、気になったものに接してみることで、子どもの考える力と知識が急速に育まれます。
ですので、小さいうちにさまざまな経験を積めるよう、子どもの興味の幅を広げるような取り組みを心がけるのが大切です。
勉強に関係のない事柄でも構いません。一度興味を抱けば、子どもは驚異的なスピードで知識を吸収します。その経験と知識は子どもの財産です。
子どもの興味にとことん付き合うには、受験勉強が激化する前、小学校低学年の時期がベスト。ここで得た知識が、いずれ受験に役立つこともあるかもしれませんよ。
中学受験の目的を話し合う
長い受験勉強を乗り越えるには、何より子ども本人が「志望校に合格したい」という強い意志を持つことが大切です。
「親に言われたから」「みんなそうしているから」という消極的な動機では、勉強を続けるのが苦しくなってしまうかもしれません。
勉強が本格化する前に、時間をかけて、子どもと中学受験の目的や動機、必要性などについて話し合ってください。本人が心から受験に納得すれば、それは強力なエンジンになるはずです。
中学受験の準備開始時期 まとめ
中学受験の準備をいつから始めるかは、ご家庭の事情や子どもの性格、習熟度により異なります。保護者と子ども、双方にとってベストなのはいつからかを見極めましょう。
一般的には、中学受験対策には3年ほどかかると言われています。大手進学塾では、新4年生(3年生3学期)から中学受験対策コースを設けるところが多いようです。
かといって、5年生以降の入塾では遅すぎるというわけではありません。子ども本人、そして希望する塾ともよく相談の上、中学受験勉強をスタートさせましょう。