学校や塾からよく出される「音読」の宿題ですがサボってしまったり、音読で得られる効果を分からずただ文章を読み上げている方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
しかし、「音読」は脳の活性化やコ二ケーション能力の向上などさまざまな良い効果が得られます。
小学生、とくに小学校低学年では、音読をすることには大きなメリットがあります。
この記事では、音読で得られる効果やなぜ音読が宿題に出される意味などをより詳しく解説していきます。
音読で得られる効果
脳は、使わないと時間が経つにつれて衰えていきますが、筋肉を動かすことで体が鍛えられるのと同様に脳に刺激を与えることで脳は活性化されます。
脳への刺激でおすすめなのが音読です。 ここからは音読で得られる効果をいくつかご紹介していきます。
効果①語彙力・文章力の向上
音読することで得られる効果の1つ目は、語彙力と文章力の向上です。
声に出して文章を読むことで、漢字の読み方や意味、文章の流れや文の切れ目を考えながら読むことが必要になるため、自然に知識が増え語彙力や文章力の向上、文章の構造の把握などが期待できます。
また、音読は声に出して読み上げる必要があるため、黙読では無意識に飛ばしてしまっていたわからない漢字などにも気づくことになり、その段階でさまざまな発見を得ることができ多くの知識を身につけることが可能です。
若いころ時から音読をしておくことは将来に役立ちます。
効果②読解力・会話能力の向上
音読することで得られる効果の2つ目は読解力と会話能力の向上です。 読解力とは、人が相手に伝えようとする言葉の意味を正しく理解する力のことです。
音読をするためには、目で文章を追いながら同時に自分の発している文章を耳で聞くことで読解力の向上が得られ、一文一文しっかりと把握するようになり書かれている文脈をしっかり理解することができます。
音読を毎日の習慣にし、繰り返し行うことで舌の筋肉が鍛え上げられ滑舌が良くなり、大きな声が出せるようになります。
そうすることで自然な発声にも慣れて、人と話すという苦手意識が薄まり、会話能力が向上します。
効果③ストレス軽減・落ち着きが生まれる
音読することで得られる効果の3つ目はストレスが軽減し、落ち着きが生まれることです。
音読することで脳の前頭前野が刺激されセロトニンという物質が分泌されます。 この物質はイライラや気分の落ち込みを抑える働きがあるため、音読をすることで気分が落ち着きリラックスできます。
また、セロトニンは幸せのホルモンとも呼ばれています。
音読で声に出して読むというのは息を吐くことであり、長文になればなるほど長く 息を吐くことになります。この行動は長く深く呼吸をする腹式呼吸と似ているため、心を落ち着かせることにつながります。
効果④読書が好きになる
音読することで得られる効果の4つ目は読書が好きになることです。 子供にとっての読書は新しい言葉や漢字、知識を得られる場で新しい発見が多くあります。
音読は子供が本と向き合う第一歩であり、日常生活では得ることができない物語に入り込むことで、想像力が豊かになり「読むことが楽しい!」につながり読書が好きになっていきます。 小学生、とくに小学校低学年では、音読をすることには大きなメリットがあります。
効果⑤やる気が出る
音読をすることで得られる効果の5つ目はやる気が出るということです。
何か物事を始める時にやる気が出ずにダラダラとしてしまうことはありませんか。そんな時は何か目標を立てて行動をすればやる気が出るでしょう。
目標を達成することによってやる気が出ることを「作業興奮」と言い、音読することでこの作業興奮が得られます。
小学生の宿題で音読はなぜ出される?
小学校の宿題でよく出されるのが国語の教科書の音読ですが、なぜ出されるのか不思議に思っている方も少なくないと思います。
ここからはその理由を解説しましょう
宿題で音読が出される理由①大きな声で読む練習
まず、最初に大きな声で読む練習です。
小学生のうちから大勢の前で発表をする機会が増えてきます。 その際には、みんなに聞こえるように大きな声で、かつ伝わりやすい発音やスピードで話す必要があるため、音読でその練習を行うという理由があります。
音読を繰り返すことで声の大きさや表現の仕方などが身につき、自信をもって声に出せるようになります。
宿題で音読が出される理由②内容の理解を深める
次は、内容の理解を深めるためです。
音読は黙読するときよりもしっかりと一文一文を把握し、単語ひとつひとつに注意しながら読むことができるため、音読の方が内容の理解を深めることができます。
宿題で音読が出される理由③読解力を高める
最後は、読解力を高めるためです。
国語だけでなく、算数や理科、英語などでも読解力がなければ解けない問題が多いため、読解力を高めるということはすべての教科で学習効果を発揮する土台をしっかりと構築していくということにつながります。
音読の効果を得るために保護者ができることは?
子供が頑張って音読している時は、上述した効果が得られるように継続してほしいと思いますよね。
ここからは、子供が音読を継続しながら音読の効果を得るために保護者ができることについてご紹介します。
音読中は叱らない!
子供が音読中につっかえてしまったり、読み間違えてしまう場合がありますよね。 しかし、そういった時は絶対に叱らないようにしてください。
音読の目的は、正しくスムーズに読むことではありません。
叱られてしまうと子供は萎縮してしまい、上手に読めなくなり脳が活性化されず音読で得られる効果が無意味になってしまうため、注意しましょう。
感想をすぐに伝える
子供が音読を終えた時は、すぐにほめて感想を伝えるようにしましょう。
ほめる時は、難しい言葉は選ばす 「ていねいに読めて上手だね」 「大きな声で聞きやすかった」 「綺麗な声でもう一度聞きたくなっちゃう」 などと何が良かったのかを含めてほめてあげることで子供の脳は活性化され、より音読の効果を高められます。
本の内容を簡単に質問してみる
子供が音読を終えた時に本の内容についてしっかりと理解できているか、確認として感想をきいてみたり、本の内容について質問してみるのも効果的です。
「なぜここの文章は大き目な声で読んだの?」 「どんな気持ちでここは読んだの?」 など読み方の質問でもいいですし、物語がどういう展開になったのか、登場人物はどういう心境だったのだろうか等、工夫して質問してみるとより効果的になります。
音読で得られる効果と保護者の対応|まとめ
宿題で音読が出される理由がこの記事で理解できたと思います。
音読で得られる効果は読解力を身につけるだけではなく、気持ちを落ち着かせたり文章能力や会話能力の向上などもあります。
しかし、この音読の宿題で得られる効果をより高めるには保護者の協力も必要不可欠のため、子供と二人三脚でやっていくことをおすすめします。
子供と一緒に効果的な音読をしてくださいね!